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ε-δ論法をじっくり学ぼう Part 1

Last updated at Posted at 2017-10-15

ε-δ論法をじっくり学ぼう Part. 1

$\varepsilon$-$\delta$ 論法(イプシロンデルタ論法)の本質は,具体的な $\displaystyle\lim_{x\to 1}\frac{x^2-1}{x-1} = 2$ などの分かりきった極限の等式をわざとらしく証明することではなく,極限値の一意性や,はさみうちの原理,収束列は有界などの極限に関する諸性質をしっかり証明することにあるのではないかと個人的に思います.

また,いきなり関数の極限を扱う $\varepsilon$-$\delta$ 論法を学ぶよりは,数列の極限,さらにいえば,正の無限大に発散することから勉強して,$\forall$,$\exists$ などの記号に慣れるとよいと思います.

記号や用語

$\mathbf{N}$,$\mathbf{Z}$,$\mathbf{Q}$,$\mathbf{R}$,$\mathbf{C}$ をそれぞれ自然数,整数,有理数,実数,複素数全体の集合とします.また,$0$ は自然数に含めるものとします.$\mathbb{N}$,$\mathbb{Z}$,$\mathbb{Q}$,$\mathbb{R}$,$\mathbb{C}$ という記号も浸透していますが,これはもともと黒板(blackboard)で太字を表すための表記です.

また,一般的に数列は $\{a_n\}$,$\{a_n\}_{n\in\mathbf{N}}$ などの記号で表しますが,中括弧は集合と被るので,この記事では,$(a_n\mid n\in\mathbf{N})$ または,単に $(a_n)$ と表すことにします($\langle a_n\rangle$ と表す書籍もあります).

また,集合のメンバーのことを高校では要素(element)といいますが,大学ではほぼほぼ(げん)といいます(元素の元).

論理式

$\varepsilon$-$\delta$ 論法を理解しようとする勇敢な方は,まず,数学で登場する文章はすべて論理式に換言することができることを知るべきです.例えば整数 $a, b$ に対して,「$a$ は $b$ の倍数である」という文章は
$$
\exists d\in\mathbf{Z}\quad a = d b
$$
の書き換えです.また,整数 $m$ に対して「$m$ は $a, b$ の公倍数である」という文章は
$$
(\exists c\in\mathbf{Z}\quad m = a c)
\wedge
(\exists d\in\mathbf{Z}\quad m = b d)
$$
の書き換えです.というように,定理などを含むすべての数学的文章は突き詰めると,定数や変数,関数に用いる文字と,$=$,$\in$,$\wedge$,$\vee$,$\lnot$,$\Rightarrow$,$\forall$,$\exists$ および,適当な括弧およびカンマで表すことができます.これらの記号の列を論理式といいます.
それ以外の記号などを含む文章がもし登場したら,それは既存の論理式の書き換えだと思ってください.例えば,集合 $A, B$ に対して $A\subset B$ は,
$$
\forall x\quad x\in A\Rightarrow x\in B
$$
という論理式の書き換えです.

かつ・または・でない・ならば

$P, Q$ を論理式とします.$P\wedge Q$ は 「$P$ かつ $Q$」,$P\vee Q$ は 「$P$ または $Q$」 の意味です.すると
$$\begin{align}
A\cap B &= \{x\mid x\in A \wedge x\in B\}\\
A\cup B &= \{x\mid x\in A \vee x\in B\}
\end{align}$$
と表せるので,$\wedge$,$\vee$ がそれぞれ $\cap$,$\cup$ に対応します.

$\lnot P$ は $P$ を否定した命題で,「$P$ でない」の意味です(高校では $\overline{P}$ で表していました).$\lnot x = 1$ は 「$x$ は $1$ ではない」の意味ですが,しばしば $x \not= 1$ と表します.

これらの記号を用いると,ド・モルガンの法則は次のように書けます:
$$
\begin{align}
\lnot (P\wedge Q) \Leftrightarrow \lnot P \vee \lnot Q\\
\lnot (P\vee Q) \Leftrightarrow \lnot P \wedge \lnot Q\\
\end{align}
$$

$P \Rightarrow Q$ は「$P$ を仮定すれば $Q$ が結論できる」という意味ですから,これを否定すると,「$P$ を仮定しても $Q$ が結論できない」ということになります.これをそのままの意味で解釈すれば「$P$ なのに $Q$ でない」ということになり,論理記号で表せば
$$
P \wedge \lnot Q
$$
となります.これを否定したものが $P\Rightarrow Q$ ですから,それはド・モルガンの法則より
$$
\lnot P \vee Q
$$
と同値になります.

