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B-CASカードについて解説

Last updated at Posted at 2018-08-12

#はじめに
テレビを買うとB-CASカードを刺しますよね。B-CASカードって何をやっているんでしょう。また、wowwowやCS等、契約しないと見られないですがどのように契約者情報を管理しているのでしょうか。

#デジタルテレビの暗号の仕組み

GGZN0214.png
gigazine経由、三才ブックス「ゲームラボ」6月号19ページより、「B-CASカードによる暗号解除の流れ」

映像信号はMPEG2のTS(トランスポートストリーム)という映像・音声多重化フォーマットに従って流れてきますが、映像信号などは暗号化されています。暗号化されているので鍵がないとTVを視ることができません。

この映像信号を復号する鍵はKs(スクランブルキー)と呼びます。
Ksは番組ごとに異なります(同じでも良い)。

このKsはどのように入手するのでしょうか?それを知るためにB-CASカード内部に話を移していきます。

B-CASカード内部にはKm(マスターキー)というB-CASカード毎に異なるKmキーが入っています。
このKmはEMMを復号するための鍵となっています。放送局側はすべてのB-CASカードのKmを把握しています(放送局と受信者の共有鍵)。

EMMとはTSに重畳されてくるパケットです。例えばwowowと契約すると、wowowからEMMが契約したB-CASカードのためだけのパケットを送ってくれます。
それをKmで復号すると、契約者情報とKw(ワークキー)が入っています。契約者情報はB-CASカード内のストレージに格納します。Kwキーは放送局ごとに異なる鍵で、ECMを復号するための鍵です。

ECMもTSに重畳されてくるパケットです。ECMは番組の映像信号を解くための鍵、Ks(スクランブルキー)が格納されています。ECMには日時情報が入っているため、有効期限切れを起こしていないかをB-CASカード内部で判定し、有効期限が切れていた場合はKsをTV側に供給せず、したがって映像信号を複合できない仕組みになっています。

まとめると以下となります。

暗号化単位 キー 説明
B-CAS単位 Km(マスターキー) B-CASカードごとユニーク。B-CASカード内に最初から入っている。EMMを複合するための鍵
放送局単位 Kw(ワークキー) EMMの中に入っている。ECMを複合するための鍵
番組単位 Ks(スクランブルキー) ECMの中に入っている。番組ごとの映像信号を複合するための鍵

TV視聴にはEMM/ECMを受信する必要があります。そのためTVの電源を消している間もチューナーは動いていて、EMM/ECMを裏で受信し続けています。

#不正視聴対策
なんらかの事情で不正視聴されていると知った場合、放送局側は新しいKw(ワークキー)をEMMに乗せて対象B-CASカード向けに送信します。

新しいKwを入手しないとECMが複合できず、よって映像信号を複合するためのKs(スクランブルキー)が手に入らず、視聴できないことになります。

wowow 更新信号について
スカパー チューナーの設置・設定が完了しても、有料チャンネルが視聴できません

wowow、スカパーのFAQを見ると、
・みたい放送局を30分以上選局する → その放送局のEMMを受信するためです。放送局は契約したすべてのB-CAS宛に30分以内に送信をし、それを繰り返していることが読み取れます。

EMMはパケットが小さいのだろうけど、億を超えるであろうB-CASカード宛にパケットを送るのは非現実的に思えます。何か工夫してるんでしょうね。

#Ks(スクランブルキー)の変更について
HDMIは確か40sec毎に映像信号の鍵を変えていましたが、ECMはおそらく放送局固有になってそうです。B-CASカードを抜いても映像は見られますからね。

#感想
ややこしいですね。

#参考
【gigazine】B-CASカードを有料放送見放題カード「BLACKCAS」にする手順が判明するまでの経緯まとめ、一体ネット上で何が起きたのか?

【ブログ】B-CASカード...

B-CASカードの仕組み

【はてな】B-CASカード技術的なことをしらべてみた
 昔の自分が書いたような気が、、、

B-CAS 方式

#履歴
2018/08/12 初版

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