はじめに
皆様本年もおつかれさまです。
今年もモバイルゲームにおける新規プロダクトのリリース前QAの業務に携わらせていただきましたので、その経験の中から皆様にも参考になりそうな情報を本記事で共有できればと思います。
取り組んだこと
概要
今回は新規プロダクトのリリース前QAの振り返りとして、苦労したことや工夫したこと、改善していきたいことなどのお話ができればと思います。
苦労したこと
- 1)予定されていたリリース前QAの期間が極端に短かった
▼取った対応
検証スケジュールを全てQA主動で決めなくてはいけなかったこともあり、QA都合に合わせたスケジュールを作成し、それを基にプロダクトとすり合わせを実施して進行していきました。
QA進捗の認識合わせをプランナーやエンジニア交えてデイリーで実施することで、齟齬が出ないように進行もしました。懸念点や追加依頼などもその場で密に調整できたので、課題解決までのタイムラグがあまり発生しませんでした。
- 2)初めて一緒に仕事をするテスト会社様だった
▼取った対応
常駐/スタジオ管理者/スタジオリーダーのメンバーと朝会/夕会を実施することで、スケジュールの進捗や工数管理、問題点などのすり合わせを実施しました。
直接のコミュニケーションをする時間を増やすことで、メンバー間の得意不得意や性格なども深く知ることができたのが良かったと感じています。
連携齟齬などが出やすい状況でのスタートはありましたが、スタジオの拠点ごとでの認識漏れや齟齬を最小限に抑えることもでき、遅延や過剰な工数がかかることはなく、フリーテストや探索的テストのコントロールもしやすく進めることができ非常に円滑なやり取りをすることができました。
- 3)リリース時に実装されるデータ数が膨大だった
▼取った対応
本案件では違和感のなさやユーザー視点でのバランスなどはデータ検証では見ていくことができないものだったため、動作を常駐/社員で分散して検証をおこない、懸念点や不具合傾向、不具合数を常に情報共有しながら進めることで、最小限の工数で対応できました。(おおよそ4~5人日程度で完遂)
合わせてヘビーユーザーのテスターにも参画してもらうことで、バランスの違和感なども検知できるような体制も整えて進めることができ、品質に大きく貢献することもできました。
工夫したこと
- 非機能観点やユーザービリティ観点について
前回の新規プロダクトQA時に課題として挙がったゲームが正しく動くかという観点より、そのゲームが楽しいか、プレイしやすいか、分かりやすいか、ストレスがたまらないか、などのユーザー目線での観点が足りなかったというポイントの改善し、ユーザービリティ観点を重視したフリーテストの導入しました。
前回に比べユーザー目線での改善提案など実施することができ、ゲームへの魅力的品質向上に繋げることができたと考えています。
結果
- 苦労したことの対策や、工夫したことの積み重ねにより、高品質でのリリースに繋げることができ、合わせてQA予算やQA期間も全て遅延なく予定通りに完遂することができました。
ふりかえり
良かった点
- QA期間などが極端に短かったりと数々の厳しい課題が立ちはだかりましたが、1つ1つしっかり考え、相談しながら進めていくことの大切さを学ぶことができました。今後も最後まで諦めずに何事にも取り組んでいければと思います。
改善点
- リリース前QAから運用QAに入るつなぎ目について
運用QAに入る際の事前準備が、リリース前QAの想定以上のバタつきにより思うように進めることができなかったことが反省でした。
次回はそのような状況に陥らないよう、先を見据えて事前に調整を進めていければと思います。
まとめ
前回担当した案件の時に、今後改善していきたい部分などを今回取り入れることができ、より良い形でリリースまでの対応をすることができました。
今後もそういったPDCAを更に回しながらテスト業務に向き合っていければと思います。
QA知識のナレッジも非常に大事ですが、コミュニケーションをしっかりとることが仕事を進める上でもっとも重要だなということも今回再認識したので、皆様も意識してみると良いかなと思います。