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VMだけで構成するESXi RDMを利用したワークグループWSFCによるファイルサーバ構築

Last updated at Posted at 2023-05-04

通常はFC-SANを利用して構築する、ESXi RDMを利用したWSFCファイルサーバについて仮想環境のみで構築します。
image.png

※通常はADサーバも利用する構成が多いと思いますが、今回はADサーバを排してワークグループクラスターで構成します。

■環境

ESXiサーバ

6.7.0 Update 3 (Build 14320388)

WindowsServer

OS 名:                 Microsoft Windows Server 2016 Standard Evaluation
OS バージョン:          10.0.14393 N/A ビルド 14393

■構成詳細

サーバistg01にてiSCSIディスクを2つ作成し、ESXiに接続します。
ESXiに接続されたiSCSIディスクをVMにRDMで結びつけます。
RDMで結びつけたディスクをWSFC共有ディスクとして利用します。

ADサーバを構築しない、ワークグループクラスタで構築します。

image.png

サーバ IPアドレス 役割
ESXi 192.168.142.10 ESXiサーバ、iSCSIイニシエータ
istg01 192.168.142.71 iSCSIターゲット
fs01 192.168.142.72 ファイルサーバ1号機
fs02 192.168.142.73 ファイルサーバ2号機
cls01 192.168.142.80 WSFCクラスタ
cls-fs 192.168.142.81 ファイルサーバ論理
DNS 192.168.142.31 DNSサーバ(BIND)

iSCSIターゲットサーバの構築とESXi接続は以下記事に記載し、割愛します。

■構築フロー

1.VM作成
1-1.VM作成
1-2.windowsインストール
1-3.RDMディスクのマウント
1-4.片方でRDMディスクのフォーマット

2.WSFC構築
2-1.DNSサーバの設定
2-2.DNSクライアントの設定
2-3.ホスト名およびDNSサフィックスの作成
2-4.WSFCインストール
2-5.WSFCクラスタ作成
2-6.WSFCクラスタ作成

3.ファイルサーバの役割作成
3-1.ファイルサーバ、FSRMインストール
3-2.ファイルサーバの役割作成
3-3.WinRM TrustedHosts修正
3-4.共有の作成

4.動作確認
4-1.共有へのアクセス確認
4-2.フェールオーバー確認

1.VM作成ではRDMを接続したVMを作成します。
2.WSFC構築ではWSFCクラスタのセットアップまで実施します。
3.ファイルサーバの役割作成ではWSFCクラスタ上にファイルサーバの役割を作成します。
4.動作接続ファイルサーバへのアクセス確認、WSFCクラスタのフェールオーバーの確認を実施します。

作業1.VM作成

新規でVMを作成し、RDMディスクのマウント・フォーマットを行います。

手順1-1.VM作成

ファイルサーバ用VMのfs01fs02を作成します。

Windowsインストール時点ではRDMは接続しないで構築します。

image.png
image.png

手順1-2.windowsインストール

windowsをインストールします(割愛)。

ワークグループクラスタの要件として、アカウント名とパスワードは同一にする必要があるので、インストール時のAdministratorパスワードはfs01fs02で共通にしておきます。

image.png

Workgroup and Multi-domain clusters in Windows Server 2016
https://techcommunity.microsoft.com/t5/failover-clustering/workgroup-and-multi-domain-clusters-in-windows-server-2016/ba-p/372059


インストール後、以下だけは設定をしておきます(割愛)。
・IPアドレス固定設定
・リモートデスクトップ接続設定
・Windowsファイアウォールの無効化

手順1-3.RDMディスクのマウント

OSを停止し、RDMディスクをマウントします。

手順1-3-1.新規Rawディスクのマウント(fs01)

