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IoTシステム技術検定 中級 を受験して思ったこと

Last updated at Posted at 2023-12-27

はじめに

第15回のIoTシステム技術検定の中級を受験しました。
受験を考えている人への参考になることをと思い、書き残すことにしました。
社会人のイマドキの勉強法って、こんな感じなのかな、にも少し触れてみたいと思います。

IoTシステム技術検定の“中級“といっても

IoTシステム技術検定は、モバイルコンピューティング推進コンソーシアムが主催するもので、IoTシステム構築・活用に関する知識を中心に、その習熟度を検定するものです。
中級は2段階目に位置付けられており、その検定方法は、被試験者の知識習得を問う80問の4択問題の正答数を確認するものです。論述問題がないので、中級という文言ほど重いものではなさそうと予想されます。
受験料は15400円と他のIT資格より高額な点が気になるところです。

甘い見積もり?

私自身は…

  • 組み込み機器向けファームウェアの設計、実装に従事
  • マイコン関連は割と詳しい方…だと自認
  • 基本情報技術者試験に合格したのは10年以上前
  • IoT関連の技術は基本的に未知の分野

という感じです。
これまで携わった組み込み機器開発ではUARTなどの超がつくほど基本的な通信手段を持つだけで、最新の通信規格なんてもってのほか。ましてや、IoTについてはネットに流れる情報を軽く見聞きした程度です。
しかし、裏を返せば、本当によく分かっていないのは通信に関わる部分で課題は明確なはずと甘く見積もり、1ヶ月後の受験を目指すことにしました。

忘れている…

公式のテキストを手に入れ、早速読み始めるも、勉強自体があまりにも久しぶりすぎて、勉強の仕方を忘れていることにすぐに気づくと同時に、新しいことを学ぶ時は、紙に書きながら頭に入れていくタイプであることも思い出しました。しかしながら、そのやり方は時間と場所が比較的自由に使える学生の特権であって、仕事や家庭を持つ人にはなかなか厳しいもの。

キーワード抽出→深掘り の繰り返し

手持ちの時間は通勤の往復くらいです。そこで、この細切れ時間を有効に使うため、以下のような方法としました。

  • テキストのわからないところを把握するため、概念や単語の洗い出しまでを目標にスピード優先で読む
  • 不明なキーワードがあれば、その文言とテキストのページ番号だけをスマートフォンのノートアプリに書き留める

この作業でテキストを1周するのに5日間を要しました。抜き出したキーワードの分野は、

  • 規格のアライアンスを構成する各団体の動き
  • 国内の法規制
  • ビッグデータ
  • センサで物理現象を検知する仕組み

など、多岐に渡っていました。当初予想した分野はネットワークの標準規格だけだと思っていたので、これだけの重点分野があるとスピードアップが必要だ、をここで認識しました。
次は、上記重点分野の深掘りに充て、理解不足の範囲を小さくしていくことを目指して取り組みました。受験までの間に合計3周行った頃には、概ね全体に渡って理解が進んだ状態を作れたと思います。

無制限のなぜなぜ

上記の深掘りついて少し触れようと思います。
当初予想した課題はネットワーク関連だと思っていたものの実際は多数あり、その1つとして、センサで物理現象を検知する仕組みについては、かなり理解できていない状況でした。その中でもMEMSについて、微小な電気機械システムです、という文章を読んでも頭にさっぱり入ってきません。
そこで頼ったのが生成AIです。Googleからのメールに、Bardという名の対話型生成AIが試験運用中との文言がったので、であればと、キーワードを含めた疑問形の文章を投げたところ、理解しやすい平易な文章での回答が得られたのです。
以下そのやりとりです。

MEMSの具体例を知りたい

MEMS(微小電気機械システム)とは、マイクロメートル単位の微小な機械部品やセンサー、アクチュエーターを組み合わせたデバイスです。

MEMSは、その小型性、低コスト、低消費電力などの特徴から、さまざまな分野で活用されています。

以下に、MEMSの具体例をいくつかご紹介します。

  • プリンターヘッド

インクジェットプリンタのプリンターヘッドには、MEMS技術が用いられています。MEMS技術によって、高精度で微細なインクを噴射することが可能になりました。

  • 加速度センサー

スマートフォンやタブレット端末、ゲーム機器などに搭載されている加速度センサーにも、MEMS技術が用いられています。加速度センサーは、端末の傾きや落下を検知するために使用されています。

