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気象災害解析に活用したいデータまとめ

はじめに

Qiitaのトレンドにおいて、しばしば気象データや河川水位データの解析を行う記事が登場することを受け、気象災害関連でデータ解析の経験がある筆者が本記事を書くに至りました。
技術的なこととして、webスクレイピングや極値解析などは多くの記事がすでに存在しています。それよりは、関連するデータそのものが非常に多様で、その理解に苦しめられた経験のほうが強く残っています。
こうした背景から、今回は技術的な話は抜きにして、有用なデータのありかをまとめようと思いました。
また、すでに開発されている有用な情報源についても紹介したいと思い、そちらは「一般の方々向け」という形で紹介しようと思いました。
ほかに有用なサイト等ご存じの方がいれば、共有いただければと思います。

各サイトのデータ利用に関する規約等については、本記事では一切触れません。自己責任でお願いいたします。

一般の方々向け

専門知識を必要としない、気象災害関連で有用な情報をまとめました。

ハザードマップ

実は、今ではインターネット上でカッコよくハザードマップが見れるサイトができています。大まかに自分の住んでいる地域での自然災害の発生しやすさがわかります。

  • 重ねるハザードマップリンク

ただし、ここで示されているマップは広域用であり、自治体のホームページで見られるより詳細なハザードマップについて確認したほうがベターです。

災害にも種類があるので、ハザードマップもそれらごとに存在します。
一つ一つ目を通す労力を「重ねる」ハザードマップの形で解決した上記サイトは非常に素晴らしいです。

ニュース速報

多くの情報がインターネット上にあふれる中で、信頼できてかつ有用な情報源の一つは、NHKが巨大災害のたびに開設する特設サイトです。

  • NHKによる令和元年台風19号発生時の特設サイト(例:リンク

また、気象情報についてはウェザーニュース社によるライブ配信もおすすめです。

  • ウェザーニュース - YouTubeリンク

気象データ

天気予報や台風災害発生時の進路予測の情報などは、様々なメディアから容易に得られるかと思うので、それ以外で一度はチェックしてほしいデータを紹介いたします。

  • 大雨警報(浸水害)の危険度分布リンク

  • 大雨警報(土砂災害)の危険度分布リンク

データ解析やシミュレーション予測に基づく、その時点での危険度分布を地図上に描画したものです。
普段は全く危険な地域がない表示だと思います。

災害時のマップの様子がわかるように、令和元年台風19号の時のマップが公開されています。

  • 令和元年台風19号発生時の大雨警報(土砂災害)の危険度分布リンク

データの精度についてはいろいろな議論がありますが、避難情報を出す自治体も参照するほどには広く使われ始めている情報です。

河川データ

河川洪水についても、先に述べたのと同様の危険度分布があります。

  • 洪水警報の危険度分布リンク

それよりも地域の河川水位(実測値)が知りたいという方は、Yahoo!が公開しているサイトが非常に見やすくておすすめです。

  • 河川水位情報 - Yahoo!天気・災害リンク

停電情報

電力会社によって管轄が分かれているため、停電情報はその会社ごとで取得します。

東京電力については、災害情報と組み合わせたアプリも作られているようです。

公的機関からの情報

警報・避難の情報を最も素早く確実に手に入れる方法は、なによりも住んでいる地域の防災メールを登録しておくことです。

普段不要なメール(人によるが、例えば地域犯罪のメールとか)が多すぎて思わず削除してしまう、ということにならないように、フィルター機能などを活かし、災害時には確実に自治体からの情報を獲得できるようにすべきです。

災害時には、防災行政無線による地域放送や電子機器への通知も用意されています。しかし、200人以上の死者を出した平成30年7月豪雨の際には、「警報サイレンの音も豪雨のせいで聞こえなかった」という声もありました。自治体の情報を受け取る手段は大いに越したことはありません。

SNS・スマートフォンアプリ

天気予報や雨雲レーダの情報をスマートフォンアプリで獲得しているという人も増えてきました。防災関連、もしくは災害発生時の情報源となるアプリも開発されています。

このうち、東京都防災アプリは、他地域に住んでいる人にもおすすめのアプリです。アプリの半分はいわゆる防災マニュアルであり、ゲームのような形で親しみやすく、非常によくつくられています。

また、TwitterなどのSNSを活用した情報収集も今では有用だと思います。
公的機関からの災害情報提供元の代表例は、首相官邸です。

リンクからわかる通り、警報情報や氾濫情報が送信されていることがわかります。その他、retweetにて他の有用な情報も送られてきます。ただし、広い情報が主なので、詳細な避難所開設状況などを参照したい場合は該当地域のウェブサイトなどを参照すべきです。

もうひとつ、河川災害の代表的な研究者として、牛山教授のアカウントをご紹介します。

専門家の視点で災害情報の解説や、過去の災害解析研究に基づく有用な情報を提供されています。

技術者向け

webスクレイピングや可視化などに使えるデータをまとめました。特に過去のデータだと有料で提供されているデータもありますが、本記事では無料で取得が可能な(webスクレイピングが可能な)データをご紹介します。

避難所・ハザードマップ等データ

公的機関で作成される諸データを探すときは、まずは国土数値情報を確認します。

  • 国土数値情報ダウンロードサービスリンク

<災害・防災>欄の土砂災害危険箇所や浸水想定区域などがハザードマップに該当します。

気象データ

過去の気象データは気象庁が無償で公開しています。小中学生にとっては自由研究のいい題材です。

  • 過去の気象データ検索リンク

河川データ

大きく2つあります。2020年3月時点ではふたつの違いはとても分かりにくいです。川の防災情報のほうが近年積極的に開発されているようなので、いつかは水文水質データベースの機能も委嘱されるかもしれません。

