1. はじめに

Db2ではパーティション表を使用することで、
ひとつの表を複数の区分に分割して、大規模な表の管理を容易にしたり、表データをロールイン・ロールアウトしたり、照会処理を効率化することができます。

パーティション表の作成方法については、以下リンク先の記事をご参照ください。

・Qiita：【備忘録】Db2 パーティション表作成手順まとめ
https://qiita.com/Haruka-Ogawa/items/b605021f01b8edb75e83

パーティション表の表データのロールイン・ロールアウトは、
デタッチ・アタッチ 操作で行います。
今回は Db2 パーティション表における デタッチ・アタッチ 操作方法についてまとめます。

2. 準備

パーティション表のデタッチ・アタッチ操作をするにあたって、
Db2環境と必要なデータベース・オブジェクトを準備します。

2-1. Db2環境準備

Db2環境を準備します。
バージョンは v11.5 を使用します。
 Db2の導入方法については、以下リンク先の記事に記載しています。

・Qiita: 【備忘録】Db2 インストール手順まとめ（Linux）
 https://qiita.com/Haruka-Ogawa/items/9576399209b32f3016ea

・Qiita: 【備忘録】Docker版 Db2環境取得手順 
https://qiita.com/Haruka-Ogawa/items/0a4696ded4fa40e5e983

ここでは Dockerで用意したDb2環境を使用します。

2-2. オブジェクト作成

必要なデータベースオブジェクトを作成します。

① データベース作成

データベース SAMPDB を作成します。
実行例は以下の通りです。

$ db2 create db SAMPDB
DB20000I  The CREATE DATABASE command completed successfully.

② 表スペース作成

まずは作成したデータベース SAMPDB に接続します。
実行例は以下の通りです。

$ db2 connect to SAMPDB

   Database Connection Information

 Database server        = DB2/LINUXX8664 11.5.5.0
 SQL authorization ID   = DB2INST1
 Local database alias   = SAMPDB

表スペース TS1, TS2, TS3, TS4 作成します。
実行例は以下の通りです。

$ db2 "CREATE TABLESPACE TS1"
DB20000I  The SQL command completed successfully.
$ db2 "CREATE TABLESPACE TS2"
DB20000I  The SQL command completed successfully.
$ db2 "CREATE TABLESPACE TS3"
DB20000I  The SQL command completed successfully.
$ db2 "CREATE TABLESPACE TS4"
DB20000I  The SQL command completed successfully.

・IBM Docs：CREATE TABLESPACE ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-create-tablespace

3. デタッチ

3-1. 概要

パーティション表では、
デタッチによって、データが古くなったなどで不要になったパーティションを指定して、高速に切り離すことができます。

次項3-2 では、
DATE型の列 COL2をパーティション・キーとして 2020-01-01~2020-12-31 の1年間を 3ヶ月ごとに分割し、
4つのパーティションを持つパーティション表 TBL1 から、
2020-01-01~2020-03-31 を含むパーティション（PART0）をデタッチしてみます。

図に示すと、以下の通りになります。

・IBM Docs：データ・パーティションのデタッチ
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=ranges-detaching-data-partitions

3-2. 操作

① パーティション表準備

CREATE TABLEコマンドで、パーティション表 TBL1 を作成します。

コマンドは以下の通りです。

CREATE TABLE TBL1(COL1 INT, COL2 DATE) 
  IN TS1, TS2, TS3, TS4
  PARTITION BY RANGE(COL2)
  ( STARTING '2020-01-01'
    ENDING '2020-03-31',
    ENDING '2020-06-30',
    ENDING '2020-09-30',
    ENDING '2020-12-31'
  )

実行例は以下の通りです。

$ db2 "
> CREATE TABLE TBL1(COL1 INT, COL2 DATE) 
>   IN TS1, TS2, TS3, TS4
>   PARTITION BY RANGE(COL2)
>   ( STARTING '2020-01-01'
>     ENDING '2020-03-31',
>     ENDING '2020-06-30',
>     ENDING '2020-09-30',
>     ENDING '2020-12-31'
>   )
> "
DB20000I  The SQL command completed successfully.