  • ジャイロスコープ

スマートフォンやタブレット端末、ゲーム機器などに搭載されているジャイロスコープにも、MEMS技術が用いられています。ジャイロスコープは、端末の回転を検知するために使用されています。

  • マイクロフォン

スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなどに搭載されているマイクロフォンにも、MEMS技術が用いられています。MEMS技術によって、高音質で小型のマイクロフォンを実現することが可能になりました。

  • 圧力センサー

自動車のエアバッグや血圧計などに用いられている圧力センサーにも、MEMS技術が用いられています。圧力センサーは、空気や液体の圧力を検知するために使用されています。

  • 光学スイッチ

プロジェクターやデジタルカメラなどに用いられている光学スイッチにも、MEMS技術が用いられています。光学スイッチは、光の流れを制御するために使用されています。

  • DNAチップ

DNAの検査や診断に用いられているDNAチップにも、MEMS技術が用いられています。DNAチップは、DNAを検出するために使用されています。

MEMSは、今後もさまざまな分野で活用が進んでいくことが期待されています。

具体的には、以下のような分野での活用が期待されています。

  • ロボット工学

MEMS技術によって、小型で高性能なロボットを実現することが可能になると期待されています。

  • 医療

MEMS技術によって、体内に埋め込める医療機器や、精密な検査・診断機器を実現することが可能になると期待されています。

  • 環境・エネルギー

MEMS技術によって、環境汚染の監視や、エネルギーの効率的な利用を実現することが可能になると期待されています。

どうやら多岐にわたることがわかります。
IoTといえばセンサーということで上記のセンサーがどう形成されるのか質問してみました。

MEMSにおいて、機械部品やセンサーが形成される原理を知りたい

MEMSにおいて、機械部品やセンサーが形成される原理は、大きく分けて以下の2つがあります。

  1. 半導体プロセスを利用した形成

半導体プロセスを利用した形成は、MEMSの最も一般的な形成方法です。この方法では、半導体製造技術を応用して、シリコンウェーハ上に微細な機械部品やセンサーを形成します。

半導体プロセスを利用した形成には、以下の工程が含まれます。

  • ウェーハの基板処理

シリコンウェーハの表面を化学的に処理して、機械部品やセンサーを形成するための基盤を整えます。

  • パターン形成

光学露光や電子線露光によって、ウェーハ上に機械部品やセンサーのパターンを形成します。

  • エッチング

ウェーハの表面を化学的に腐食させて、機械部品やセンサーを形成します。

  • 薄膜形成

機械部品やセンサーの機能を向上させるために、薄膜を形成します。

  1. リソグラフィを利用した形成

リソグラフィを利用した形成は、半導体プロセスを利用した形成よりも、自由度の高い形状を形成できる方法です。この方法では、リソグラフィ技術を用いて、ガラスやセラミックなどの基板上に微細な機械部品やセンサーを形成します。

リソグラフィを利用した形成には、以下の工程が含まれます。

  • 基板の表面処理

基板の表面を化学的に処理して、機械部品やセンサーを形成するための基盤を整えます。

  • レジストの塗布

基板の表面にレジストを塗布して、パターンを形成するためのマスクを作成します。

  • パターン露光

光学露光や電子線露光によって、レジストの表面にパターンを形成します。

  • レジストの現像

レジストを化学的に溶解させて、パターンを残します。

  • エッチング

基板の表面を化学的に腐食させて、機械部品やセンサーを形成します。

MEMSは、さまざまな分野で活用されている先進技術です。今後も、MEMS技術の進歩によって、さまざまな分野での新たな応用が期待されています。

色々な方式が考えられているようです。
半導体の生成プロセスに近いのか、高温など極端な環境下での動作するセンサをMEMSで実現することは難しいことがなんとなく読み取れたので、質問を変えてみます。

MEMSでの実現が困難なセンサーはあるか?

