はじめに
Javaの案件の面談でよくラムダ式、Stream APIについて知見があるか質問されるのでまとめました。
ラムダ式、StreamAPIのメリット
ラムダ式のメリット:
- 可読性の向上
- 簡潔な構文
- 無名の関数を作成
Stream APIのメリット:
- 可読性の向上
- 並列処理によるパフォーマンスの改善
ラムダ式
Java 8以降で導入された機能です。
主に関数型インターフェースの実装を簡潔に書くために使用されます。
関数型インターフェースとは、抽象メソッドが1つだけ定義されているインターフェースのことを指します。
抽象メソッドとは、詳細未定(中身が無い)のメソッドのことを指します。
構文
(引数) -> {処理内容};
- 引数の型を記述する必要はありません
- 引数は複数可能です
- 引数が1つの場合は()を省略できます
サンプルコード
// 関数型インターフェース
public interface SampleInterface {
// 抽象メソッド
public String method(String name, int age);
}
public class Main {
public static void main(String[] args) {
// ラムダ式の場合
SampleInterface lambda = (name, age) -> {
return "ラムダ式:" + "名前は" + name + " " + "年齢は" + age + "歳";
};
System.out.println(lambda.method("太郎", 20));
// ラムダ式を使用しない場合(匿名クラス)
SampleInterface anonymousClasses = new SampleInterface() {
// オーバーライド
public String method(String name, int n) {
return "匿名クラス:" + "名前は" + name + " " + "年齢は" + age + "歳";
}
};
System.out.println(anonymousClasses.method("太郎", 20));
}
}
Stream API
Java 8以降で導入された機能です。
コレクション(例: List, Map, Set)のデータ処理を効率的かつ簡潔に書くために使用されます。
for文、if文を使わず絞り込み、並び替えを行うことができます。
構文
オブジェクト名.stream().中間操作(引数) -> 処理内容).終端操作(処理内容);
- メソッドの引数にはラムダ式の記述様式を使用します
基本的な構文と代表的な機能
1.Streamの生成:
コレクションからStreamオブジェクトを作成できます。例えば、List の要素から stream() メソッドを呼び出すことで、整数のストリームを取得できます。
2.中間操作 (Intermediate Operations)
中間操作は、Streamを変換する操作です。主な中間操作には以下があります:
- filter: 条件に一致する要素を抽出
- map: 要素を別の型に変換
- flatMap: 要素を別のStreamに変換し、それらのStreamを結合
3.終端操作 (Terminal Operations):
終端操作は、Streamから結果を生成する操作です。主な終端操作には以下があります:
- forEach: 各要素に対してアクションを実行
- collect: 要素をコレクションに収集
- reduce: 要素を結合して単一の結果を生成
- sum(): 数値要素の合計を求める
- count(): 要素の数をカウント
4.遅延評価 (Lazy Evaluation):
Streamは遅延評価され、中間操作は終端操作が実行されるまで適用されません。これにより、効率的なデータ処理が可能です。
5.並列処理のサポート:
Stream APIは内部的に並列処理をサポートしており、マルチコアプロセッサーの恩恵を受けることができます。
サンプルコード
import java.util.Arrays;
import java.util.List;
import java.util.stream.Collectors;
public class StreamExample {
public static void main(String[] args) {
List<Integer> numbers = Arrays.asList(1, 2, 3, 4, 5);
// 中間操作と終端操作を組み合わせて処理
List<Integer> evenNumbers = numbers.stream()
.filter(n -> n % 2 == 0)
.collect(Collectors.toList());
System.out.println(evenNumbers); // 出力: [2, 4]
// 数値要素の合計を求める
int sum = numbers.stream()
.filter(n -> n % 2 == 0)
.mapToInt(n -> n * 2)
.sum();
System.out.println("合計: " + sum); // 出力: 12
}
}
まとめ
ラムダ式は関数型インターフェースの実装を簡潔に書く記述方法です。
Stream APIはコレクション(例: List, Map, Set)のデータをfor文、if文を使わず絞り込んだり、並び替えることができるAPIです。
参考記事