JAWS DAYS 2025 登壇体験記
はじめに
初めまして。新卒1年目社員のHironaoと申します。
今回は、JAWS-DAYS2025にて登壇した経験をQiitaにまとめて振り返ります。
登壇のきっかけ
JAWS-DAYS2025 はAWSのユーザーグループ「JAWS-UG」が主催する大規模イベントです。私は今年度に入社したばかりであり、AWSも入社してから存じましたが、若手のうちから登壇に挑戦してみたいと考えておりました。
理由としては2つあります。
1つ目に、登壇やイベント関与からAWS知識やカルチャーを体得できると考えたからです。
2つ目に、ビジネスや日常の両面で大切と私が考えている「人の心を動かす力」を養う一つの手段として、緊張感のある登壇経験を積めると考えていたからです。
そこで、昨年のJAWS-FESTAでは私の所属する会社がSilver Sponsorとして参加した話をお聞きし、今回のJAWS-DAYSでは思い切ってLunch Supporterとして登壇に挑戦しました。
(手配等に奔走していただいた先輩方には、心から感謝しております。)
イベント概要
JAWS-UG HP
https://jaws-ug.jp/
JAWS-DAYS2025 HP
https://jawsdays2025.jaws-ug.jp/
JAWS-DAYS2025 セッションタイムテーブル
https://jawsdays2025.jaws-ug.jp/sessions/timetable
自分のセッション概要(A-3:『Sonnet de ソネット。』)
https://jawsdays2025.jaws-ug.jp/sessions/A-3
発表準備
テーマ選定の背景
登壇するにあたり、自分の経験や学びをもとにテーマを決めました。
歴代や他の登壇者の方々は「自社におけるAWS活用事例」等を紹介することが多いように思いましたが、私は自分のできる範囲で、自分の話せる内容を練っていきました。
理由としては2つあります。
1つ目に、ビジネスにおいて重要と考える「現在の自身のできることを組み合わせて、成果を生み出す姿勢」を身につけたいと考えたからです。
2つ目に、技術的には卓越していない初学者の私が等身大で挑戦することで、JAWSコミュニティや社内に向けて初学者でも挑戦できることを示し、それが初学者達が安心して主体的に挑戦し、発信するサイクルを生み出すことにつながると考えたからです。
選定されたテーマとタイトル
結果として、軸とするテーマは「AIとAWS技術を用いれば、文学の感動を再現できるか?」というものに決めました。
私は学生時代に文学が好きであり、また以前から「AI・ITによる作品が、人間の創作物を超越する」というような噂を聞いておりました。(特に『レ・ミゼラブル』と『モンテ・クリスト伯』は好きすぎて、大学時代にはフランスに半年間留学をしておりました。)
そして現在、私はAWSに携わっておりますため、その興味深い噂を自身のできる範囲で確かめようと思いついたからです。
また、タイトルは「Sonnet de ソネット。」というものに決めました。
元々私の好んでいた「ソネット」という英語の14行詩と、知ったばかりのAnthropic社の AI モデル「Claude Sonnet (ver3.5)」に(駄洒落一本釣りで)つなげたものです。
発表内容の流れ
- ソネット(14行詩)の概要を説明
- シェークスピアのソネットを例に挙げ、人間が作成したソネットの雰囲気と、頻出単語(≒詩的な単語)を把握(Quick Sightでワードクラウド化)
↓ - AWS Bedrock(Claude Sonnet3.5)を用いて、ソネットを生成
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Amazon Nova Canvasを用いて、ソネットのイメージ画像を出力
(→AWS Pollyを用いて、朗読音声の取得※今回はサイレントセッションのため未実施)
AIの制作した詩を、目と耳の両方から味わう
↓ - AIの生み出したソネットを吟味(本来の定義、頻出単語の観点から人間の作品と比較)
↓ - AI作品の生み出した感情、人間の作品が喚起する感動を比較し、テーマに対して結論
発表資料(Speaker Deck)
https://speakerdeck.com/hiro_nuage/jaws-days-2025-sonnet-de-sonetuto