・IBM Docs：CREATE TABLE ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-create-table

また、INSERTコマンドで値 (1,’2020-01-01’),(2,’2020-04-01’),(3,’2020-07-01’),(4,’2020-10-01’)を挿入します。

コマンドは以下の通りです。

INSERT INTO TBL1 VALUES(1,'2020-01-01'),(2,'2020-04-01'),(3,'2020-07-01'),(4,'2020-10-01')

実行例は以下の通りです。

$ db2 "INSERT INTO TBL1 VALUES(1,'2020-01-01'),(2,'2020-04-01'),(3,'2020-07-01'),(4,'2020-10-01')"
DB20000I  The SQL command completed successfully.

・IBM Docs：INSERT ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-insert

パーティション表TBL1の中身を確認すると、
値 (1,’2020-01-01’),(2,’2020-04-01’),(3,’2020-07-01’),(4,’2020-10-01’) が挿入されたことがわかります。

$ db2 "SELECT * FROM TBL1"

COL1        COL2      
----------- ----------
          1 01/01/2020
          2 04/01/2020
          3 07/01/2020
          4 10/01/2020

  4 record(s) selected.

② デタッチするパーティション確認

DESCRIBE コマンドで、デタッチするパーティションを確認します。

コマンドは以下の通りです。

DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

実行例は以下の通りです。

$ db2 DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

PartitionId PartitionName                   TableSpId   PartObjId   IndexTblSpId LongTblSpId AccessMode
                                                                                               Status
----------- ------------------------------- ----------- ----------- ------------ ----------- - ------
          0 PART0                                     3           4            3           3 F                                 
          1 PART1                                     4           4            4           4 F                                 
          2 PART2                                     5           4            5           5 F                                 
          3 PART3                                     6           4            6           6 F                                 

  4 record(s) selected.


PartitionId Inclusive (y/n)                   Inclusive (y/n)
              Low Value                         High Value
----------- - ------------------------------- - -------------------------------
          0 Y '2020-01-01'                    Y '2020-03-31'                   
          1 N '2020-03-31'                    Y '2020-06-30'                   
          2 N '2020-06-30'                    Y '2020-09-30'                   
          3 N '2020-09-30'                    Y '2020-12-31'                   

  4 record(s) selected.

今回はパーティション表 TBL1のパーティションPART0 をデタッチします。

・IBM Docs：DESCRIBE コマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=commands-describe

③ デタッチ

ALTER TABLEコマンドで、
パーティション表TBL1のパーティションPART0 をデタッチします。
またデタッチしたパーティションの宛先として、テーブルTBL1_EXを作成します。

コマンドは以下の通りです。

ALTER TABLE TBL1 DETACH PARTITION PART0 INTO TBL1_EX

実行例は以下の通りです。

$ db2 "ALTER TABLE TBL1 DETACH PARTITION PART0 INTO TBL1_EX"
DB20000I  The SQL command completed successfully.

・IBM Docs：ALTER TABLE ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-alter-table

④ 確認

テーブル一覧を確認すると、テーブルTBL1_EXが作成されていることがわかります。

$ db2 list tables

Table/View                      Schema          Type  Creation time             
------------------------------- --------------- ----- --------------------------
TBL1                            DB2INST1        T     2021-04-15-09.22.02.437327
TBL1_EX                         DB2INST1        T     2021-04-15-09.56.52.955792

  2 record(s) selected.

デタッチした表(TBL1)

DESCRIBE コマンドで、デタッチした後のパーティション表 TBL1 を確認します。

コマンドは以下の通りです。

DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

実行例は以下の通りです。

$ db2 DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

PartitionId PartitionName                   TableSpId   PartObjId   IndexTblSpId LongTblSpId AccessMode
                                                                                               Status
----------- ------------------------------- ----------- ----------- ------------ ----------- - ------
          1 PART1                                     4           4            4           4 F                                 
          2 PART2                                     5           4            5           5 F                                 
          3 PART3                                     6           4            6           6 F                                 

  3 record(s) selected.


PartitionId Inclusive (y/n)                   Inclusive (y/n)
              Low Value                         High Value
----------- - ------------------------------- - -------------------------------
          1 N '2020-03-31'                    Y '2020-06-30'                   
          2 N '2020-06-30'                    Y '2020-09-30'                   
          3 N '2020-09-30'                    Y '2020-12-31'                   

  3 record(s) selected.