その他のデバイスの追加 > SCSiコントローラを選択します。
image.png

SCSIバスの共有物理を選択します。
image.png

ハードディスクの追加 > 新規Rawディスクを選択します。
image.png

10GBの方を選択します。
image.png

追加したディスクについて、コントローラの場所SCSIコントローラ1(上記で追加したSCSIコントローラ)を選択します。
image.png

同様に、もう1個のディスクについても新規Rawディスクから追加します。
image.png
image.png

追加したディスクについて、コントローラの場所SCSIコントローラ1(上記で追加したSCSIコントローラ)を選択します。
image.png

VMが問題なく再構成されたら、VMを起動します。

手順1-3-2.既存のハードディスクディスクのマウント(fs02)

もう片方のVMであるfs02においては、fs01にて接続されたRDMと同じものを接続するため、既存のハードディスクマウントします。

その他のデバイスの追加 > SCSiコントローラを選択します。
image.png

SCSIバスの共有物理を選択します。
image.png

ハードディスクの追加 > 既存のハードディスクを選択します。
image.png

fs01で追加したハードディスクを選択します。
image.png

追加したディスクについて、コントローラの場所SCSIコントローラ1(上記で追加したSCSIコントローラ)を選択します。
image.png

もう一方のディスクについても同様に追加・設定し、VMが問題なく再構成されたら、VMを起動します。

手順1-4.片方でRDMディスクのフォーマット

Windows起動後、fs01にてRDMディスクのフォーマットを実施します。

この作業はクラスタ内の1サーバのみの実行で問題ありません。

ディスクの管理を起動し、ディスクが2個追加されていることを確認します。
image.png

ディスクのオンラインとフォーマットを実行します。
image.png

ドライブ文字の変更を行います。デフォルトでE:となっているので、Z:ドライブに変更します。
image.png
image.png
image.png
image.png

ドライブ文字がZ:ドライブに変更されました。
image.png

もう片方のディスクについても、オンライン化、フォーマット、ドライブレターの変更を行います。
Quorum用ディスクとしてQ:ドライブとしています。
image.png

エクスプローラからも認識されたことを確認しました。
image.png

作業2.WSFC構築

WSFCの構築を行います。まずはDNS系の設定を実施します。

手順2-1.DNSサーバの設定

DNSサーバの設定を行い、利用する予定のレコードを設定します。

ゾーンはtest.localを利用します。

DNSサーバの設定手順は割愛します。

正引き
$TTL      86400
@         IN       SOA     cent77-01.test.local.  root.test.local.(
                                        2020020501 ; Serial
                                        28800      ; Refresh
                                        14400      ; Retry
                                        3600000    ; Expire
                                        86400 )    ; Minimum
            IN NS cent77-01.test.local.
fs01    IN A 192.168.142.72
fs02    IN A 192.168.142.73
cls01   IN A 192.168.142.80
cls-fs  IN A 192.168.142.81
逆引き

$TTL      86400
@         IN       SOA     cent77-01.test.local.  root.test.local.(
                                        2020020501 ; Serial
                                        28800      ; Refresh
                                        14400      ; Retry
                                        3600000    ; Expire
                                        86400 )    ; Minimum
     IN NS cent77-01.test.local.
72   IN PTR fs01.test.local.
73   IN PTR fs02.test.local.
80   IN PTR cls01.test.local.
81   IN PTR cls-fs.test.local.

