参考元
Abstract
空力自動車設計のための最大かつ最も包括的なマルチモーダルデータセットであるDrivAerNet++を紹介。DrivAerNet++は、8,000種類の多様な自動車デザインを、高精度な計算流体力学(CFD)シミュレーションでモデル化。このデータセットには、ファストバック、ノッチバック、エステートバックなどの異なる車体形状や、内燃機関および電気自動車の両方を表現するための異なるアンダーボディおよびホイールデザインが含まれる。データセットの各エントリには、詳細な3Dメッシュ、パラメトリックモデル、空力係数、広範な流れおよび表面フィールドデータ、さらに車の分類およびポイントクラウドデータのためのセグメント化された部品が含まれる。
Introduction
DrivAerNet++のデータセットは、8,000台分の26-50個のparameteric, Point clouds, 3D mesh, Volumetric Field, Surface Field, Streamlines, Part Annotationのデータで構成されている。これらすべては、ベース形状としてファストバック、ノッチバック、エステートバックの3種類からのモーフィングで構成。DrivAerNet (DrivAerNet++の前のデータセット)ではファストバックのみであった。
Related work
同じようにデータセットを公開しているが、DrivAerNet++は他のどれよりも質と量で共に充実。
Dataset Preparation
パラメモデルのベース形状として、Fastback、NorchbackとEstatebackを準備。さらに、アンダーボデーはSmoothとDetailedを準備、これはEVとGas車両を想定。ホイールはClosedとOpen。タイヤはDetailedとSmooth。
parametric modelには図の26個のパラメを定義。
データセットのサンプリング結果。効率的に異なる形状を作成するために、26個のパラメータのDOEをOptimal Latin Hypercube Sampling (OLHS)を用いてサンプリング。具体的には、Enhanced Stochastic Evolutionary Algorithmを使用した。
Surrogate modeling of the aerodynamic drag
作成したデータセットの使用例として、Cd値予測サロゲートモデルを二つ開発。一つ目は、3D meshをインプットにしてCd値を予測するモデル。二つ目は、パラメータをインプットにしてCd値予測するモデル。
Aerodynamic drag prediction from 3D meshes using geometric deep learning
FastbackのデータのみのDrivAerNetを用いて、3D meshからCd値予測モデルを作成した結果。Fastbackのみの為、Cd値の予測範囲も小さく、R2値で0.9をマーク。
DrivAerNetのデータを使って作成した予測モデルを使用して、DrivAerNet++のデータセットで訓練と予測した結果。最高でもR2値0.64と、Fastbackのみの時よりも低下。Cd値の予測範囲が増えているのでR2値が低下したことは納得だが、0.64が最大。
Aerodynamic drag prediction from tabular parametric data
パラメのみでサロゲートモデルを作成した結果。DriVerNet(Fastbackのみ)のデータセットでは、最高R2値0.84だが、DrivAerNet++では最高R2値0.60。X軸は、訓練データの割合20%~100%まで変化させてR2値の中央値と95%信頼区間を可視化した様子。
Limitations and future work
DrivAerNet++データセットは8,000の自動車デザインを含み、多くの従来の自動車デザインをカバーしていますが、シミュレーションの忠実度は業界標準よりやや低いです。今後の研究では、時間依存性の流れをよりよく捉えるためにハイブリッドRANS-LES法の導入が推奨されます。また、より高度なサロゲートモデル(代理モデル)をテストする必要があり、DrivAerNet++を他のタスクに活用することでより包括的なアプローチが必要です。データセットを強化するために、今後は瞬時CFDシミュレーションや2D画像レンダリング、多モーダル学習アプローチの統合に焦点を当てる予定です。