この記事は インフォマティカ Advent Calendar 2021 Day 4 の記事として書かれています。
オンラインマニュアルにはあまり情報が記載されていないIPU メータリング ダッシュボードの使い方について2021年11月時点でのUIをベースに説明します。
#はじめに
IPU メータリング ダッシュボードは、日本では2021年3月から販売開始となった、**IICS (Informatica Intelligent Cloud Services)**の新価格体系である、**IPU (Informatica Processing Unit)**価格モデルでの契約で提供される管理者機能です。IPU価格モデルではIICSの全サービス・全コネクタが利用可能となっており、使用量に基づき購入済のプリペイドから毎月IPUを消費するという従量制課金方式を採用しています。IPU メータリング ダッシュボードはIPUの利用状況を可視化します。
##IPU メータリング ダッシュボードへのアクセス
IICSにログイン後、管理者サービスを選択して、左側のナビゲーションメニューから「メータリング」を選択します。メータリングダッシュボードへのアクセスするには、管理者サービスの「組織」アセットに対する読み取り権限が最低限必要です。
上記スクリーンショットは弊社テスト環境でのProduction Orgのメインダッシュボードで取得したものです。このページの表示項目についてページを上段・下段に分けて説明していきます。
##その前に
少し前提をお話しすると、メータリング ダッシュボードで契約全体のIPU利用状況を管理可能とするため、お客様からいただいた情報をもとに、インフォマティカ側で契約時にOrg(※IICSでのテナントで、「オルグ」と呼んでいます。「組織」と呼ぶことはあまりないです)に階層構造を設定しています。Production OrgをMaster Orgとして最上位に位置付けているため、Production Orgでメータリング ダッシュボードにアクセスすると契約全体のIPU利用状況が把握可能です。
###ポイント
- Production Orgでメータリング ダッシュボードにアクセス
- 自Org + 配下のSub Org + Sandbox Org(※配下のSub Org含む)でのIPU利用状況が把握可能
- Sandbox Orgでメータリング ダッシュボードにアクセス
- 自Org + 配下のSub OrgでのIPU利用状況が把握可能
- Sub Orgでメータリング ダッシュボードにアクセス
- 自OrgでのIPU利用状況が把握可能
メータリング ダッシュボードにおけるProduction OrgとSandbox Orgの関係は(Parent)Org と Sub Orgの関係とは異なります。Production OrgとSandbox Orgはセキュリティ的に分離されていますのでProduction OrgからSandbox Orgのアセットへはアクセスできません。
それでは表示内容について説明していきます。
##Production Org メイン ダッシュボード上段
メイン ダッシュボード上段では契約全体の概況が把握できます。
① 現在の請求期間 : カレンダーでの月(11月とか12月とか)ではなく、お客様の契約期間に応じて、1か月が自動的にセットされます。表示上この請求期間の切り替えることはできません。
② 権限が与えられたIPU : 直訳で分かりにくいですが、契約全体で1か月間に消費可能なIPU数です。この例では300と表示されていますので、300 IPUがひと月で利用可能という見方になります。
③ 使用されたIPU : 契約全体での現在の請求期間での消費済IPU数です。Production Org, Production OrgのSub org, Sandbox Org, Sandbox OrgのSub orgの合算値が表示されます。
④ 残りのIPU : 契約全体での現在の請求期間での残IPU数の概算値です。**「② 権限が与えられたIPU」-「③ 使用されたIPU」**が「残りのIPU」として表示されます。
⑤ 現在の使用率での残り日数 : 現在の請求期間の残り日数が表示されます。請求期間の最終日当日は0(ゼロ)が表示されます。(この例では11月30日に0が表示されます)
⑥ Current IPU Usage by Service : 円グラフは「③ 使用されたIPU」の内訳を表示しています。
⑦ 履歴ビュー : IPU使用率の履歴ページを表示するためにリンクです。
⑧ IPUの日次使用率 : 折れ線グラフは契約全体での日次の消費IPU数をプロットしたものです。
##Production Org メイン ダッシュボード下段
メイン ダッシュボード下段ではProduction Orgでのサービス別IPU消費数、Production OrgのSub OrgでのIPU消費数(合算値)、Sandbox OrgでのIPU消費数(合算値)を表示しています。
⑨ メーター : 枠内の青い文字は各サービスのドリルダウンページを表示するためのリンクです。
⑩ 現在使用されているIPU : 現在の請求期間でのサービス毎の消費IPU数を表示しています。
⑪ 現在の使用率 : 現在の請求期間での消費量をメーター値で表示しています。例えば、Data Integration(CDI)ではJOBが何時間稼働したか、Mass Ingestion Files(CMI)では何GBのデータを処理したかといった数値が表示されます。
⑫ 現在のIPUレート : メーターでの消費量に対して適用される単価が表示されます。前回の請求期間で使用されたメーターが現在の請求期間でまだ利用されていない場合は0(ゼロ)が表示されます。(この例ではAPI and APP Integrationで0が表示されています)
⑬ IPUの算出 : **「⑪現在の使用率(緑枠内の数字)」×「⑫現在のIPUレート(青枠内の数字)」で、「⑩ 現在使用されているIPU(黄色枠内の数字)」**となります。「⑪現在の使用率(緑枠内の数字)」は、例えば電気でいうとひと月何キロワット時利用したのか、ガスでいうとひと月立法メートル利用したかのかという数字に位置付けられます。
⑭ 以前使用されたIPU : 前回の請求期間でのサービス毎の消費IPU数を表示しています。
⑮ 以前の使用率 : 前回の請求期間での消費量をメーター値で表示しています。
⑯ Sandbox Orgs : 契約全体でのSandbox Org数で消費するIPU数を表示しています。
⑰ Sub Orgs : Production Org配下のSub Org数で消費するIPU数を表示しています。
⑱ Sandbox Orgs IPU Usage : Sandbox Org全体(Sandbox Org配下のSub Org含む)で消費したIPU数を表示しています。サービス名はドリルダウンページを表示するためのリンクとなっています。
Production Org配下のSub Orgでサービスを利用した場合「Sub Orgs IPU Usage」という行がOrganizationsメーターにリストされます。
#おわりに
IPU メータリング ダッシュボードはIPU価格モデルのリリースと同時に提供したかった機能のようですが紆余曲折を経て2021年8月にリリースされています。IICSのメジャーリリースやスタンダードリリースで適宜改善が加えられています。次回**「IICS IPU メータリング ダッシュボード入門編 #2」**では、履歴ページやドリルダウンページを紹介したいと思います。