ところで,$P\wedge Q$,$P\vee Q$,$P\Rightarrow Q$ を英文に直すと,それぞれ "$P$ and $Q$","$P$ or $Q$","If $P$, then $Q$"となります.

全称記号

全称記号 $\forall$ はざっくりいえば「すべての・任意の」という意味ですが,"for all/any/arbitrary/every" いずれかを表す記号,と解釈すれば自然に意味のある文を与えることができます.個人的には直後に単数名詞が使える"for every"または"for arbitrary"を推したいです.この記事では,$\forall$ は"for every"を表す記号として統一しようと思います.例えば,
$$\begin{align}
\forall x\quad x\in\mathbf{R} \Rightarrow x^2\geqq0
\end{align}$$
は,"For every $x$, if $x$ belongs to $\mathbf{R}$, then $x^2\geqq 0$"という文になります.ちなみに "$x\geqq 0$" を文にすると $x$ is greater than or equals to $0$" となりますが,冗長なので数式のままで表すことにします.また,数学では,
$$
\forall x\quad x\in A \Rightarrow P(x)
$$
という形式の文は
$$
\forall x \in A\quad P(x)
$$
と略記することが普通です.すると,$\forall x\quad x\in\mathbf{R} \Rightarrow x^2\geqq0$ は
$$
\forall x\in \mathbf{R}\quad x^2\geqq 0
$$
と書き換えられます.このときの $\in$ は動詞 "belongs to" ではなく, 前置詞 "in" として訳します.すなわち,"For every $x$ in $\mathbf{R}$, $x^2\geqq 0$" です.更に,$\mathbf{R}$ の元は real number といいますから, "$x$ in $\mathbf{R}$" は "real number $x$" と訳すのが普通です.まとめると $\forall x\in \mathbf{R}\quad x^2\geqq 0$ は "For every real number $x$, $x^2\geqq 0$" と訳すのがよいでしょう.

存在記号

存在記号 $\exists$ についてです.$\exists x$ という記号で "there exists $x$ such that" の意味になります.例えば
$$
\exists x\quad x\in\mathbf{R} \wedge x^2=2
$$
は "There exists $x$ such that $x\in\mathbf{R}$ and $x^2=2$"という文を表します."$x$ such that S V..." という文で S V... のような(を満たすような)$x$ という意味になるので,直訳すれば「$x\in\mathbf{R}$ かつ $x^2=2$ となるような $x$ が存在する」となります.また,
$$
\exists x\quad x\in A \wedge P(x)
$$
という形式の文は
$$
\exists x\in A\quad P(x)
$$
と略記するのが普通です.よって,$\exists x\quad x\in\mathbf{R} \wedge x^2=2$ は
$$
\exists x\in\mathbf{R}\quad x^2=2
$$
と書き換えられます.この場合の訳は"There exists $x$ in $\mathbf{R}$ such that $x^2=2$",もしくは"There exists a real number $x$ such that $x^2=2$" です.

否定

「全員男だ」の否定は「全員女だ」ではなく,「少なくとも一人は男でない」です.言い換えれば,「男でない者が存在する」になります.この例から分かるように
$$
\forall x\quad P(x)
$$
の否定は
$$
\exists x\quad \lnot P(x)
$$
です.また,「男が存在する」の否定は「男が存在しない」ですから,言い換えれば「全員男でない」になります.よって
$$
\exists x\quad P(x)
$$
の否定は
$$
\forall x\quad \lnot P(x)
$$
です.さて
$$
\forall x\in A\quad P(x)
$$
の否定は
$$
\exists x\in A\quad\lnot P(x)
$$
になりますが,このことを確認してみましょう.$P\Rightarrow Q$ は $\lnot P \vee Q$ であることを思い出してください.
$$\begin{align}
&\forall x\in A\quad P(x)\\
\Leftrightarrow\ &\forall x\quad x\in A \Rightarrow P(x)\\
\Leftrightarrow\ &\forall x\quad x\notin A \vee P(x)
\end{align}$$
これを否定して
$$\begin{align}
&\lnot(\forall x\quad x\notin A \vee P(x))\\
\Leftrightarrow\ &\exists x\quad \lnot(x\notin A \vee P(x))\\
\Leftrightarrow\ &\exists x\quad x\in A \wedge \lnot P(x)\\
\Leftrightarrow\ &\exists x\in A \quad \lnot P(x)
\end{align}$$
で,確かに $\forall x\in A\ P(x)$ の否定は $\exists x\in A \ \lnot P(x)$ でした.同様にすれば
$$
\exists x\in A\quad P(x)
$$
の否定は
$$
\forall x\in A\quad\lnot P(x)
$$
となります.

論理式を使いこなそう

$A$ を空でない $\mathbf{R}$ の部分集合とします.「$A$ は最小値をもたない」を正しく説明できますか.これができれば論理を正しく理解できていると思います.