デタッチされたことによって、
パーティション PART0 が表示されていません。

また、AccessMode Statusが、'F' であることから、パーティション表TBL1へのパーティションにフル・アクセス可能であることがわかります。

・IBM Docs：DESCRIBE コマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=commands-describe

パーティション表TBL1 の中身を確認します。

$ db2 "SELECT * FROM TBL1"

COL1        COL2      
----------- ----------
          2 04/01/2020
          3 07/01/2020
          4 10/01/2020

  3 record(s) selected.

値(1, ’01/01/2020’)がなく、
2020-01-01~2020-03-31 を含むパーティション（PART0）がデタッチされたことがわかります。

ターゲット表（TBL1_EX)

DESCRIBE コマンドで、デタッチ時作成したターゲット表 TBL1_EX を確認します。

$ db2 "SELECT * FROM TBL1_EX"

COL1        COL2      
----------- ----------
          1 01/01/2020

  1 record(s) selected.

パーティション表 TBL1 のパーティション PART0 が、
テーブル TBL1_EX へデタッチされたことがわかりました。

4. アタッチ

4-1. 概要

パーティション表では、
アタッチ操作によって、新しいパーティションをテーブルに高速に取り付けることができます。

次項目4-2では、
DATE型の列 COL2をパーティション・キーとして 2020-01-01~2020-12-31 の1年間を 3ヶ月ごとに分割し、
4つのパーティションを持つパーティション表 TBL1 に、
2021-01-01~2021-03-31 を含む新規パーティションをアタッチしてみます。

図に示すと、以下の通りになります。

・IBM Docs：データ・パーティションのアタッチ
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=ranges-attaching-data-partitions

4-2. 操作

① パーティション表準備

CREATE TABLEコマンドで、パーティション表 TBL1 を作成します。

コマンドは以下の通りです。

CREATE TABLE TBL1(COL1 INT, COL2 DATE) 
  IN TS1, TS2, TS3, TS4
  PARTITION BY RANGE(COL2)
  ( STARTING '2020-01-01'
    ENDING '2020-03-31',
    ENDING '2020-06-30',
    ENDING '2020-09-30',
    ENDING '2020-12-31'
  )

実行例は以下の通りです。

$ db2 "
> CREATE TABLE TBL1(COL1 INT, COL2 DATE) 
>   IN TS1, TS2, TS3, TS4
>   PARTITION BY RANGE(COL2)
>   ( STARTING '2020-01-01'
>     ENDING '2020-03-31',
>     ENDING '2020-06-30',
>     ENDING '2020-09-30',
>     ENDING '2020-12-31'
>   )
> "
DB20000I  The SQL command completed successfully.

・IBM Docs：CREATE TABLE ステートメント 
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-create-table

また、INSERTコマンドで値 (1,’2020-01-01’),(2,’2020-04-01’),(3,’2020-07-01’),(4,’2020-10-01’)を挿入します。

コマンドは以下の通りです。

INSERT INTO TBL1 VALUES(1,'2020-01-01'),(2,'2020-04-01'),(3,'2020-07-01'),(4,'2020-10-01')

実行例は以下の通りです。

$ db2 "INSERT INTO TBL1 VALUES(1,'2020-01-01'),(2,'2020-04-01'),(3,'2020-07-01'),(4,'2020-10-01')"
DB20000I  The SQL command completed successfully.

・IBM Docs：INSERT ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-insert

パーティション表TBL1の中身を確認すると、
値 (1,’2020-01-01’),(2,’2020-04-01’),(3,’2020-07-01’),(4,’2020-10-01’) が挿入されたことがわかります。

$ db2 "SELECT * FROM TBL1"

COL1        COL2      
----------- ----------
          1 01/01/2020
          2 04/01/2020
          3 07/01/2020
          4 10/01/2020

  4 record(s) selected.

② アタッチする表準備

CREATE TABLEコマンドで、アタッチするテーブルTBL1_NEWを作成します。
また、INSERTコマンドで作成した表TBL1_NEWにデータ(1, '2021-01-01’)を挿入します。

コマンドは以下の通りです。

CREATE TABLE TBL1_NEW(COL1 INT, COL2 DATE) IN TS5
INSERT INTO TBL1_NEW VALUES(1, '2021-01-01')

実行例は以下の通りです。

$ db2 "CREATE TABLE TBL1_NEW(COL1 INT, COL2 DATE) IN TS5"
DB20000I  The SQL command completed successfully.