はい、MEMSでの実現が困難なセンサーはいくつかあります。

  • 高感度なセンサー

MEMSセンサーは、半導体プロセスやリソグラフィ技術を用いて、微細な機械部品やセンサーを形成します。そのため、高感度なセンサーを実現するには、微細な構造を精密に形成する必要があります。しかし、微細な構造は、形状が不安定になりやすく、また、製造工程中にダメージを受けやすいという課題があります。

  • 広い測定範囲を持つセンサー

MEMSセンサーは、測定範囲を広くするために、大型化する必要があります。しかし、大型化すると、センサーのコストや消費電力が増加するという課題があります。

  • 過酷な環境下で使用できるセンサー

MEMSセンサーは、温度や湿度、振動などの影響を受けやすいという課題があります。そのため、過酷な環境下で使用できるセンサーを実現するには、センサーの構造や材料を工夫する必要があります。

以下に、MEMSでの実現が困難なセンサーの具体例をいくつかご紹介します。

  • 磁気センサー

磁気センサーは、磁場の変化を検出するために使用されます。MEMS技術を用いて、小型で低コストな磁気センサーを実現することは可能ですが、高感度な磁気センサーを実現することは困難です。

  • 光センサー

光センサーは、光の量や波長を検出するために使用されます。MEMS技術を用いて、小型で低コストな光センサーを実現することは可能ですが、広い測定範囲を持つ光センサーを実現することは困難です。

  • 化学センサー

化学センサーは、ガスや液体の成分を検出するために使用されます。MEMS技術を用いて、小型で低コストな化学センサーを実現することは可能ですが、過酷な環境下で使用できる化学センサーを実現することは困難です。

MEMS技術の進歩によって、これらの課題の解決が進められており、今後、MEMSでの実現が困難なセンサーも実現できるようになることが期待されています。

化学系のセンサが作れる事には驚きですが、まさに知りたいことを答えてくれる感じです。ここで矛盾を感じた場合はGoogleで検索して裏を取りつつ、新たに得たキーワードからより突っ込んだ質問を考えることで異なる視点からの理解に役立つと感じました。
この、なぜなぜを繰り返すことで自分視点での深掘り/別視点での考え方が垣間見え、検索に要する手間がだいぶ軽減されたと感じました。専門家と同じレベルの回答というわけにはいかないと思うものの、生成AIはこちらの遠慮のないなぜなぜに嫌がることなく答えてくれるので、納得できるまで掘り下げたい方には向いているのではないでしょうか。

試験当日

やれることはやったので、受験です。
受験会場で指示があったブースにはデスクトップパソコン一式と筆記用具、耳栓、ヘッドホンがあるだけです。かつて受けた基本情報処理試験は、試験会場が大学の教室で全員が同じものに向かっている感があったのとは対照的です。
チュートリアルで操作方法を覚え、試験開始です。持ち時間は90分。回答に不安があるものは見直すボタンを押下して頭から順に回答を進め、全80問を一巡した時の残り時間は約35分。残り時間で、一覧表示から回答に見直すマークをつけた問題を優先的に考え、2巡目が終わった時の残り時間は15分。最後の一巡として、最初の設問からスピードを上げて問題文と回答を確認しつつ適宜回答を修正、40問をすぎたくらいでタイムアウトでした。

結果と振り返り

12/18に結果が出ました。
電子メールで案内が来るかと思っていたものの、来ない感じだったので、MCPCのマイページで確認したところ、以下のような認定証がマイページから見ることができました。
合格です(黄色の枠に個人名が書かれていたのでぼかしてます)。
合格証ぼかし.jpg

正答数など採点結果が一切公表されないのは以前から変わっていないようで、少しモヤモヤしますが、結果には満足しています。
問題をすべて覚えておらず他の方の受験記のように事細かく書き出せないので、参考にあげたリンクを参照してください。今回の出題範囲も公式のテキストから逸脱することなく、また全体から満遍なくという感じでした。似たような用語を並べて正解/不正解を判断する、少し引っ掛け問題的なものもありましたが、用語の意味や日本語を正しく理解していれば難しいものではなかったと感じたので、勉強法は悪くなかったと考えます。
選択式の問題に対しても、今どきの技術(要するに生成AIの凄さ)を利用しつつ、通勤の合間に勉強法として組み込めたことは、時間を有効活用することが求められる状況ではとても大きかったと思います。

今後

次は上級にチャレンジです。
論述問題なのでさすがにスキマ時間+α程度ではうまく行かないと思うので、時間の捻出をどう行うかもまたチャレンジになるでしょう。

参考

IoTシステム技術検定中級 テキスト第2版抜粋 音声読み上げ用

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