1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

他己評価をAIにやらせてみたら、自己認識とのズレがヤバかった話

Last updated at Posted at 2025-05-07

ChatGPTに“他人の目”を借りてみた:AI他己評価という新しい自己レビュー

自己評価って難しい。主観が入りすぎるし、他人に聞くのも気まずい。

じゃあいっそ、ChatGPTに“他人になってもらって”評価してもらったらどうなる?

私は実際にクライアント向けに提出した提案資料をもとに、ChatGPTを「想定クライアント」や「他チームのメンバー」に仕立てて他己評価を依頼しました。

使ったのは、ChatGPTの一時モードペルソナ入力によるプロンプト設計。客観視のトレーニングにもなり、成果物の質向上にも役立ちました。

そんな実験を、プロンプト・出力結果・反省点とともに共有します。

検証に使った素材:自作の業務提案資料

今回評価対象としたのは、ある企業の海外展開支援に関する提案資料です。

📝 提案内容:EC領域における業務改善・LTV設計支援
提出者:筆者(フリーランスの業務DX支援パートナー)
提出時期:2025年春頃

資料には、以下のような構成が含まれていました:

  • 現状整理(市場動向・組織体制の変遷など)
  • 課題仮説マップ(現場・戦略ギャップの抽出)
  • 提案施策(KPI設計、ダッシュボード支援、継続購入設計)
  • 支援スコープ・稼働イメージ
  • 提案価格(月額15万円〜)

この資料に対し、ChatGPTに「上司」や「担当部門の責任者」になりきってもらい、コメントを求めていきます。

ChatGPTで“他己評価”を行うプロセス

今回の評価は、以下の5ステップで実施しました。

① 一時モードをON

→ ChatGPTの記憶を使わないことで、先入観ゼロの評価を狙いました。

② ペルソナ入力

→ ChatGPTにこう伝えました:

あなたは某企業の海外戦略部門マネージャーです。現在、EC事業の拡大とLTV最大化をミッションとしています。事業背景としては…(以下略)

評価を引き出すための質問設計

最初に「この資料どう思う?」と聞いただけでは、当たり障りのない感想が返ってきがちです。

そこで、以下のような切り口で追加の質問を重ねました。

  • 同類の提案と比べて、どの程度の完成度?
  • この価格帯(15万円/月)の人材として妥当か?
  • 任せるとしたらどのタスク領域が向いてそう?
  • 逆に、他の中堅エンジニアでもできる内容では?
  • 提案書でわかりにくかった箇所はある?
  • 改善するとしたらどこを見直すべき?

評価軸を明確に設けたプロンプトにすることで、ChatGPTの回答精度も大きく向上しました。

ChatGPTの評価コメント(一部抜粋と所感)

🧠 出力例

「この提案書は論理的ですが、施策の“差別化”要素が少し弱いように見えます。他社提案との差別化軸が明示されていれば、より説得力が増します。」

「月額15万円という金額感に対して、内容的には適正に見えます。ただし、KPI設計や分析支援の深さによっては、もう少し価値訴求を追加してもよいかもしれません。」

「任せるなら“要件定義〜ベンダー折衝”フェーズが最適。実装やBI開発単体であれば、他の外注先でも良いのでは?という印象を持ちました。」

👀 筆者の所感

  • 「差別化要素の弱さ」→ 同業提案との比較セクションを追加
  • 「BIは他でもできる」→ 提案書に“業務との接続力”を補足
  • 「価格と中身の妥当性」→ 強みとなる稼働内容を具体化

ChatGPT他己評価のメリットと限界

✅ 良かった点

  • 自分視点だけでは見えない“ズレ”が明確に
  • 提案資料の改善ポイントがすぐ明らかになる
  • 「自分の単価って他人から見てどう?」みたいなナイーブな問いに答えてくれる
  • 資料レビューの相棒として手軽に使える

⚠️ 限界点

  • 感情的なニュアンスまでは読み取れない
  • 入力の質=出力の質なので、質問設計が鍵
  • 実在するクライアントの“温度感”とはズレる可能性あり

あくまで「仮想的な他者視点」ですが、フィードバック素材としては非常に有用です。

まとめ:AIを“仮想上司”にして自分を見つめる時代

他者からの評価を得るのは難しい。けれどChatGPTを活用すれば、擬似的に“他人の目”を借りて自己評価を行うことができます。

資料レビューの壁打ち、価格妥当性の見立て、強みの再認識…。使い方次第で、ChatGPTはとても良質な「客観視エンジン」になります。

GPT4oになってきてから、自然言語の取り扱い能力向上によって、ドキュメントの推敲はほんとに楽になったと感じてます。ぜひお試しあれ!

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?