$ db2 "INSERT INTO TBL1_NEW VALUES(5, '2021-01-01')"
DB20000I  The SQL command completed successfully.

作成したテーブルTBL1_NEWの中身を確認すると、以下の通りです。

$ db2 "SELECT * FROM TBL1_NEW"

COL1        COL2      
----------- ----------
          5 01/01/2021

  1 record(s) selected.

・IBM Docs：CREATE TABLE ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-create-table

・IBM Docs：INSERT ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-insert

③ アタッチ

ALTER TABLEコマンドで、
パーティション表TBL1に表TBL1_NEW をアタッチします。
またアタッチしたパーティションの範囲（開始値・終了値)を、’2021-01-01’~*’2021-03-31’*に設定します。

コマンドは以下の通りです。

ALTER TABLE TBL1 ATTACH PARTITION STARTING ('2021-01-01') ENDING('2021-03-31') FROM TBL1_NEW

実行例は以下の通りです。

$ db2 "ALTER TABLE TBL1 ATTACH PARTITION STARTING ('2021-01-01') ENDING('2021-03-31') FROM TBL1_NEW"
SQL3601W  The statement caused one or more tables to automatically be placed 
in the Set Integrity Pending state.  SQLSTATE=01586

SQLメッセージ SQL3601W が返されており、
アタッチによって、テーブルが SET INTEGRITY ペンディング状態になったことがわかります。

ペンディングを解除するために、この後 SET INTEGRITY コマンドを実行します。

・IBM Docs：ALTER TABLE ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-alter-table

・IBM Docs：SQL3500 - SQL3749
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=SSEPGG_11.5.0/com.ibm.db2.luw.messages.sql.doc/sql3500-sql3749.html#sql3601w

④ 確認

DESCRIBEコマンドで、アタッチした表 TBL1を確認します。

コマンドは以下の通りです。

DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

実行例は以下の通りです。

$ db2 DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

PartitionId PartitionName                   TableSpId   PartObjId   IndexTblSpId LongTblSpId AccessMode
                                                                                               Status
----------- ------------------------------- ----------- ----------- ------------ ----------- - ------
          0 PART0                                     3           4            3           3 F                                 
          1 PART1                                     4           4            4           4 F                                 
          2 PART2                                     5           4            5           5 F                                 
          3 PART3                                     6           4            6           6 F                                 
          4 PART4                                     7           4            7           7 N A                               

  5 record(s) selected.


PartitionId Inclusive (y/n)                   Inclusive (y/n)
              Low Value                         High Value
----------- - ------------------------------- - -------------------------------
          0 Y '2020-01-01'                    Y '2020-03-31'                   
          1 N '2020-03-31'                    Y '2020-06-30'                   
          2 N '2020-06-30'                    Y '2020-09-30'                   
          3 N '2020-09-30'                    Y '2020-12-31'                   
          4 Y '2021-01-01'                    Y '2021-03-31'                   

  5 record(s) selected.

新たにアタッチしたパーティション PART4が表示されています。

また、パーティション PART4の AccessMode Statusが 'N A' であることから、
アタッチによって、アクセス不可になっていることがわかります。

・IBM Docs：DESCRIBE コマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=commands-describe

・IBM Docs：SYSCAT.DATAPARTITIONS カタログ・ビュー
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=views-syscatdatapartitions

⑤ ペンディング解除

SET INTEGRITYコマンドで新しくアタッチしたパーティションの値の範囲を検査し、
表TBL1のペンディングを解除します。

コマンドは以下の通りです。

SET INTEGRITY FOR TBL1 IMMEDIATE CHECKED

実行例は以下の通りです。

$ db2 SET INTEGRITY FOR TBL1 IMMEDIATE CHECKED
DB20000I  The SQL command completed successfully.

