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【レポート】Javaのプログラムはどうやって動いているの?

Last updated at Posted at 2015-04-27

情報

概要

前半(JVM編)

  • JVMは実行時コンパイル(Just-in-Time Compile)
  • Java -> classファイル -> バイトコード
    • バイトコードはjavapで確認可能
  • 5つの手順: JVM起動, クラスロード, リンク, 初期化, main実行
    • JVM起動: JNI_CreateJavaVM()
    • クラスロード: 芋づる式に読み込む. "java verbose:class クラス名"で確認可能.
    • staticフィールドの初期化, Javaコードの実行タイミングが異なるのは注意
  • JVM: Stack Machine
    • スレッドの中でフレームのスタック, フレームのスタックの中でJavaStack
    • スタックがあふれるとStackOverFlow

後半(GC編)

  • 世代別GC(Mark&Sweep + Copyのいいとこどり)

    • Mark&Sweep
      • 利点: 実装がシンプル. 参照の書き換えがないため, 安全.
      • 欠点: stop-the-worldの時間が長い. ヒープの断片化が起きやすい.
    • Copy
      • 利点: stop-the-worldの時間が短い. ヒープの断片化が起きない. 高速なアロケーション
      • 欠点: ヒープの使用効率が悪い. 参照書き換えがある.
  • 原理を知って, チューニングに活かす

    • Old世代のGCをなるべく減らす

書籍

資料

前半(JVM編)

後半(GC編)

メモ

前半(JVM編)

はじめに

  • Classファイルからmainメソッドを実行するまでを紹介
  • このスライド(動画参照)はJavaFXで書いている
  • ごちそうフォト. 最近1位になりました(スイーツ王)

Virtual Machineとは

  • "Virtual Machine"といってもいくつか意味がある(今回は下記後者)
    • ホストOSの上にゲストOSを乗せる
    • プログラミング言語を解釈してコンピュータで実行するソフトフェア

VMを使うと嬉しいこと

  • Write Once, Run Anywhere
  • どこでも動く(windows, Mac, linux)
  • OSによらず実行できるので"仮想"バーチャルマシン

Java Virtual Machine

  • バイトコードを解釈して実行
  • 基本はインタープリタ = 1行ずつ読み込んで実行
  • 反対はコンパイル言語(C, C++)
  • JVMは実行時コンパイル(Just-in-Time Compile)
    • 今日は実行コンパイルは触れない(難しいから)
    • でもインタープリタ理解できれば理解できる.

Today's Sample

mainメソッドの中でadd関数. add関数は足し算するコード.

public class Test {
  private int add(int x, int y) {
    int z = x + y;
    return z;
  }
  public static void main(String... args) {
    Test test = new Test();
    int z = test.add(10, 20);
  }
}

Classファイル作成までの流れ

  • .java -> javacコンパイラ -> .class
  • .java
    • クラス定義
    • フィールド定義
    • メソッド定義
  • .class
    • クラス定義
    • フィールド定義
    • バイトコード (メソッド定義はこれに変換される)
    • 定数プール:文字列, リテラルがいっぱい入っている. 再利用できるように.
    • 属性:その他雑多なものジェネリックスのパラメータなど

javap

  • バイトコードの逆アセンブル
  • javap -option クラス名(-p : privatメソッドも対象に. -c : バイトコード出力, -v バイトコード + 定数プール)
  • アセンブラみたいなコードが出てくる.

mainを実行するまで

  1. JVM起動
  2. クラスロード
  3. リンク
  4. 初期化
  5. main実行

1.JVM起動

  • JNI_CreateJavaVM() // これが最初に実行されてJVMが起動される.

