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LookerとDataPortalの比較

Last updated at Posted at 2022-06-06
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LookerとDataPortalはどちらもBIというジャンルのプロダクトでGoogleが開発してる。
しかしこの2つの製品は設計思想が大幅に異なる。その違いを色々考えてみる。

image.png


LookerとDataPortal

基本事項の大雑把な比較

契約 実行環境 対応DWH 出自 チャートの作り方 外部接続
Looker GCPとは別の契約が必要 契約単位での専用インスタンス 色々 Looker社をGogoleが買収 モデルベース API,コールバックAPI(コネクタ)
DataPortal 無料 フルマネージド BigQueryのみ Googleオリジナル SQLベース API

チャートの作り方の比較

ここでは、最大の違いだと思われるチャートの作り方に着目する。
チャートというのは、ダッシュボードを構成する単一のデータ可視化表現(いわゆるグラフ)の事。
LookerもDataPortalもチャートを複数組み合わせてダッシュボードを構成するが、チャートの作り方に大きな違いがある。

DataPortalでは、1つのSQLから1つのチャートが作られる。チャートとSQLは1:1の関係にある。

Lookerでは、1つのモデルから複数のチャートが作られる。チャートとモデルはN:1の関係にある。
Lookerではチャートを作るのにSQLは書かない。


モデルとExplore

モデルとはLookerを特徴づける仕組みであり「とあるデータ探索ニーズの為に設計された、DWHの抽象レイヤ」の事。モデルはLookMLという定義言語によって記述される。LookMLはテーブル群の関係と属性がSQLの断片として記述されたymlベースのDSLだ。モデルはLookerのランタイムにデプロイされると様々な集計ニーズを実現する「動的ビュー・仮想データマート」のように動作する。

Exploreはデプロイされたモデルを操作するためのUIで、ユーザーはExploreを操作して集計とその結果を可視化しチャートを作る事ができる。

1つのモデルから複数のチャートを作る事が可能で、モデルとチャートの関係は1:Nとなる。


Lookerはモデルから複数のチャートを作る事ができる

image.png


モデルがあると何が嬉しいのか

DataPortalのようなChart from SQLなBIはシンプルで敷居が低いが、長期間運用しチャートの数が増えると色々と問題が起き治安が悪くなる。

  • チャート間の仕様の不整合の増大
  • ダッシュボード開発者のリソース逼迫とモチベーションの低下
  • 似ているようで少しずつ違う大量のSQLの管理の難しさ

Lookerはモデルという中間レイヤによってパターンに沿ったSQLを抽象化し計算仕様を共通化できる。
この思想をSSOT(Single source of truth="信頼可能な唯一の情報源")と呼んだりする。
SSOTの思想に則って作られたデータ基盤は、スケーラビリティとガバナンスを大幅に向上させる事ができ、治安を高める事ができる。(データ基盤に秩序と安寧を!!)


ユースケースと役割の違い

DataPortalではビジネスユーザーがSQLを書ける人(アナリストとか)にチャートの作成を依頼する事が多い。
LookerではビジネスユーザーがExploreを操作(=セルフサービスBI)してチャートを作り、SQLを書ける人はLookMLでモデルを記述する。

ロール DataPortal Looker
ビジネスユーザー 依頼して待つ 自分でExploreを操作してチャートを作る
SQLを書ける人 SQLを書いてチャートを作る LookMLを書いてモデルを作る

様子の比較

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