まず,$m\in A$ が $A$ の最小値であることの定義は,
$$
\forall a\in A\quad m \leqq a
$$
です.さて,「$A$ は最小値をもつ」を論理式で表すと
$$
\exists m\in A \quad \forall a\in A \quad m \leqq a
$$
になります.よって,「$A$ は最小値をもたない」は
$$\begin{align}
&\lnot(\exists m\in A \quad \forall a\in A \quad m \leqq a)\\
\Leftrightarrow\ &\forall m\in A \quad\lnot (\forall a\in A \quad m\leqq a)\\
\Leftrightarrow\ &\forall m\in A \quad \exists a\in A \quad \lnot m\leqq a\\
\Leftrightarrow\ &\forall m\in A \quad \exists a\in A \quad m>a
\end{align}$$
ですので,任意の $A$ の元 $m$ をとっても,それより大きい $A$ の元 $a$ が存在する,という意味になります.

最大,最小と似たような概念で,上に有界であるとか有界でないとかの議論をいずれおこないます.$\forall$ や $\exists$ の記号は収束の定義だけに使われているような印象をもっているかもしれませんが,数学の至る所で使われているのです.

正の無限大に発散するとは

いよいよ数列の極限について説明します.

十分大きい

$\sqrt{n}$ は $n$ より小さい数ですが,$n$ を十分大きくすれば,どんな数よりもやがては大きくなることでしょう.例えば $100$ 万すなわち $10^6$ はとても大きい数だと思いますが,$n$ が十分大きければ $\sqrt{n}$ は $10^6$ を超えます.より具体的にいえば $n > 10^{12}$ ならば
$$
\sqrt{n} > \sqrt{10^{12}} = 10^6
$$
ですから,確かに $\sqrt{n}$ は $10^6$ を超えます.

さて,「$n$ が十分大きいとき,$\sqrt{n}$ は $10^6$ より大きくなる」という表現をもう少し詳しくいえば,「ある自然数 $N$ が存在して $n>N$ ならば $\sqrt{n}>10^6$となる」ことです.つまり,「十分大きい $n$」という表現は「$n>N$ を満たす $n$」というふうに,妙な日本語を使わずに数式でうまく表現しているわけです.さて,このことを命題で表せば
$$
\exists N \in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n> N \Rightarrow \sqrt{n} > 10^6
$$
となります.今,とても大きい数の例として $10^6$ を挙げましたが,他の巨大な数,例えば $10^{100}$ などでも同様のことはいえます.すなわち,
$$
\exists N \in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n> N \Rightarrow \sqrt{n} > 10^{100}
$$
が成り立ちます(例えば $N=10^{200}$ とすれば成り立ちます).

$M$ を正の実数とする.
$$
\exists N\in\mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n>N \Rightarrow a_n > M
$$
となるとき,$n$ が十分大きいとき $a_n$ は $M$ を超える という.

正の無限大に発散することの定義

任意の正の実数 $M$ に対し,「$n$ が十分大きいとき $a_n$ は $M$ を超える」とき,数列 $(a_n)$ は正の無限大に発散するといいます.論理式では
$$
\forall M > 0\quad \exists N \in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n> N \Rightarrow a_n > M
$$
が成り立つことです.$(a_n)$ は正の無限大に発散することを
$$
\text{$n\to\infty$ のとき $a_n\to\infty$}
$$
または
$$
\lim_{n\to\infty} a_n = \infty
$$
と表します.同様にして,$(a_n)$ が負の無限大に発散することは
$$
\forall M < 0\quad \exists N \in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n> N \Rightarrow a_n < M
$$
と定義し,記号では
$$
\text{$n\to\infty$ のとき $a_n\to-\infty$}
$$
または
$$
\lim_{n\to\infty} a_n = -\infty
$$
と表します.

発散の性質

発散の定義を完璧に理解しようとするのも大事ですが,分かったつもりになって,極限に関する様々な性質を厳密に証明していくことも,理解を深めるための重要な勉強です.

無限大の正数倍

$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty$,$c>0$ のとき $\displaystyle\lim_{n\to\infty}c a_n=\infty$ である.

