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データポータビリティと情報銀行

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CyberAgent Ameba事業本部 広告プロダクトグループの星と申します。
主に広告計測やPrivacy保護関連を担当しております。

こちらは、CyberAgentメディア管轄の広告プロダクト横軸組織、通称PTAのCyberAgent PTA Advent Calendar 2022の10日目の投稿になります。

最近機会があり調べた、データポータビリティと情報銀行について備忘がてら記載させていただければと。

データポータビリティ

oekunさんに教わったChatGPTで調べてみると、
スクリーンショット 2022-12-04 2.46.28.png

サービスの乗り換えをスムーズに行えることを指しているようです。(ウェイ!)
携帯電話のナンバーポータビリティのような乗り換えを類似するWebサービス間で出来るようなイメージかと思います。

また、GDPRではRight to data portabilityとして、データポータビリティの権利が規定されているようです。
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/dataportability_guideline.pdf
このあたりを見てみると、以下のような規定があるようです。

  • 個人データを受領する権利
  • あるデータ管理者から別のデータ管理者へ個人データを移行する権利
  • 管理者の地位
  • どの個人データが含まれなければならないか?
  • 含まれないもの
  • etc...

含まれるデータ

データ主体により主体的にかつ認識しつつ提供されたデータ
サービス又は機器を利用することによりデータ主体により提供された観察データ

サービス利用時に登録したメールアドレスや氏名、住所や
サービスを使ったときに出力されたログデータなどが含まれるようです。

含まれないデータ

対照的に、推定データや派生データは、「データ主体により提供された」データをもとにデ ータ管理者が作成したものである。

ユーザのサービス利用の結果を元に分析されたデータなどは含まれないようです。
この辺は企業側のノウハウになるため含まれないという感じなのかなと考えます。

日本では、2022年04月の個人情報保護法改正で、
「本人が請求した方法」による保有個人データの開示を行うことが原則とされました。
これにより、個人で利用サービスからデジタルデータとして受け取りやすくなったのではないかと思います。

情報銀行

とはいえ、個人でデータを管理して有効に活用するというのは限界がありそうです。

サービスごとにデータの持ち方も違うので「本人が請求した方法」とはいえ、様々なデータをユーザが使いやすい状態で受け取れるか?というのもちょっと現実的ではない気がします。

そこで、情報銀行を介した、データポータビリティが期待されているようです。
ユーザが情報銀行のサービスを利用することによって、以下の様にデータが流れていくイメージです。

  1. 移行元サービス
    ↓(ユーザデータ)
  2. 情報銀行:安全に管理・データフォーマット差分を吸収
    ↓(ユーザデータ)
  3. 移行先サービス

情報銀行がデータを安全に管理しつつ、移行元・移行先のデータフォーマットの差分を吸収し、データポータビリティを実現するという感じのようです。

また、この移行元・移行先のサービスには情報銀行と接続してもらう必要があるので、
移行先のサービスがデータを受け取りやすい状態にするというのが、情報銀行同士での競合優位性になるのかなとも思います。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000791752.pdf
こちらの資料をみてみると、情報銀行の認定制度もあるようで、
実際に認定を受けて情報銀行として運用が開始されているサービスもあるようです。

また、資料にあるように特に医療分野などで要配慮個人情報を安全に配慮した上で情報銀行を介してコントロールできるようになれば、非常に有意義であると思えます。

所感

情報銀行という事業がどのように成立していくのか?という点ではまだまだ課題がありそうですが、
自分のプライバシーデータが安全に管理された上で、簡単にサービスを移行できるデータポータビリティが一般的になっていけば、非常に便益があると感じました。

また、データポータビリティが普及することによって、サービス自体の利便性が高ければ、ユーザを一気に集めることも可能になるとも考えられ、こういった点でも面白い仕組みと感じます。

そして、今後1stPartyDataの活用がより重要になっていくということを考えても、
こういった形などで、ユーザが自分のデータを管理できている状態で、ユーザがサービス・広告配信事業者と同意の上で、データを広告配信に活用出来ている。
という状態を作っていければ、ユーザ・サービス・広告配信事業者全員がより良い関係になれるとも考えます。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。
一緒に働いていただける方、絶賛募集中ですので興味のある方はこちらから是非!

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