様々な会社で様々なプロジェクトを見てきましたが、毎朝必ず朝会をやるチーム、毎夕必ず夕会をやるチームで、意識共有が出来ているチームを見た事がありません。
少し前に、会社のチーム横断のメンバーで「自分の仕事術」をお互いに教え合うという会に参加させてもらいました。
その際、自分の仕事術として「毎日、朝会と夕会をやってチームメンバーと意識合わせをする」と胸を張って答えた後輩がいました。
「えっ、毎日?朝会と夕会?それ、意味あるの?」
まさかこれでツッコミが入るとは……という顔で、答えられずにいる後輩。
「前の日の夕方と朝なんて、業務時間的にはせいぜい1時間か2時間、何も進んでないって言われても仕方ないと思うんだけど。時間の無駄では?」
「朝はその日の予定を確認したいんです。夕会はその日の進捗を確認したいんです」
「それを”全員が揃って”やる必要あるの?ミーティングで進捗報告会っていうのは、全員が”自分の進捗”を答えるだけじゃなく”他の人の進捗を聞く”時間も必要なんだよ。可動がかかるんだよ。無料じゃないんだよ。ミーティングする事自体反対派なんだけど、その目的であれば、夕会1回で済む話だよね?」
「でも、そうしないと、安心しないんです。」
ああ、これは言っても無駄なパターンだなぁと思いつつ、一応は言っておいた。
「安心したいなら、それこそ対面で話をしないと。打ち合わせの席じゃ緊張して上手くしゃべれない人もいるんだよ(特に自分たちの業界では……というデリケートな事は思っても言わない)。さっきの可動の話もある。
リーダーが安心したいだけの夕会なんて全く意味がないよ。
意識共有ならチャットやメーリスの方がまだいいよ。ミーティングだと、言った言わない論争だって発生してしまう。
朝回・夕会なんて、何も、いい事なんか無いんだよ」
しかし、結局、後輩は釈然としない、自分のやり方でチームは回っている、これが正しい、という考えは変えなかったようでした。
各個人へのヒアリングではなく、打ち合わせをする意義は何でしょうか。
ディスカッションだったり、他の人が詰まっている部分を解決したり出来る、いわゆる「問題発生と解消」ではないでしょうか。
それぞれがお互いに何をしているのかの把握に、打ち合わせは適しているとは思えません。
貴方の業務は、打ち合わせの席でちょっと話すだけで全体像がつかめるぐらい簡単な仕事なのでしょうか。そうではないでしょう。ですからチームメンバーに共有してるつもりでも、実際には「何となくあのひとはあの仕事をしてる人」程度の認識しか持たれません。
お互いが何をしているのかを把握し合うのであれば、業務的に全員を交代でその業務を体験させるか、勉強会をして共有するか、問題管理表を持ち回り制にするか等、もっと本腰を入れた対策をしなければ、単価に見合った効果は生まれません。
そう、単にリーダーが安心してるか、してないか。それだけです。実際は大きくかかった可動の分、損失を発生させているだけです。
リーダーの安心って、実務を超えるほど重要なのでしょうか?