・IBM Docs：SET INTEGRITY ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-set-integrity

⑥ 確認

DESCRIBEコマンドで、アタッチした表 TBL1を確認します。

コマンドは以下の通りです。

DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

実行例は以下の通りです。

$ db2 DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

PartitionId PartitionName                   TableSpId   PartObjId   IndexTblSpId LongTblSpId AccessMode
                                                                                               Status
----------- ------------------------------- ----------- ----------- ------------ ----------- - ------
          0 PART0                                     3           4            3           3 F                                 
          1 PART1                                     4           4            4           4 F                                 
          2 PART2                                     5           4            5           5 F                                 
          3 PART3                                     6           4            6           6 F                                 
          4 PART4                                     7           4            7           7 F                                 

  5 record(s) selected.


PartitionId Inclusive (y/n)                   Inclusive (y/n)
              Low Value                         High Value
----------- - ------------------------------- - -------------------------------
          0 Y '2020-01-01'                    Y '2020-03-31'                   
          1 N '2020-03-31'                    Y '2020-06-30'                   
          2 N '2020-06-30'                    Y '2020-09-30'                   
          3 N '2020-09-30'                    Y '2020-12-31'                   
          4 Y '2021-01-01'                    Y '2021-03-31'                   

  5 record(s) selected.

アタッチしたパーティション PART4の AccessMode Statusが、'F' になっていることから、
ペンディングが解除され、アクセス可能になったことがわかります。

・IBM Docs：DESCRIBE コマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=commands-describe

パーティション表TBL1 の中身を確認します。

$ db2 "SELECT * FROM TBL1"

COL1        COL2      
----------- ----------
          1 01/01/2020
          2 04/01/2020
          3 07/01/2020
          4 10/01/2020
          5 01/01/2021

  5 record(s) selected.

値 (5,’2021-01-01’)があることから、
無事アタッチされたことがわかりました。

5. パーティション追加

5-1. 概要

パーティション表では、
新しい空のパーティションをテーブルに追加することができます。

次項目 5-2では、
DATE型の列 COL2をパーティション・キーとして 2020-01-01~2020-12-31 の1年間を 3ヶ月ごとに分割し、
4つのパーティションを持つパーティション表 TBL1 に、
2021-01-01~2021-03-31 を範囲とする空のパーティションを追加してみます。

図に示すと、以下の通りになります。

・IBM Docs：パーティション表へのデータ・パーティションの追加
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=ranges-adding-data-partitions

5-2. 操作

① パーティション表準備

CREATE TABLEコマンドで、パーティション表 TBL1 を作成します。

コマンドは以下の通りです。

CREATE TABLE TBL1(COL1 INT, COL2 DATE) 
  IN TS1, TS2, TS3, TS4
  PARTITION BY RANGE(COL2)
  ( STARTING '2020-01-01'
    ENDING '2020-03-31',
    ENDING '2020-06-30',
    ENDING '2020-09-30',
    ENDING '2020-12-31'
  )

実行例は以下の通りです。

$ db2 "
> CREATE TABLE TBL1(COL1 INT, COL2 DATE) 
>   IN TS1, TS2, TS3, TS4
>   PARTITION BY RANGE(COL2)
>   ( STARTING '2020-01-01'
>     ENDING '2020-03-31',
>     ENDING '2020-06-30',
>     ENDING '2020-09-30',
>     ENDING '2020-12-31'
>   )
> "
DB20000I  The SQL command completed successfully.

パーティション表TBL1が作成できました。

・IBM Docs：CREATE TABLE ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-create-table

INSERTコマンドで、試しにパーティション表TBL1に値(1, ’2021-01-01’)を挿入すると、
パーティションの範囲外のため挿入ができないことがわかります。

$ db2 "INSERT INTO TBL1 VALUES(1, '2021-01-01')"
DB21034E  The command was processed as an SQL statement because it was not a 
valid Command Line Processor command.  During SQL processing it returned:
SQL0327N  The row cannot be inserted into table "DB2INST1.TBL1" because it is 
outside the bounds of the defined data partition ranges.  SQLSTATE=22525

・IBM Docs：DB20000 - DB29999
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=SSEPGG_11.5.0/com.ibm.db2.luw.messages.db2.doc/db20000-db29999.html

・IBM Docs：SQL0250 - SQL0499
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=SSEPGG_11.5.0/com.ibm.db2.luw.messages.sql.doc/sql0250-sql0499.html

② 確認

DESCRIBEコマンドで、作成した表 TBL1を確認します。

コマンドは以下の通りです。

DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

実行例は以下の通りです。

$ db2 DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

PartitionId PartitionName                   TableSpId   PartObjId   IndexTblSpId LongTblSpId AccessMode
                                                                                               Status
----------- ------------------------------- ----------- ----------- ------------ ----------- - ------
          0 PART0                                     3           4            3           3 F                                 
          1 PART1                                     4           4            4           4 F                                 
          2 PART2                                     5           4            5           5 F                                 
          3 PART3                                     6           4            6           6 F                                 

  4 record(s) selected.


