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ESXi 6.5 → 7.0:Web Clientへの接続方法が変わった理由

Last updated at Posted at 2025-05-11

はじめに

  • ESXi 6.5 → 7.0 バージョンアップで、Web Clientへの接続方法が変わった
    • ESXi 6.5:vCenterサーバにログイン → ブラウザでWeb ClientのIPアドレスを入力
    • ESXi 7.0:6.5のvCenterサーバ(踏み台サーバ)にログイン → ブラウザで7.0環境のWeb ClientのIPアドレスを入力

→なぜめんどくさい仕様になったのでしょうか。変更点をまとめました。

ESXi 6.5 → 7.0 変更点

比較項目 ESXi 6.5 ESXi 7.0
リリース年 2016年11月 2020年4月
vCenter Serverの提供形態 Windows版 & VCSA両方 VCSA(アプライアンス)のみ
vSphere Client Flashベース(旧)とHTML5版が混在 完全HTML5対応(vSphere Client統一)
ハードウェア互換性 古いハードにも対応 最新CPU・ストレージに最適化(旧ハード非対応が増加)
セキュリティ機能 基本機能のみ vSphere Trust Authorityなど強化
ライフサイクル管理 手動が多い(CLI/Update Manager) vSphere Lifecycle Managerで一括管理
Kubernetes対応 なし vSphere with Tanzuでネイティブ対応(Enterprise+)
ハードウェアドライバの対応 多数のレガシードライバあり 古いドライバは削除・非推奨が増えている

1. vCenterの変更

  • ESXi 6.5: vCenter Server は Windows 上にもインストールでき、VCSA(vCenter Server Appliance)も選択肢にあった
  • ESXi 7.0: VCSA のみ提供。Windows版は廃止され、Linux ベースの仮想アプライアンスに統一された
    • メリット:インストールが簡単、管理が一元化される、セキュリティ向上

2. vSphere Client(管理UI)の改善

  • ESXi 6.5: FlashベースUIが残っていて不安定・重い
  • ESXi 7.0: 完全にHTML5ベースに統一され、動作が軽くなった

3. ライフサイクル管理が進化

  • ESXi 6.5: 個別ホストの管理にはUpdate ManagerやCLIを使用
  • ESXi 7.0: vSphere Lifecycle Manager(vLCM)による一元管理が可能
    • ex. 複数ホストのバージョンやファームウェアを一括で管理できるように

4. セキュリティの強化

  • ESXi 6.5: 基本的なセキュリティ機能
  • ESXi 7.0: vSphere Trust Authority(vTA)によるセキュアブートや暗号化の強化 + ハードウェアのセキュリティ機能(TPM 2.0)への対応

5. Kubernetesとの統合

  • ESXi 6.5: Kubernetesに対応していなかった
  • ESXi 7.0: vSphere with Tanzu によるネイティブ対応が追加
    • コンテナの管理と仮想マシンの管理を一元化できるようになり、Kubernetesの導入が簡単に

6. ハードウェアのサポートと制限

  • ESXi 6.5: 広範なハードウェア互換性
  • ESXi 7.0: 新しいCPUやストレージがサポートされる一方で、古いハードウェアは非推奨になることが増加

ESXi自体はマイナーチェンジだが、管理ツール(vCenter)や拡張機能、連携システムが大きく進化

安定性・セキュリティ・運用性UP

古い環境との互換性がなくなるかも

Q: Web Clientへの接続方法が変わったのはなぜ?

7.0で「Linuxベースのアプライアンス」になった

アプライアンスとは

  • アプライアンス(appliance):OSやアプリケーションがあらかじめセットアップされた専用仮想マシン
メリット 詳細
簡素化 Windows ServerにvCenterをインストール→設定…という手間をなくすため、最初から構成済みのアプライアンスを提供
セキュリティ強化 WindowsベースのvCenterはパッチ管理や脆弱性対応が煩雑。Linuxベースに統一して攻撃対象を減らす
運用の一貫性 VMwareとしてサポート対象を絞ることで、トラブル対応やアップデートが一貫して行いやすくなる
リソース効率 軽量なPhoton OSベースで動くため、仮想マシンとしてもパフォーマンス・安定性が良い

Linuxベースとは

vCenter Server 6.5(=Windowsベース)
ユーザーが Windows Server を用意 → その上に vCenter Server を手動でインストール
vCenter Server 7.0(Linuxベースのアプライアンス)
VMwareが提供する VCSA(vCenter Server Appliance) を展開するだけ
「OS + vCenter本体 + 管理ツール」がすべてセットになったオールインワンの仮想マシン

GUIじゃないLinuxに接続するために

  • RDP(リモートデスクトップ)は Windows専用
  • LinuxベースのVCSAにはRDPでは接続不可。SSHでCUI操作(ターミナルでコマンド入力) するのが一般的
  • ただし、vCSAにはGUIの管理画面が用意されているため、ブラウザからGUI操作(web client) が可能

よって、6.5のvCenterを踏み台にして、7.0へアクセスする

  • 7.0のvCenter(Linux)に 直接RDPできない
  • 6.5のvCenter(Windows)には RDP接続できる
    → まず6.5に入って、そこから7.0のWeb GUI or SSHへ接続

これがいわゆる 踏み台サーバ。直接アクセスできないサーバに入るための中継サーバ

参考:踏み台にできる条件

  • 同一ネットワークにいる
    • ex. 192.168.1.10 と 192.168.1.20 → 同じサブネット(/24)。IPの第3オクテットが同じ
  • 通信が許可されている(FWやルーティングでブロックされてない)

xxx. 用語

単語 説明
vSphere Web Client Flashベースの管理画面(vSphere 6.5までの主流)。現在は非推奨・非サポート
vSphere Client(HTML5版) HTML5で動作する管理画面(vSphere 6.5以降で段階的に移行)。vSphere 7.0 ではこれが標準。正式名称も「vSphere Client」
Web Client(俗称) 単に「ブラウザからアクセスする管理画面」のことを指すことが多い。上記2つの総称的な使われ方をすることも
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