1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

LookerとDataPortalの比較

Last updated at Posted at 2022-06-06
1 / 9

LookerとDataPortalはどちらもBIというジャンルのプロダクトでGoogleが開発してる。
しかしこの2つの製品は設計思想が大幅に異なる。その違いを色々考えてみる。

image.png


LookerとDataPortal

基本事項の大雑把な比較

契約 実行環境 対応DWH 出自 チャートの作り方 外部接続
Looker GCPとは別の契約が必要 契約単位での専用インスタンス 色々 Looker社をGogoleが買収 モデルベース API,コールバックAPI(コネクタ)
DataPortal 無料 フルマネージド BigQueryのみ Googleオリジナル SQLベース API

チャートの作り方の比較

ここでは、最大の違いだと思われるチャートの作り方に着目する。
チャートというのは、ダッシュボードを構成する単一のデータ可視化表現(いわゆるグラフ)の事。
LookerもDataPortalもチャートを複数組み合わせてダッシュボードを構成するが、チャートの作り方に大きな違いがある。

DataPortalでは、1つのSQLから1つのチャートが作られる。チャートとSQLは1:1の関係にある。

Lookerでは、1つのモデルから複数のチャートが作られる。チャートとモデルはN:1の関係にある。
Lookerではチャートを作るのにSQLは書かない。


モデルとExplore

モデルとはLookerを特徴づける仕組みであり「とあるデータ探索ニーズの為に設計された、DWHの抽象レイヤ」の事。モデルはLookMLという定義言語によって記述される。LookMLはテーブル群の関係と属性がSQLの断片として記述されたymlベースのDSLだ。モデルはLookerのランタイムにデプロイされると様々な集計ニーズを実現する「動的ビュー・仮想データマート」のように動作する。

Exploreはデプロイされたモデルを操作するためのUIで、ユーザーはExploreを操作して集計とその結果を可視化しチャートを作る事ができる。

1つのモデルから複数のチャートを作る事が可能で、モデルとチャートの関係は1:Nとなる。


Lookerはモデルから複数のチャートを作る事ができる

image.png


モデルがあると何が嬉しいのか

DataPortalのようなChart from SQLなBIはシンプルで敷居が低いが、長期間運用しチャートの数が増えると色々と問題が起き治安が悪くなる。

  • チャート間の仕様の不整合の増大
  • ダッシュボード開発者のリソース逼迫とモチベーションの低下
  • 似ているようで少しずつ違う大量のSQLの管理の難しさ

Lookerはモデルという中間レイヤによってパターンに沿ったSQLを抽象化し計算仕様を共通化できる。
この思想をSSOT(Single source of truth="信頼可能な唯一の情報源")と呼んだりする。
SSOTの思想に則って作られたデータ基盤は、スケーラビリティとガバナンスを大幅に向上させる事ができ、治安を高める事ができる。(データ基盤に秩序と安寧を!!)


ユースケースと役割の違い

DataPortalではビジネスユーザーがSQLを書ける人(アナリストとか)にチャートの作成を依頼する事が多い。
LookerではビジネスユーザーがExploreを操作(=セルフサービスBI)してチャートを作り、SQLを書ける人はLookMLでモデルを記述する。

ロール DataPortal Looker
ビジネスユーザー 依頼して待つ 自分でExploreを操作してチャートを作る
SQLを書ける人 SQLを書いてチャートを作る LookMLを書いてモデルを作る

様子の比較

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?