時間・空間

データを取得するタイムステップや、観測所数、位置情報については下表のとおりです。
川の防災情報のほうが観測所数は多いですが、データの質は水文水質データベースにあるもののほうが良いという感じです。緯度経度情報は基本的に正確に座標をマップに乗せることが可能ですが、位置情報が住所のみだと、Google Map APIなどの力を借りて緯度経度情報への変換が必要となります。

10分毎 1時間ごと 水位観測所 雨量観測所 ダム観測所 緯度経度
水文水質 1週間 長期間 約2100 約2800 約130
川の防災 その日のみ 1週間 約6700 約9800 約590 雨量のみ〇

河川

水文水質データベースは、水位に基づき計算される流量のデータも(観測から数か月が経過してのち)取得が可能です。

水位 流量
水文水質 〇(1時間)
川の防災 ×

ダム

取得変数に違いがあり、貯水位は川の防災情報のほうにのみあります。

流域平均雨量 貯水量 流入量 放流量 貯水率 貯水位
水文水質
川の防災

警報・避難命令

国立情報学研究所の北本朝展氏によるリアルタイム更新データベースが公開されています。

  • 特別警報・警報・注意報データベースリンク
  • 土砂災害警戒情報データベースリンク
  • 指定河川洪水予報データベースリンク

避難命令や避難所開設状況の具体的なものについては、総合的に収集するサイトはないと思います。リアルタイムでは自治体ホームページ上でも情報提供がなされているかもしれませんが、過去の状況については公開データは少ないです。

公的機関による速報

災害発生時は、それぞれの公的機関が速報を出します。
令和元年台風19号での情報ソースは内閣府によってまとめられています。

  • 関係省庁の令和元年台風第19号関連情報等リンク

・・・・・・多すぎる。ちょっとすべてに目を通す気にはなれません。

この中で、気象災害関連では、国土交通省の報告書を参照することが主です。

SNS

多くの公的機関や自治体はTwitterのアカウントを持っています(例:@Kantei_Saigai@JMA_bousai@FDMA_JAPAN@CAO_BOUSAI@MLIT_JAPAN@meti_NIPPON)。

試しに令和元年台風19号(10月11-14日ごろ発生)でのtweetを確認してみましょう。
例えば、経済産業省のアカウントでは停電情報が提供されました→高度な検索結果

検索欄のアカウント名の部分("(from:meti_NIPPON)")を別のアカウントにすれば、そのアカウントが災害当時にどのようなtweetをしていたのかがわかります(retweetは含まれないので注意)。

いくつかのアカウントについて調べるとわかりますが、公的機関による配信は、速報値や資料のアップロードを知らせるだけのものも多く、それら資料を平易な日本語で新聞社やニュース社が配信しているということがわかります。このあたりの時系列を追いかけてみると、当時の状況が何となくわかってくると思います。

その他、災害時のタイムラインでキーワード検索をかけるなどして、一般アカウントのtweetや投稿された動画や画像を解析する研究が行われるようになってきています。

過去の災害の資料

ここでは、令和元年台風19号を題材にまとめます。

災害実績データ(氾濫域、土砂災害発生箇所)

大きな災害が発生した際は、国土地理院によって特設サイトがつくられ、現地観測等に基づく被害状況が、地図上に表示可能なデータとして提供されます。

  • 令和元年(2019年)台風19号に関する情報 | 国土地理院リンク

各種統計・報告書

災害発生後には、様々な委員会や機関が報告書を作成します。これについてはあまりにもいろいろあり、まとめるのは非常に困難です。どのような原因でどの世代の方々がどれほど被害を受けたのか、自治体はどのように動いていたのか、治水(ダム)操作は正しかったのか、天気予報はどれくらい正確だったのか、などなど。短期間の間に膨大なデータから様々な解析を行った分厚い報告書が作成されます。

例えば、災害について死者数等の数字が知りたいと思って、画像検索をして出てきた図が、どの報告書において(特に、いつ)作成されたかを知ることは大変重要です。

「多様なデータがある」難しさ

上記まででわかる通り、気象災害に関連して本当にいろいろなデータがインターネット上にあふれかえるようになりました。ひと昔前よりも利用可能なデータが増えたことは大いに喜ぶべきことです。しかしながら、喫緊の課題として、それらをどう生かしていくかが問われています。

それぞれのデータは不確かさを持ち、また、リアルタイムで時間とともに価値を失っていきます。単独のデータに頼ることや、ある時刻に得られたデータを信じ続けて更新をやめることは避けるべきでしょう。

200人以上の死者を出した平成30年7月豪雨の際に、内閣府によって作成された、災害からの非難に関する報告書(リンク)では、「(住民)「自らの命は自らが守る」意識を持つ」「(行政)住民が適切な避難行動をとれるよう全力で支援する」と明記されています。その結果、多様なデータを見やすく可視化(マップ化・アプリ化)する努力が重ねられています。

技術者・開発者視点に立つと、まず、災害時にどのようなデータが利用可能でありそこからどのデータを組み合わせどのようなメッセージで伝えるかを意識した開発が推奨されます。

読者のみなさまには、本記事で掲載した各リンクを一度訪ねて、データの活かし方について考えるきっかけとしていただければと思います。

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