手順2-2.DNSクライアントの設定

Windowsサーバ側でDNS設定を行います。
image.png

手順2-3.ホスト名およびDNSサフィックスの作成

Windowsサーバにてホスト名とDNSサフィックスの設定を行います。

サーバマネージャコンピュータ名を押下します。
image.png

変更を押下します。
image.png

コンピュータ名を修正します。
また、詳細(M)...を押下します。
image.png

このコンピュータのプライマリDNSサフィックス(P):を入力し、OKを押下します。
image.png

フルコンピュータ名:が コンピュータ名+DNSサフィックス となっていることを確認し、OKを押下します。
image.png

OKを押下します。
image.png

閉じるを押下します。
image.png

今すぐ再起動する(R)を押下します。
image.png

再起動後、ホスト名が修正されたことを確認します。
image.png

同様のことをクラスタ構成する全てのサーバに対して実行します。

手順2-4.WSFCインストール

サーバーマネージャー > 管理 > 役割と機能の追加を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

役割は何も追加せず、次へを押下します。
image.png

機能としてフェールオーバークラスタリングを選択します。
image.png

機能の追加を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動するを選択します。
image.png

はいを押下します。
image.png

インストールを押下します。
image.png

インストールが完了しました。
閉じるを押下します。
image.png

再起動要求はありませんでしたが、念のため再起動を行います。

同様のことをクラスタ構成する全てのサーバに対して実行します。

手順2-5.WSFCクラスタ作成

サーバーマネージャー > ツール > フェールオーバークラスターマネージャーを押下します。
image.png

クラスターの作成を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

クラスタを構成するサーバのホスト名を入力し、追加を押下します。
image.png

続いて、次のサーバのホスト名を入力し、追加を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

構成検証テストですが、はいを選択して次へを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

すべてのテストを実行する(デフォルト)を選択して次へを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

完了を押下します。
image.png

結果の中に失敗も含まれますが、問題なく続行が可能です。




クラスター名および住所を入力し、次へを押下します。
image.png

使用可能な記憶域を全てクラスターに追加するのチェックを外し、次へを押下します。
(あとからディスク追加するため)
image.png

クラスターの作成が開始されます。
image.png

クラスターが作成されました。
完了を押下します。
image.png

クラスターが表示されました。
image.png

ノードとして2ノードが登録され、稼働中になっています。
image.png

手順2-6.WSFCクラスタ作成

ディスクからディスクの追加を押下します。
image.png

RDMディスクが表示されるので、チェックを入れてOKを押下します。
image.png

ディスクが追加され、オンラインとなりました。
image.png

念のため名前の変更を行います。プロパティを押下します。
image.png

名前を変更してOKを押下します。
image.png

名前が変更されました。
image.png

同様に、もう片方のディスクについても名前の変更を行います。
データ共有用のディスクをData、クォーラムとして共有しないディスクをQuorumとしています。
image.png

作業3.ファイルサーバの役割作成

ファイルサーバの役割を作成し、外部からのアクセスを許可するところまで構築します。

手順3-1.ファイルサーバ、FSRMインストール

役割のファイルサーバーファイルサーバーリソースマネージャーをインストールします。

サーバーマネージャー > 管理 > 役割と機能の追加を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

役割のファイルサーバーを選択します。
image.png

ファイルサーバーリソースマネージャーを選択します。
image.png

機能の追加を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

機能は何も選択せず、次へを押下します。
image.png

必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動するを選択します。
image.png

はいを押下します。
image.png

インストールを押下します。
image.png

インストールが完了したら、閉じるを押下します。
image.png

再起動要求はありませんでしたが、念のため再起動を行います。

同様のことをクラスタ構成する全てのサーバに対して実行します。

手順3-2.ファイルサーバの役割作成

クラスタにファイルサーバーの役割を作成します。

フェールオーバークラスターを起動し、クラスターの役割にて役割の構成を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

ファイルサーバーを選択し、次へを押下します。
image.png

汎用ファイルサーバー(デフォルト)を選択し、次へを押下します。
image.png

クライアントアクセスポイントとなる名前住所を入力し、次へを押下します。
image.png

使用する記憶域を選択します。
今回はDataのみを選択し、次へを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

役割が構成されました。完了を押下します。
image.png

役割が表示され、実行中となっていることが確認できました。
image.png

手順3-3.WinRM TrustedHosts修正

フェールオーバークラスター上のファイルサーバー共有については内部的にWinRMが利用されています。こちらのTrustedHostsに許可を与えておかないとファイルサーバー共有の作成時にエラーになってしまうため、こちらの許可設定を実施します。

Powershellを起動し、既存のWinRM TrustedHostsの設定を確認します。
コマンド:Get-Item WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts

Before
PS C:\Users\Administrator> Get-Item WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts

   WSManConfig: Microsoft.WSMan.Management\WSMan::localhost\Client

Type            Name                           SourceOfValue   Value
----            ----                           -------------   -----
System.String   TrustedHosts

PS C:\Users\Administrator>

許可設定を行います。
コマンド:Set-Item -Path WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts -Value '*'

Setting
PS C:\Users\Administrator> Set-Item WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts -Value `*`

WinRM セキュリティの構成。
このコマンドは WinRM クライアントの TrustedHosts の一覧を変更します。TrustedHosts
の一覧内にあるコンピューターは認証されない可能性があります。クライアントはこれらのコンピューターに資格情報を送信する可能性があります。この一覧を変更しますか?
[Y] はい(Y)  [N] いいえ(N)  [S] 中断(S)  [?] ヘルプ (既定値は "Y"): Y
PS C:\Users\Administrator>

設定後のWinRM TrustedHostsの設定を確認します。
コマンド:Get-Item WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts

After
PS C:\Users\Administrator> Get-Item WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts

   WSManConfig: Microsoft.WSMan.Management\WSMan::localhost\Client

Type            Name                           SourceOfValue   Value
----            ----                           -------------   -----
System.String   TrustedHosts                                   *

PS C:\Users\Administrator>

設定後、役割について役割の停止および役割の起動を行います。
image.png

手順3-4.共有の作成

ファイルサーバーのディレクトリ共有設定を行います。

事前に、共有するディレクトリを作成します。
今回はZ:\sahre-testとします。
image.png

役割を右クリックし、ファイル共有の追加を押下します。
image.png

SMB共有 - 高度を選択し、次へを押下します。
image.png

下部カスタムパスを入力してくださいを選択し、参照を押下します。
image.png

事前に作成しておいたディレクトリを選択し、フォルダーの選択を押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

共有名を入力し、次へを押下します。
image.png

デフォルトのまま、次へを押下します。
image.png

アクセス許可をカスタマイズを押下します。
image.png

アクセス許可(NTFS共有)は特に変更しません。
image.png

共有(共有フォルダアクセス)は読み取りしか付いていないため、Everyone編集します。
image.png

フルコントロールにチェックを入れ、OKを押下します。
image.png

OKを押下します。
image.png

次へを押下します。
image.png

デフォルトのまま、次へを押下します。
image.png

デフォルトのまま、次へを押下します。
image.png

作成を押下します。
image.png

共有が作成されました。
閉じるを押下します。
image.png

作業4.動作確認

手順4-1.共有へのアクセス確認

他のPCから、共有フォルダへのアクセスを行います。
共有アクセスポイントのIPアドレスおよび共有名を利用してアクセスします。
アドレス:\\192.168.142.81\share

エクスプローラにてアドレスを入力します。

image.png

Windows Server 2016のAdministratorユーザによるパスワード認証を行っています。




アクセスが出来ました。
image.png

ファイルの書き込みも可能となっています。
image.png

手順4-2.フェールオーバー確認

フェールオーバー確認については役割の移動によって確認しています。

事前状態(現状)
 役割がfs01に搭載されており、記憶域(Z:\)もfs01も搭載されている。

事後状態(想定)
 役割がfs02に搭載されており、記憶域(Z:\)もfs02も搭載されている。




事前状態を確認します。役割および記憶域がfs01も搭載されています。
image.png

役割を右クリックし、移動 > ノードの選択を行います。
image.png

fs02を選択し、OKを押下します。
image.png

事後状態を確認します。役割および記憶域がfs02も移動されたことが確認できました。
image.png

■参考

Workgroup and Multi-domain clusters in Windows Server 2016



Workgroup Cluster の構築手順



WSFC / MSFC入門 (Windows Serverのクラスターでファイルサーバーを構築する)



Windows Server 2019 MSFC 構築手順



【VMware】SCSI バス共有を構成して RDM を仮想マシン間で共有させる方法



【図解】Windows Server 2022:WSFC (Windows Server Failover Clustering)構築手順

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