発表練習
登壇の資料作成は、アイデア勝負な内容だったため、まずは自分の中でサクッとアウトラインをまとめました。
その後、早い段階で先輩にレビューを協力いただき、何度も修正を繰り返しました。
また、事前に何度もリハーサルを行い、時間内に収まるように調整しました。
技術的にはそれほど目を引くものがないと考え、その分、アイデアの切り口やスライド構成、喋り方や語調、声の高さやジェスチャーなどまで意識することで、
ご聴講くださる方々に「(特殊なテーマだけど)聞いてよかったな」と感じていただける時間を生み出すことを考えました。
発表本番では原稿を見ずに登壇できるように、発表の内容や流れを体に染み込ませました。
会社でも空き時間に要点をそらんじたり、帰宅後や休日にも、頭の中では当日のイメージ映像をビデオのように繰り返し再生していました。
発表当日
当日は朝からボランティアとして参加していましたが、時間が経つにつれ増えていく参加者を見て、登壇直前まで緊張が高まりました。
そして、おそらく参加者数に対して比較的小規模であろう部屋の中に人々がみっちり詰まっていることに、非常に驚いていました。(参加者としてはワクワクでしたが、登壇者としてはワナワナでした。)
特に登壇前の2時間は腹痛や興奮さえし始め、登壇を熱望していた自分の感性を疑い始めるほどでした。しかし、準備や支えてくれた方々を思い、「結果はわからないが、やってみよう」と落ち着きを取り戻しました。
そして登壇時には、自分の目の前に先輩や知人の方々がずらーっと和気あいあいとして一列に座ってくださり、自然と笑顔になったことで緊張がほぐれていきました。
本番は冒頭で思いっきり噛んだり、自分の名前を学部と言い間違えたり、(終了のベルを鳴らされることを恐れて)巻いたためか、発表時間が練習よりも随分短くなりましたが、無事に終えることができました。
登壇時間の体感は1分ほどに感じられ、あっという間でした。
結果はともあれ、終えられた満足感とともに、自分をサポートしてくださった方々への感謝の気持ちに満たされることとなりました。
当日の登壇の様子(Youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=3-kxjDOIdws
登壇を通じて感じたこと
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挑戦する重要性
- 現時点の能力や結果に関わらず、主体的に挑戦することが学びを加速させる。
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オリジナリティの価値
- 自身の興味を周囲の必要性に組み合わせつつ、他者のできないこと(orやらないこと・やりたくないこと)を行えば、年齢や立場に関係なく価値を提供できる。(そしてそれは組織にとって重要であり、自身も主体的にコミットしたくなること、かも。)
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主体性・挑戦に纏う不安の自然さと、それ支える協力の存在
- 大きなイベントでの登壇は緊張したが、発表後は達成感もひとしおだった。
- 前例のない挑戦、オリジナリティを基にする価値提供、主体的・反骨的な挑戦は、どれも将来的に組織・社会で価値を出す大切なキーワードと考えているが、それ故に周囲の方々や歴史に直接参考となるものが少ないため、多くの不安を抱く。しかし自分を安心させたのもまた、周囲の方々だったかなと思う。周囲を大切にすることと自身が抱く挑戦的姿勢、どちらも大事にしたい。
まとめ
初めての参加・登壇で不安も多くございましたが、当日までご尽力し素敵なイベントを作り上げくださったJAWS-DAYS運営の皆様、感謝いたします。
また、当日ご聴講いただいた方、ブログやアンケートでコメントくださった方々、本当に嬉しかったです。ポシティブなコメントをいただけることがこんなにも嬉しく、これほどに自分のモチベーションを上げるとは知りませんでした。 ありがとうございます。
そして何より、登壇に向けた資料レビューや不安の相談など多大な支えになってくださった同僚・先輩方には、心から感謝申し上げます。
今回の経験を活かし、今後も社内外での登壇や創作を通じて、人の心を動かせるよう努めます。
もしお見かけした際は、どうぞよろしくお願いします!