はじめに
ESXiの4.1から6.0まで、vSphere Clientでアクセスできる環境を作ろうと思いました。
VMware Workstationは異なるバージョンが入らないので、vSphere Clientも同じような縛りがあり、インストールの手順に秘伝のレシピが必要だと思っていました。
また、インストールするバージョンごとにフォルダを切り分けて、ファイルの存在を確認することで、各バージョンが本当にインストールされているのか確認しようとしました。
結論
異なるバージョンは、初回にvSphere Clientをインストールしたディレクトリに対しインストールされます。後から追加するバージョンのインストール先は変更はできません。
秘伝のレシピは不要で、必要なバージョンの最新版をインストールするだけで問題ありませんでした。
6.0、5.5、5.1、5.0、4.1の順にインストールして問題ありませんでした。
上から順に
vSphere Client 6.0 Update 3 / VMware-viclient-all-6.0.0-5112508.exe
vSphere Client 5.5 Update 2 / VMware-viclient-all-5.5.0-1993072.exe
vSphere Client 5.1 Update 2a / VMware-viclient-all-5.1.0-1880906.exe
vSphere Client 5.0 Update 3 / VMware-viclient-all-5.0.0-1300600.exe
vSphere Client 4.1 Update 3a / VMware-viclient-all-4.1.0-925676.exe
1本目
それぞれのメジャーバージョンの、初期リリースと最終リリースの2つのインストーラーを使い、古いバージョンから順にインストールしました。
メジャーバージョンのvSphere Clientがそれぞれ共存できるか試しました。
2017/12/11現在、下記から4.1~6.0までDLできます。
日本語(6.0はないが4.1がある)
https://kb.vmware.com/s/article/2090544
英語(6.0はあるが4.1がない)
https://kb.vmware.com/s/article/2089791
OS:Windows 10 Pro
Arch:x64
Ver:1709
Build:16299.64
アップグレード手順
古いものからインストールしていきます。
表の「指定可否」は、インストールまたはアップグレード時に、インストール先ディレクトリを変更できるかどうかを示します。
可能な場合、メジャーバージョンのディレクトリを指定してインストールします。
C:\Program Files (x86)\VMware\Infrastructure\5.5\
major | minor | やったこと | 結果 | 指定可否 |
---|---|---|---|---|
4.1 | - | インストール | 成功 | 〇 |
4.1 | U3a | 4.1無印→U3a | 成功 | × |
5.0 | - | 4.1U3a→5.0 | 成功 | × |
5.0 | U3 | 5.0→5.0U3 | 失敗*1 | - |
5.1 | - | インストール | 成功 | 〇 |
5.1 | U2a | 5.1→5.1U2a | 失敗*2 | - |
5.5 | - | インストール | 成功 | 〇 |
5.5 | U3e | 5.5→5.5U3e | 失敗*1 | - |
6.0 | - | インストール | 成功 | 〇 |
6.0 | U3 | 6.0→6.0U3 | 失敗*2 | - |
- 4.1、4.1U3a、5.0、5.0U3は互換モードでXPの指定が必要です。互換モードで実行しないと「この製品は、Windows XP SP2 以降にのみインストールできます。」と表示されます。
- *1 「エラー 2229。データベース:。SQLクエリのテーブル「LaunchCondition」をロードできませんでした:SELECT 'Condition', 'Description' FROM 'LaunchCondition'」と出て失敗。
- *2 アップデート時に、「Failed to install the hcmon driver.」と表示されました。[c:\windows\system32\drivers\hcmon.sys]を別名に変更すると良いそうですが、最終的にインストールできませんでした。
*2
どのプロセスかがhcmon.sysをつかんでいてそのまま削除できず、削除できてもインストールに失敗という原因不明の状態でした。
- セーフモードでhcmon.sysの削除
- USBモニタのチェックを無効化
参考資料
vmware document:vSphere Client 5.0 のインストールが次のエラーで失敗する: hcmon ドライバのサービスの作成に失敗しました (2096407)
結果
結局、4.1を除いて、何かしらの理由でマイナーバージョンのアップグレードに失敗しました。
インストール・アップグレード中に、インストール先が変更できるようになっていますが、設定を変えても変えなくても、既にvSphere clientがインストールされている場所に追加でインストールされます。インストール場所が指定できない時と同じ挙動でした。
2本目
初期バージョンをインストールする理由がないことに気づいて、最終版の5.0、4.1、5.1など順番を変えてインストールしてみました。
インストール先を変えられず、全部同じフォルダにインストールされることに気づいてから、うすうす今回の結論に気づいていましたが…
結果
いずれも問題なく入りました。
マイナーバージョンのバージョンアップがあったときは(例:6.0U2 -> 6.0U2a)、古いバージョンをアンインストールして最新を入れることで(例:6.0U2をアンインストール->6.0U2aをインストール)対応できそうです。
備考
アンインストール後、以下のレジストリ(VMwareキー)を消去しています。
Inc付きのキーはPlayer等の環境のものです。
5.0以降で使用
コンピューター\HKEY_USERS\(ユーザー)\Software\VMware\Virtual Infrastructure Client
4.1で使用
コンピューター\HKEY_USERS\(ユーザー)\Software\VMware\VMware\VMware Infrastructure Client
変な先入観があるとそれによって時間が無駄になる良い例でした。