証明

任意に正の実数 $M$ をとります.$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty$ より,ある$N\in\mathbf{N}$ が存在して,任意の $n\in\mathbf{N}$ に対し,
$$
n>N \Rightarrow a_n > M/c
$$
となります.このとき,$c>0$ より $n>N$ ならば
$$
a_n > M/c\ \Leftrightarrow\ c a_n > M
$$
が成り立ちます.一連の流れをふりかえると,任意の正の実数 $M$ に対して $n > N$ となる任意の $n\in\mathbf{N}$ に対して $ca_n>M$ となることがわかりました.すなわち
$$
\forall M >0 \quad \exists N\in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n>N\Rightarrow c a_n > M
$$
が証明できたのです.すなわち,$\displaystyle\lim_{n\to\infty}c a_n=\infty$ が示せました.$\blacksquare$


この手の証明に慣れることは微分積分入門の第一歩です.まず最初に正の実数 $M$ を任意にとっています.そして, $\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=\infty$ であることより,任意の正の実数 $\square$ に対して
$$
\exists N \in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n> N \Rightarrow a_n > \square
$$
が成り立つので,この $\square$ に正の実数 $M/c$ を当てはめているわけです.

無限大の和

$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty$,$\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=\infty$ のとき $\displaystyle\lim_{n\to\infty}(a_n+b_n)=\infty$ である.

証明

任意に正の実数 $M$ をとります.$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty$,$\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=\infty$ より,ある $N_1, N_2\in\mathbf{N}$ が存在して 任意の $n\in\mathbf{N}$ に対して
$$\begin{align}
n > N_1 \Rightarrow a_n > M\\
n > N_2 \Rightarrow b_n > M\\
\end{align}$$
となります.ここで $N = \max\{N_1, N_2\}$ とすれば,$n > N$ ならば,$n>N_1$ かつ $n>N_2$ が成り立っていることになるので,
$$\begin{align}
a_n &> M\\
b_n&> M
\end{align}$$
が成り立ちます.この2つの不等式の辺々を足すと
$$
a_n + b_n > 2M > M
$$
となります.一連の流れをふりかえると,任意にとった正の実数 $M$ に対して $n > N$ ならば $a_n + b_n > M$ となることが分かりました.すなわち
$$
\forall M > 0\quad \exists N\in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n>N\Rightarrow a_n + b_n > M
$$
が証明できたのです.すなわち,$\displaystyle\lim_{n\to\infty}(a_n+b_n)=\infty$ が示せました.$\blacksquare$

無限大の積

$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty$,$\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=\infty$ のとき $\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_nb_n=\infty$ である.

証明

練習問題とします.

無限大のベキ乗

$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty$,$m$ を正の整数とするとき, $\displaystyle\lim_{n\to\infty} {a_n}^m=\infty$ である.

証明

$m$ についての帰納法で示します. $m=1$ のときは条件より成り立ちます.$m-1$ のとき成り立つ,すなわち $\displaystyle\lim_{n\to\infty} {a_n}^{m-1}=\infty$ を仮定すると,無限大の積は無限大 より
$$
\lim_{n\to\infty} {a_n}^m = \lim_{n\to\infty} {a_n}^{m-1} a_n = \infty
$$
が成り立ちます.よって $m$ のときも成り立ったので,題意は示せました.$\blacksquare$


追い出しの原理

$n$ が十分大きいとき,$a_n\leqq b_n$ とする.すなわち,ある $N_0\in\mathbf{N}$ が存在して $n > N_0$ ならば $a_{n} < b_{n}$ が成り立つとする.このとき,$\displaystyle \lim_{n\to\infty} a_n = \infty$ ならば $\displaystyle\lim_{n\to\infty} b_n = \infty$ が成り立つ.

証明

任意に正の実数 $M$ をとります.$\displaystyle \lim_{n\to\infty} a_n = \infty$ より,ある $N_1\in\mathbf{N}$ が存在して,任意の $n\in\mathbf{N}$ に対し,
$$
n>N_1 \Rightarrow a_n > M
$$
が成り立ちます.ここで,$N=\max\{N_0, N_1\}$ とすれば,$n>N$ ならば,$n>N_0$ かつ $n>N_1$ が成り立つことになるので,
$$
a_n \leqq b_n,\quad a_n > M
$$
が成り立ちます.よって,$b_n>M$ となります.一連の流れをふりかえると,任意にとった正の実数 $M$ に対して,$n>N$ ならば $b_n > M$ となることが分かりました.すなわち
$$
\forall M >0 \quad \exists N\in \mathbf{N}\quad \forall n\in\mathbf{N}\quad n>N\Rightarrow b_n > M
$$
が証明できたのです.すなわち,$\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=\infty$ が示せました.$\blacksquare$

追い出しの原理はおそらく受験用語だと思います.


その他の性質

$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty$,$c<0$ のとき $\displaystyle\lim_{n\to\infty} -c a_n = -\infty$ である.

$\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=-\infty$,$\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=-\infty$ のとき $\displaystyle\lim_{n\to\infty} (a_n+b_n) =-\infty$,$\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n b_n = \infty$ である.

など.証明は練習問題とします.

次回

次回は数列の収束についてやります.

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