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日本ICT企業の強みとは

Last updated at Posted at 2019-05-21

※このサイトの掲載内容は私個人の見解であり、必ずしも私が所属する会社、組織、団体の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

以前はヨーロッパで技術を発明し、米国で技術を利用して事業化し、日本で事業を実用化すると言われた時代があったと言われます。
しかし、技術が多様化してグローバルな競争力も高まり、そのような多様化した社会で当たり前の育った若者たちも、日本企業で働く意味を探しているように思います。

ちなみに私はバブルがはじけた後に、業績が回復しはじめた1998年に会社に入社しました。ある意味で企業の地位は確立されており、先輩達が切り開いた道を先輩達に置いてかれずに着いていくのに必死でした。このため、日本企業の強みを改めて考えることもなく、ガムシャラに仕事をしてきたのが正直なところです。
そんな偉大な先輩達が引退しはじめて、我々が企業の中心社員となり、技術革新により従来のビジネスモデルの転換が迫られている現状において、新たに日本企業の強みを考えさせられることが多いのは私だけでしょうか?

危惧しているのは、日本の成長期には、日本の古い風習などにとらわれず、新たなグローバルな視点を持った人材が貴重だったはずです。保守的な日本企業において、グローバルな視点で刺激を与える人材は貴重な存在で、現在の企業ではそういった人たちが企業活動を牽引しはじめています。
ただ、そういった人材は日本の古い文化・風習を破壊することを善しとされてきたため、日本の良さを振り返ることが苦手で、それを嫌う傾向があるように思います。

しかし、グローバル社会であるからこそ、グローバルだけに目を向けていると日本企業の存在価値が失われ、グローバルの荒波に飲まれてしまうのではないかと危惧しており、今こそ日本企業の強みを意識する必要があるのではないかと思ってなりません。

では、日本企業の強みとは何でしょうか?
一般的に日本の良さは高品質や組織力などと言われますが、我々は特別に高品質・組織力を培うための教育を受けてきた意識が無く、仮に高品質や組織力が強みだったとした場合、それは我々が日本の文化や風習の中で自然と身につけたものだと考えられます。
それでは、その強みはどのような文化や風習から日本企業の強みが生まれているのか考える必要があると思っています。
以下に浅はかながら、私が思う日本企業の強みを説明します。

農耕文化

国の特徴は、その国の文化が狩猟文化なのか農耕文化なのかが大きく影響していると言います。私は日本の強みには、日本が農耕文化であることが大きく影響していると思っています。
狩猟文化の民族は、その日に獲物を捕まえられるかどうかは、まずは獲物に遭遇できるかが重要で、安定した生活をするのが難しいです。このため、生活するためには、いかに素早く行動し、獲物がいないと分かれば生活拠点を変えることも重要となります。
一方で農耕文化の民族は、農作物を育てやすい土地を探し、その土地に耕して1年後の収穫に向けて計画的に作業することが重要となります。また、収穫が終われば田畑の維持して改善し次の年に備えることになります。
このため、狩猟文化では住まいが定着しないため個人の能力が重要となるが、農耕文化では長く同じ住まいに定着して地域コミュニティが広がってお互いに助け合いがはじまると言われます。
一方で村八分などの言葉があるように、地域のルールに違反すると仲間はずれにされるため、地域の習慣・ルールを守ることが重視されると言われます。

この農耕文化の特徴が日本の強みであるチーム力につながっていると思います。
行動する前に計画を重視し、その計画通りにチームで足並みを揃えて実行して目標を達成することが日本のチーム力の強みの源泉と言えるのではないでしょうか?
ただ、これは弱みでもあります。まずは計画が重視されるあまり、新たなチャレンジへの着手が遅く、計画を立てて行動をはじめたら軌道修正が難しいという特徴です。

ICTの開発現場で言えば、事前に計画を立てて開発を進めるウォータフォール開発は日本のチーム力を発揮しやすいですが、素早く動いて軌道修正するアジャイル開発は日本ではなかなか難しいのは日本の特徴によるものだと思います。

四季がある

日本国土の特徴として、四季があることも特徴と言われます。
一年中暑かったり寒かったりする国もある中で、日本には春夏秋冬の四季があり、梅雨などもあります。
日本人はこの四季の変化を感じ取り、農作業の管理を微調整したり、食料が腐らないように食料の保管方法を変更したり、衣替えをしたりする必要があります。

この四季があることにより、日本人の繊細な感覚が生まれ、作業を緻密に調整する感覚が生まれていると思われます。

この四季があることが日本の強みである高品質につながっていると思います。
環境の違いを意識し、それに合わせて慎重に検証を繰り返すのです。
また、農耕文化では、四季への対応を怠ると1年間の生活の死活問題になることも、影響していると思っています。

島国である

島国であることも日本の特徴に影響を与えると思っています。
島国では、よそ者の侵入が頻繁に行われないため、よそ者に対する抵抗感・新たな変化への抵抗感が強いと言われます。
逆に地域コミュニティの絆が強く、仲間意識が強いという特長もあります。

終わりに

さて、どうでしょうか?
文化というものが、どれだけ人間に影響を及ぼしているのか半信半疑である反面で、上記のように考えると日本の根底にある文化が、日本の強み・弱みに通じていると思えてなりません。
この日本の根底にある文化から来る強み・弱みを意識し、日本企業の価値をとらえた上で、グローバルで戦うのか考える必要があるのではないでしょうか?

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