はじめに
Power Automate for Desktop を使いたくて Mac ユーザーから Windows ユーザーに乗り換えたのにも関わらず、下調べが甘かったことや、Power Automate for Desktop の仕様変更のせいで、期待通りに使用できなかった経験から得た教訓を共有します。今後、Power Automate・Power Automate for Desktop の使用を検討している人の参考になれば幸いです。
Power Automate で実現したかったこと
私が、Power Automate でやりたかったことは以下の2つです。
① Power Automate で Outlookに接続する
② Power Automate と Power Automate for Desktop を接続する
とても基本的な内容ではありますが、初学者には躓きやすいポイントがあったので解説も交えながら説明していきます。
個人アカウントと組織アカウントの違いを知る
単刀直入に言うと、Power AutomateをOutlook等のMicrosoft製品と連携して使用するには組織アカウントが必要です。Microsoftには、個人が使用するための個人アカウントと企業や学校等の組織で使用するための組織アカウントがあります。どちらもアカウント自体は無料で作成できるのですが、いくつかの点で違いがあります。
組織アカウント | 個人アカウント | |
---|---|---|
独自ドメインの取得 | 〇 | × |
アカウント管理 | Azure ADの管理者 | 個人 |
企業向けサービスの使用 | 〇 | × |
私のように個人で使用していても、Power Automateのような企業向けのサービスを使用するユーザーは組織アカウントを用意する必要があります。
下の画像はPower Automateから個人アカウントで使用していたOutlookに接続しようとしたときのエラーログです。組織アカウントを使用するようにというエラーが出ました。
Microsoft Office 製品搭載の PC を使用していて Outlook が使用できる状態にある場合でも、それは個人アカウントに紐づいているので Power Automate と接続することはできません。独学で Power Automate の学習をする方やフリーランスとして Power Automate を扱うことを検討している方は、組織アカウントを用意する必要があることをご注意下さい。
組織アカウントと個人アカウントの違いを解説している参考動画あるので、気になる方はご確認下さい。
Power Automate と Power Automate for Desktop の連携に非対応なOS
Power Automateを使用するうえで、Power Automate と Power Automate for Desktop の連携して1つの自動化フローを作ることがあるかと思います。例えば、Power Automate for Desktopで定義したローカル環境で行われる自動化フローをPower Automateで定義したアクションをトリガーにして自動実行する等です。
Microsoft Learnに同様のことをしているものがあったので、よりイメージを膨らませたい方は以下をご覧ください。
Power Automate と Power Automate for Desktop の連携するには、
① 直接接続
② データゲートウェイの設定
のいづれかが必要でした。しかし、2023年6~9月頃に仕様の変更があり②のデータゲートウェイを介しての接続ができなくなりました。そのため、①の直接接続をすることにより、両者を連携するしかなくなりました。ここで重要なのは、その直接接続に対応していないOSがあることです。
Windows 10 Home または Windows 11 Home を実行しているコンピュータでは、直接接続を利用できません。
この制限により、上記以外のエディションのPCを使用する必要があります。
私の場合は、Windows 11 Home を使用していたので、Windows 11 Pro へアップグレードすることにより、直接接続ができるようになりました。アップグレードに掛かった費用が約1.3万し、痛い思いをしました(笑)
まとめ
・Power Automate を使い倒すなら組織アカウントが必要
・Power Automate と Power Automate for Desktop の連携は、Windows 10/11 Home では不可能
最後までご覧頂きありがとうございました!