2.クラスロード

  • classファイルの読み込み
    • 使用するクラスを芋づる式にロード
    • さっきのサンプルでも200個くらいクラス使う
  • java -verbose:class Test
    • 読み込むクラスを見ることができる.
    • rt.jarから呼ばれる. 巨大だからjava9から分割され, 使わないのは呼ばないようになる.
  • クラスロードだけでは読み込んだだけなのでまだ使えない

3.リンク

  • classファイルが正しいかチェック
    • 厳しくチェックしている
    • 改ざんされていないか
    • 悪意のあるコードがないか
  • staticフィールドの初期化
    • ただしJavaコードの実行はしない
    • final修飾子が付いていても最初はnullが入る
  • クラス間の関係を解決. 参照関係.

4.初期化

  • staticフィールドの初期化
    • Javaのコードを実行する(参照関係が分かるので実行できるように)
  • staticイニシャライザの実行
static {
 // static initializer
}

5.main実行

mainメソッドの実行

クイズ

  • Java Puzzle: Anniversary(詳しくは資料or動画)
  • staticのところにも変な値が出るよ

バイトコードの実行

  • JVMはスタック
    • stack: Last in, First out (LIFO)
  • 一般に実行形態は大きく分けて2つ
    • Stack Machine : 上から次々積み上げ JavaVM, PostScript, .Net Framework CLR
    • Register Machine : 配列みたいなもので事前準備 Intel Core, ARM Cortex

逆ポーランド記法

  • 1 + 2 -> 1 2 +
  • (2 + 3) * 5 + (4 - 2) -> 23 + 5 * 42 - +
  • この書き方がだと括弧が出ない
  • ポーランド記法もある
    • 1 + 2 -> + 1 2
  • 計算方法(中間の状態をスタックとしてもつ)
  • **これをJVMでも同じことをやっている. **

図解(詳細は資料or動画参照)

    • スレッド1, ... n, ... m
    • heap:オブジェクト
    • Metaspace(パーマネント領域):クラスの情報, メソッドの情報
  • スレッごとにスタックがある.(JavaStack)

    • PC : プログラムカウンタ
    • フレームというものを積んでいく
      • フレームはメソッド単位
      • stack over flow : スタックを積み上げすぎた結果
  • フレームの中身もスタック

    • オペランドスタック
    • テーブルでローカル変数を持つ
  • 逆ポーランド記法と同じことをやるのはオペランドスタック

  • コンパイルした時にローカル変数の領域サイズは決まる.

  • ローカルへ直接値を詰めるのはプリミティブ. オブジェクトは参照情報(heapを見に行く)

  • add関数を例にオペランドスタックを追いかける


private int add(int, int);
  descriptor: (II)I
  flags: ACC_PRIVATE
  Code:
    stack=2, locals=4, args_size=3
       0: iload_1
       1: iload_2
       2: iadd
       3: istore_3
       4: iload_3
       5: ireturn
    LineNumberTable:
      line 3: 0
      line 4: 4
  • load, store
  • iはintだから.
  • load_1, load_2(ローカル変数のインデックス)
  • 自身も引数に取られる (0:this, 1: x:01, 2: y:20, 3: z: )

まとめ

  • マカロンスタック
    • マカロンは積むもの.
  • Java -> classファイル -> バイトコード
  • 5つの手順: JVM起動, クラスロード, リンク, 初期化, main実行
  • JVM: Stack Machine

後半(GC編)

Why to use GC

  • メモリの自動管理
  • 不要になったメモリを自動的に回収
  • ヒープの中にオブジェクトを配置

Before GC

  • 自前でメモリ管理
  • C言語 malloc(), calloc(), realloc(), free()
  • 問題点
     - メモリの解法忘れ
     - 二重解放
     - 無効な参照
    • メモリ周りのBUGは修正が難しい

歴史

  • 1959: John McCarthy Mark & Sweep GC(Lisp向け)
    • 当時はとてつもなく遅かった.
    • 一般的に使用されだされたのは90年代
    • でもまだ遅い部分も.
  • 2000年代から早くなってきて意識しなくても良いように.
    • CPU, Memory性能向上

GCの種類

アルゴリズム

  • 基本
    • Mark&Sweep
    • 参照カウント
    • Copy
  • 複合
    • 世代別
    • G1

運用

  • Serial
  • incremental
  • concurrent
  • parallel

Javaが提供していないもの : 参照カウントだけ. 他は全部入っている.

