はじめに
ArgoCDを導入しようと思い、Getting Startedを一通りこなして感触を確かめていました。このページではArgoCDのコンソールへのアクセス方法として、Port Forwardingしてlocalhostでアクセスするか、argocd-serverのservice typeをLoadBalancer
に変更してLBのDNSを指定する方法が紹介されています。ただ、前者は実運用には辛いですし、後者はロードバランサーが自動的に生成されるまではよかったのですがCLBが起動(当方、AWS環境です)してきたので、このままだと使いづらいなと感じました。ALB経由でアクセスさせたく設定を入れていたのですが、変更する上でややハマりポイントがあったのでメモとして残します。
デフォルト設定の確認
まず、ALBのターゲットに指定する情報を集めていきます。必要な情報はサービス名、待ち受けポート、ヘルスチェックパスです。こちらを確認すると、サービス名はargocd-server、待ち受けポートは80と443だとわかります。ALBでTLS終端させれば良いので、80をターゲットに指定することでアクセスできそうです。ヘルスチェックのエンドポイントには/healthzを指せば良さそうです。
図示すると以下のようになります。
ingressの作成
上記の情報を踏まえて以下のingressのマニフェストを作成しました。
(前提としてaws-load-balancer-controllerは導入済みです)
apiVersion: networking.k8s.io/v1
kind: Ingress
metadata:
annotations:
kubernetes.io/ingress.class: alb
alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing
alb.ingress.kubernetes.io/target-type: ip
alb.ingress.kubernetes.io/backend-protocol-version: HTTP1
alb.ingress.kubernetes.io/healthcheck-path: /healthz
alb.ingress.kubernetes.io/success-codes: '200'
alb.ingress.kubernetes.io/listen-ports: '[{"HTTPS":443}]'
alb.ingress.kubernetes.io/inbound-cidrs: xx.xx.xx.xx/32
alb.ingress.kubernetes.io/certificate-arn: arn:aws:acm:region:000000000000:certificate/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx
name: argocd
namespace: argocd
spec:
rules:
- host: argocd.hogehoge.com
http:
paths:
- path:
pathType: ImplementationSpecific
backend:
service:
name: argocd-server
port:
number: 80
tls:
- hosts:
- argocd.hogehoge.com
こちらを適用することでALBが作られたのですが、https://argocd.hogehoge.com/ にアクセスしても、なぜかページが表示されません。
ヘルスチェックの失敗
AWSコンソールを見てみると、ALBからターゲットへのヘルスチェックに失敗していることがわかりました。
調べたところ、このページに答えがありました。これによるとargocd-serverでTLS終端をさせない場合は--insecure
オプションをつけるとあります。確かにinstall.ymlを見ると、何もオプションがついていないことがわかります。
ちなみにargocd-serverのオプション一覧はこちらにあります。
当該環境ではkustomizeを使っていたので、--insecure
オプションをつけるためにinstall.ymlにpatchを充てる形で対応しました。次のようなymlファイルを作成します。
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
name: argocd-server
spec:
selector:
matchLabels:
app.kubernetes.io/name: argocd-server
template:
spec:
containers:
- command:
- argocd-server
- --insecure
name: argocd-server
kustomization.ymlには次の内容を記載します。
namespace: argocd
resources:
- https://raw.githubusercontent.com/argoproj/argo-cd/stable/manifests/install.yaml
- ingress.yml
patches:
- install-patch.yml
こちらを適用することでヘルスチェックも通り、ALB経由でのArgoCDのコンソールアクセスが可能になりました。
#さいごに
同じポイントではまっている先人が多く、この記事と同じような内容の記事が数多く見られたので公開するか迷ったのですが、kustomizeを使った解決のアプローチがなかったので備忘も兼ねて残しておきました。同じツールセットを使っている方で同事象にハマった方の解決までの時間を数分でも短縮できると幸いです。