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【BI管理者向け】Power BIのデータモデル構造をChatGPTで自動解析する方法

Last updated at Posted at 2025-05-19

Power BIモデルをChatGPTで読み解く。

Power BIでダッシュボードを試作していると、

「そろそろ正式に運用するから、モデルの構成をちゃんとドキュメントにしてほしい」
「これ、どういう計算式でKPI出してるの?」

……なんて言われること、ありませんか?

でも .pbix ファイルの中身って、実はそのままでは読み解きにくいんですよね。

ということで今回は、PBIX → BIM(JSON)化という技を使って、
Power BIのデータモデルをChatGPTなどのLLMに食わせる方法と、その活用法をまとめてみました。


なぜ .pbix じゃダメなのか?

Power BIの .pbix は基本的にバイナリ形式です。

中身を直接覗くことはできず、DAX式やテーブル定義もPower BI Desktop上でしか見えません。
ドキュメントにしたり、レビューしたり、再利用したり……という用途には不向きなんですね。

でも、裏側では「Tabular Model」と呼ばれる構造で管理されています。
これを .bim というJSON形式で取り出すことができれば、いろんな応用が可能になります。


必要なツール

  • Power BI Desktop
    (外部ツールを有効化しておく必要あり)

  • Tabular Editor(v2 または v3)(https://tabulareditor.com)
    無料のv2でもOK。v3は有償だけど高機能。


PBIX → BIM の変換手順

  1. Power BI Desktop で .pbix を開きます
  2. メニュー「外部ツール」から Tabular Editor を起動
  3. Tabular Editor 側で「File」→「Save As...」を選択
  4. 拡張子 .bim で保存(中身はJSON)

.bim で取り出せる情報

.bim ファイルは、Power BIのデータモデルの設計図そのものです。
どんな情報が含まれているか、ざっくり挙げてみます。

テーブル定義

  • テーブル名、カラム名、データ型
  • 計算列(Calculated Columns)
  • 表示/非表示のフラグなど

メジャー(Measures)

  • 名前と DAX式(expression)
  • 表示形式(formatString)
  • 系統情報(lineageTag)

リレーションシップ

  • 結合テーブル、キー、方向(1対多・双方向など)

アノテーション(あれば)

  • フォルダ名、メモ、カスタムタグなど

ChatGPTで何ができる?

.bim はJSONなので、ChatGPTに読み込ませれば中身の解析や変換が可能です。
使い方次第で、業務にかなり役立ちます。

モデルの構造を「言葉」で整理

  • テーブル構成やカラム一覧をテキスト出力
  • KPI定義をDAX式付きで一覧化
  • 誰でも読める「仕様書」化に最適

DAX式のレビューや最適化

  • ネストが深すぎる式の簡略化提案
  • フィルターの文脈がおかしくないか?のチェック
  • 「このメジャー、同じようなの3つあるよ」的指摘も可能

KPI追加のDAXアシスト

  • 「前年同期比を追加して」といえば、DAX式ごと生成してくれる
  • 曖昧な要件でもプロトタイプ式を出してくれるのが便利

こんな場面で使えます

いくつか活用シーンを例示しておきます。

モデルを整備して正式運用に乗せるとき

試作で作ったモデルのテーブル名やカラム構成を見直して、命名ルールを整えたり、不要な項目を整理したり。

KPI一覧やロジックを資料化したいとき

営業やマネジメント層に「どうやってこの数値を出してるの?」と聞かれたとき、説明資料を自動で生成。

DAXのレビューやリファクタを効率化したいとき

メジャーが肥大化しているPBIXの中身をChatGPTに読み込ませて、読みやすく整理したり、まとめたり。

他のモデルへのメジャー再利用

DAX式を別のPBIXに移植したいときも、Tabular Editor経由で一括コピー/貼り付けできます。


補足Tips

  • Display Folderの設定も .bim に含まれるので、カテゴリ整理も一緒にできる
  • Tabular Editorはスクリプト機能もあるので、ルールベースのチェック自動化も可能
  • Gitで差分管理したいときにも便利(モデルの変更履歴がとれる)

まとめ

Power BIモデルの .bim 化は、
構造の見える化 → ドキュメント化 → 再利用・自動化
という流れを可能にしてくれる強力なステップです。

ChatGPTなどのツールと組み合わせれば、
「属人化しがちなDAXモデル」を可視化・共有・整備することができます。

試作ダッシュボードを育てていくフェーズでは、特に効果を発揮します。
ぜひ一度、PBIXをBIMに変換してみてください!

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