PartitionId Inclusive (y/n)                   Inclusive (y/n)
              Low Value                         High Value
----------- - ------------------------------- - -------------------------------
          0 Y '2020-01-01'                    Y '2020-03-31'                   
          1 N '2020-03-31'                    Y '2020-06-30'                   
          2 N '2020-06-30'                    Y '2020-09-30'                   
          3 N '2020-09-30'                    Y '2020-12-31'                   

  4 record(s) selected.

・IBM Docs：DESCRIBE コマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=commands-describe

③ パーティション追加

ALTER TABLEコマンドで、範囲が2021-01-01~2021-03-31のパーティションを追加します。
コマンドは以下の通りです。

ALTER TABLE TBL1 ADD PARTITION
  STARTING '2021-01-01'
  ENDING '2021-03-31' IN TS5

実行例は以下の通りです。

$ db2 "
> ALTER TABLE TBL1 ADD PARTITION
>   STARTING '2021-01-01'
>   ENDING '2021-03-31' IN TS5
> "
DB20000I  The SQL command completed successfully.

パーティション追加ができました。

・IBM Docs：ALTER TABLE ステートメント
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=statements-alter-table

④ 確認

DESCRIBEコマンドで、パーティションを追加した表 TBL1を確認します。

コマンドは以下の通りです。

DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

実行例は以下の通りです。

$ db2 DESCRIBE DATA PARTITIONS FOR TABLE TBL1 SHOW DETAIL

PartitionId PartitionName                   TableSpId   PartObjId   IndexTblSpId LongTblSpId AccessMode
                                                                                               Status
----------- ------------------------------- ----------- ----------- ------------ ----------- - ------
          0 PART0                                     3           4            3           3 F                                 
          1 PART1                                     4           4            4           4 F                                 
          2 PART2                                     5           4            5           5 F                                 
          3 PART3                                     6           4            6           6 F                                 
          4 PART4                                     7           4            7           7 F                                 

  5 record(s) selected.


PartitionId Inclusive (y/n)                   Inclusive (y/n)
              Low Value                         High Value
----------- - ------------------------------- - -------------------------------
          0 Y '2020-01-01'                    Y '2020-03-31'                   
          1 N '2020-03-31'                    Y '2020-06-30'                   
          2 N '2020-06-30'                    Y '2020-09-30'                   
          3 N '2020-09-30'                    Y '2020-12-31'                   
          4 Y '2021-01-01'                    Y '2021-03-31'                   

  5 record(s) selected.

2021-01-01~2021-03-31を範囲とするパーティション PART4 が追加されていることがわかります。

・IBM Docs：DESCRIBE コマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=commands-describe

試しに、INSERTコマンドで、パーティション表TBL1に値(1, ’2021-01-01’)を挿入すると、
パーティションの範囲内のため挿入ができることがわかります。

$ db2 "INSERT INTO TBL1 VALUES(1, '2021-01-01')"
DB20000I  The SQL command completed successfully.

$ db2 "SELECT * FROM TBL1"

COL1        COL2      
----------- ----------
          1 01/01/2021

  1 record(s) selected.

6. おわりに

今回は、パーティション表における デタッチ・アタッチ、パーティション追加 操作を確認しました。

パーティション表のデタッチ・アタッチの処理では、データの移動が発生しないので、
高速にデータを追加・削除したい時に活用することができます。

参考情報

・IBM Docs：パーティション表
https://www.ibm.com/docs/ja/db2/11.5?topic=schemes-partitioned-tables

・[ThinkIT] 第2回：大規模データベースでも威力発揮！
https://thinkit.co.jp/free/article/0707/19/2/