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React Server Componentsを活用したNext.jsの新構造

Last updated at Posted at 2024-03-15

これは何

Next.js App Routerでは、データfetchをとっとと下層に動かすと幸せという話。
幸せを噛みしめるために、今までfetchで困ってきた歴史?の説明。

クライアントサイドfetchの問題

ほとんどのデータは全ユーザーに共通のものだ。
これをクライアントサイドから

const Component = () => {
  const [data, setData] = useState();
  useEffect(() => {
    fetch('https://api.com')
      .then((res) => res.json())
      .then((json) => {
        setData(json);
      });
  }, []);
  return <>{data}</>;
};

このようにfetchすれば、サーバーサイドレンダリングのメリットの多くを失うことになる。

  1. 表示が遅い。ファーストビューにあればチラつきが見える。
  2. APIリクエストが多い。10分間キャッシュして良い内容であっても、10分で100人が来れば100回リクエストが出る。
  3. ややこしい :expressionless:

Pages Routerでの問題

Pages Routerでは、サーバー上でのみfetchする独自の方法が用意された。
getServerSidePropsなどでfetchし、レンダリングまで済ませてユーザーに送信することができる。

export async function getServerSideProps() {
  const data = await fetch('https://api.com');
  return {
    props: { data },
  };
}
export default function Page({ data }) {
  return <>{data}</>;
}

しかし、これにも問題があって...
最上位のpageコンポーネントにおいてしか動かない。

例えば

  • 記事
  • お天気ウィジェット
  • 占いウィジェット

を表示するページがある時、各UI部品が必要とするデータをページレベルでまとめてfetchし、丁寧にUIまでバケツリレーすることになる。

Screenshot 2024-03-15 at 14.29.58.png

他のページでもお天気と占いを表示したくなれば、fetcherを独立させることになる。

Screenshot 2024-03-15 at 14.31.55.png

データはページと一致するものではない。それを必要とするUIと結合しているものだ。
この例で、お天気fetcherの役目はお天気コンポーネントへのデータ提供だが

  • コンポーネントは呼び出されるページと密結合している。このテンプレに占いを入れよう!という作業の影響範囲はページから占いコンポーネントまでの全てにわたる
  • バケツリレーは長い
  • フォルダは遠く、一緒に作業し辛い

千本引きの紐に頑張ってラベルをつけてる気持ちになる。

App Routerの特徴

App Router最大の特徴は、React Server Componentsが使えることだ。

結論だけ言えば、扱い方は以下になる。

  • デフォルトで全てのコンポーネントはRSCである。
  • RSCとは「ハイドレーションされない=静的HTMLになる代わりにサーバーサイドfetchができる」コンポーネントである
  • ハイドレーションが必要になった階層で 'use client;'で「クライアント境界」を設定する。そこから下層は全て標準コンポーネント(クライアントコンポーネント)になる。

繰り返しになるが、RSCの現状ほぼ唯一かつ大きな強みは「fetchができること」だ。

ハイドレーションが必要な代表的機能

App Routerでの構造

晴れて好きなコンポーネントでfetchできるようになったので、コンポーネントは自身が必要なデータの取得まで担当するのが一番だ。
「お天気を取得し表示する」
「ユーザーIDだけ受け取ったら残高を取得し表示する」
などである。

Screenshot 2024-03-15 at 15.15.02.png

部品の独立性は一気に高まり、コードの改修は容易になる。

作業としては、fetchをUIと一致する階層まで「下ろす」構造転換になる。
なお、fetchしたい階層とハイドレーションしたい階層が同じなら、新しく「fetch層」「ハイドレーション層」の2層に分けると良い。

//components/Otenki/index.tsx
import UIComponent from './UIComponent'

const DataComponent = () => {
  const data = await fetch('https://api.com');
  return <UIComponent data={data}/>;
};
//components/Otenki/UIComponent/index.tsx
'use client';
import { useState } from 'react';

const UiComponent = ({ data }) => {
  const [state,setState]= useState();
  //なんでもする
  return <>{state}</>
};

階層が増えてしまうが、千本くじより良い。

雑記

  • styled-componentsなどのCSS-in-JSライブラリのほとんどはRSCに対応する気配がない。スタイルを1行書けばそれ以下ではfetchできないので、大きなマイナスである。Next.js使いは離れる時かもしれない...
  • RSCはReactの機能だが、現在まともに使えるのはNext.js App Routerだけなので、Next.jsの機能と考えて問題ない
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