ゴルーチン間で値を送受信する
プログラムにおいて、値を送信する関数などをProducer、受信する処理をConsumerと呼ぶことがある。
Goで複数のゴルーチンにProducerとConsumerの役割を持たせた場合の並行処理のプログラムについて説明する。
ProducerとConsumerのゴルーチンを作成する
main関数からProducerのゴルーチンをいくつか並行で走らせて実行し。結果をチャネルに入れる。チャネルからConsumerのゴルーチンに渡して、データの処理を実行する。
イメージ図
使用例としては、様々なサーバからログの解析結果をProducer側で処理し、Consumer側に渡してログの処理や保存をするようなアプリケーションなどがある。
Producer処理の作成
引数iに2をかけるという処理をしてチャネルに送信するproducer関数を作成する。
func producecr(ch chan int, i int) {
//Something
ch <- i *2
}
Consumer処理の作成
producer関数のゴルーチンから受け取った値を処理するconsumer関数を作成する。
チャネルの値をrangeで取り出して処理をする。ここでは「process」という文字列と、iに1000を掛けた値を表示する。
また、処理が終わったら、producer関数から渡された値の処理が終わったということを示すためにwg.Done()を実行する。
func consumer(ch chan int, wg *sync.WaitGroup) {
for i := range ch {
fmt.Println("process", i*1000)
wg.Done()
}
}
main関数の処理
main関数では、まずsync.WaitGroupを宣言する。また、チャネルを作成する。
続いて、producer関数をfor文で10回呼び出す。ループの中でConsumerに値を渡すときにすべてを渡せたかを確認するため、「wg.Add(1)」を書く。その後、ゴルーチンを呼び出してproducer関数を実行する。
次に、consumer関数の引数にチャネルとWaitGroupを渡して実行する。その後、consumer関数がproducer関数から送られてくる値をすべて受け取るまで「wg.Wait()」で待つ。最後に「close(ch)」でチャネルを閉じる。
func main() {
var wg sync.WaitGroup
ch:= make(chan int)
// Produger
for i :=0; i < 10; i++ {
wg.Add(1)
go producer(ch, i)
}
// Consumer
go consumer (ch, &wg)
wg.Wait()
close(ch)
}
//以下のように表示される
process 0
process 4000
process 2000
process 6000
process 8000
process 14000
process 10000
process 12000
process 16000
process 18000
producer関数のゴルーチンを呼び出す際に「wg.Add(1)」を10回実行したのでconsumer関数のゴルーチンで「wg.Done()」が10回実行したのでconsumer関数のゴルーチンで「wg.Done()」が10回実行されるまで、main関数の「wg.Wait()」で待ち続ける。
ゴルーチンでrangeがチャネルを待ち続けてしまう場合
consumer関数のゴルーチンでは、チャネルに値が送信されてくるのをrangeで待ち続けてしまうので、main関数の最後に「close(ch)」を実行してチャネルを閉じる。
consumer関数のfor文の外に「fmt.Println("#####")」を書いてみるだけで実行しても「#####」は表示されない。
func consumer(ch chan int, wg *sync.WaitGroup) {
for i := range ch {
fmt.Println("process", i*1000)
wg.Done()
}
fmt.Println("#####")
}
これは、consumer関数の「fmt.Println("#####")」を行う前にコードが終了してしまうため。この解消のためにmain関数のconsumerの実行部分のclose(ch)の下に、2秒間待つ処理を書いて、終わったら「Done」と表示させる。
// Consumer
go consumer (ch, &wg)
wg.Wait()
close(ch)
time.Sleep(2 * time.Second)
fmt.Println("Done")
//以下のように表示される
process 0
process 4000
process 2000
process 6000
process 8000
process 14000
process 10000
process 12000
process 16000
process 18000
#####
Done
学習に使用した教材
・『入門】Golang基礎入門 + 各種ライブラリ + 簡単なTodoWebアプリケーション開発(Go言語)』M.A EduTech
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