  • 今回の説明 : 世代別(Mark&Sqeep + copy)
    • いずれもserialで説明.

Mark & Sweep

  • heap上のオブジェクトに対して使っているものをマーク, マークしていないものを掃除.
    • 使用中のオブジェクトをマーク(markフェーズ)
    • マークの内オブジェクトを掃除(sweepフェーズ)
  • どうやってマークをするのか.
    • はじめにRootがある. rootから参照を辿る.
    • rootから芋づる式にマーク
    • 先頭から未使用objをfree listへ
    • 隙間を埋めてくれない. 大きいオブジェクトがきたらOOM.
  • Mark&SweepGCを少し拡張してCompactionを導入. メモリを詰めることで細分化を解消.
    • Mark&SweepとCompactionを合わせて使うことが多い.
  • 利点:
    • 実装がシンプル.
    • 参照の書き換えがないため, 安全(if not Compaction)
  • 欠点:
    • stop-the-worldの時間が長い
      • stop-the-world : GCする際は処理を完全に止めなければならない
    • ヒープの断片化が起きやすい. (if not Compaction)
  • どの言語でも一番初めにつくるのはMark&SweepGC

Copy

  • ヒープを二分割. 使用する領域は一方のみ.
  • 片方からもう一方へobjをコピー. 使用する領域を反転.
    • fromがいっぱいになってきたらfromから使っているのをマーク. toへコピー.
    • fromとtoを入れ替える. (compactionと同じようなことができる)
  • MarkはするけどSweepはしない.
  • 参照の移動がするのでやや難しい. (詳細は本にて)
  • 利点:
    • stop-the-worldの時間が短い.
    • ヒープの断片化が起きない.
    • 高速なアロケーション
  • 欠点:
    • ヒープの使用効率が悪い(2分割するので)
    • 参照書き換えがある.

世代別GC

  • 考え方: 若いobjほど早く死ぬ
  • 世代別にヒープ管理を行う
    • young世代:高速なGC(頻繁にGC) <- Copy
    • old世代:安定したGC <- ** Mark&Sweep**
  • 新しいアルゴリズムがあるわけではなく, 世代別に適用するアルゴリズムへ変えた.
  • objの年齢:GCを生き延びた回数

領域

  • young: Eden, Survivor1, Survivor2
    • copyGCのfrom, to = Suvivor1, Suvivor2
  • old: Tenured

実際はoldの方が領域がyoungより10倍大きい

アルゴリズム

  • 新しいobjはEdenへ配置.
  • edenがいっぱいになってきたら, マークしてedenからsuvivor1へ移動.
  • edenがいっぱいになってきたらマークして(eden, suvivor1も), edenとsuvivor1をsuvivor2へ移動.
  • edenがいっぱいになってきたら...(eden, suvivor2), edenとsuvivor2をsuvivor1へ移動.
  • 閾値を越えたらtenuredへコピー.

世代別GC

  • Mark&Sweepとcopyのいいとこどり
  • 領域サイズはチューニングが必要
    • old世代のGCをなるべく減らす
  • CMS, G1GCなどの派生GCあり

まとめ

  • Mark&Sweep, Copy, 世代別
    • アルゴリズム的には60年代からずっとこれ.
  • 原理を知って, チューニングに活かす
    • 設計の時の指針になる.
  • GCは腫物扱いされるかもしれないけどGCは友達!

所感

  • javap, java verbose:classとコマンドやオプションを知ることができた.
    • これを使えば自分自身でも処理の流れを追うことができる. 意外と簡単.
  • static(static final)でも挙動がおかしく見えるようなことがある(仕様を知っていれば大丈夫)
  • Eden, Survivor, Tenured. 聞いたことはあるけど, 実際のフローは分からなったが, 今回でよく理解できた.
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