一人でWebサービスを作って、リリースして8ヶ月経ったけどユーザーがいないサービスがどうしてこうなったか。それをどう思っているのか。って話です。
つくるまで
1年前くらいにVTuberにハマって動画を見ているうちに、
VTuberにこのゲームをやってほしいとかこの歌を歌ってほしいと思うようになり、
YouTubeの動画でやってほしいことを配信者にリクエスト出来るサービスがあればいいと思いすぐにサービスを作り始めました。
(このフッ軽さが仇になった・・・)
なにをつくったか
Skebなどのイラストコミッションサービスを参考にして、
- 配信者: 動画内でやってほしいことを募集を作成
- 視聴者: 報酬金額を決めてやってほしいことをリクエストする
- 配信者: 届いたリクエストの中から採用するものを選択
- 視聴者: 採用されなかったリクエストのお金は視聴者に返金
- 配信者: リクエストに応えた動画をYouTubeなどで配信してそのことを報告したら報酬GET
という流れで、少ないやりとりで簡単な案件配信みたいなことを実現できる動画コミッションサービスを作り、(自信満々で)リリースしました。
リリースした結果
リリースしたのが10月1日なのでもうすぐ9ヶ月経つのですが、全くユーザーがいません。
登録してくれたユーザーは数名いるのですが、まだリクエストの募集が0で、今の所このサービスは失敗しました。w
最初なぜこのサービスがイケる思ったか
- 同じような動画のコミッションサービスが存在しない
- SuperReqのようなサービスはなかったので競合他社がいなければ個人開発でもいける気がした。
- YouTubeの投げ銭の手数料より安くできる
- YouTubeのスパチャの手数料は3割程度で言われています。自分が開発すればサーバー管理費と決済に使っている Stripeの手数料などで手数料を2割に抑えられるので、配信者はうれしい気がした。
- 収益化の条件がないから誰でも配信で収益を得ることができる
- YouTubeは収益化するまでに、チャンネルの登録者数などの厳しい条件がありますが、SuperReqはリクエストに応えれば収益化できます。チャンネルの登録者が少なくても熱心な視聴者がいれば、収益化できる配信者もいる気がした。
- 動画の配信者が増えていてこの業界に需要がある
- 子供のなりたい職業ランキングにYouTuberがランクインするなど、近年動画配信者は増えていてその業界も大きくなっているので、需要がある気がした。
- Skebなどのイラストコミッションサービスが流行っている
- Skebなどのイラストコミッションサービスが認知されてきて、コミッションサービスに対する理解が動画配信者にも得られる気がした。
何がダメだったか
- 認知されていないこのサービスを配信者が使うのはハードルが高い
- 誰も使ってないサービスを最初に使うのはハードルが高いし、それを何人もの視聴者がいる動画配信者のアカウントで行うのはさらにハードルが高いことにリリースしてから気づいた。(時すでに遅し)
- 作る前に直接配信者の声を聞くべきだった
- 事前のマーケティングは大事だと痛感しました。上でイケると思った理由は全て自分でそんな気がしただけで実際に配信者の声などは聞かないで開発を始めました。事前にユーザーになりそうな人の声を聞くのは大事。(こんなの耳にタコだったのに・・・)
- 宣伝できない
- 個人で作っているのでお金がないため、大々的な宣伝は行えません。利益が出てから宣伝をかけようと思っていたのですが、最初に宣伝をかけてユーザーを作らないと利益がでない。(順番が逆だった)
- 信用がない
- いままで何の実績もない個人がつくったので全く信用が得られず、信用が得られない。(それはそう)
失敗したけど良かったこと(ここが大事)
今の所ユーザーがいないので失敗状態なのですが、最初からこんなサービスを作らなければ良かったと思っているかといえば、そうではありません。 サービスとしては失敗したけど失ったものは多くないし、逆に得たものはたくさんあります。
- 経験が得られた
- 企画からリリースまで一人でやって、一部の役割をやっただけでは得られない経験を得ることができました。失敗もこうやって反省することで、経験として次に活かすことができます。経験というのは実際にやってみないと得られないものです。
- 半年でリリースまでいけた
- このサービスは企画からリリースまで半年でできました。もっと多くの時間をかけていたら失敗した時のダメージがいまよりももっと大きくなっていたと思うので、スピーディーに開発することでこのダメージで済んで良かったです。w
- 知識が身になっていることがわかった
- 日々色々な技術記事など見て新しい技術の知識を身につけているのですが、新しい技術を実際に使えるのは新しいことを始めるときだけです。今回はじめてAWSのAmplifyとStripeを使ったのですがこれがよかったです。これらのおかげでスピーディーかつノーリスクでサービスを開発することができました。次で詳しく説明します。
失敗を帳消しにした技術
ユーザーがいないサービスですが、色々な技術に支えられ大きな怪我をしないでいられています。僕みたいにフッ軽で失敗しても他のサービスや技術によってそのダメージを少なくすることができました。
AWS Amplify
AWSのAmplifyはサーバーレスでWebやモバイルアプリケーションを開発するためのプラットフォームです。AWSのCognito・Lambda・DynamoDBなどとの接続も簡単にできます。
なのでユーザー管理・API・データベースを簡単かつセキュアに利用することができます。また、サーバーレスなのでスケーラビリティのことを考える必要がないのが特徴です。
Amplifyが失敗を帳消しにしてくれた理由は以下の2つです。
- 従量課金
- Amplifyは従量課金で、Cognito・Lambda・DynamoDBなども従量課金なのでユーザーがいなければほとんどお金がかかりません。
- 簡単に開発できる
- AWSのさまざまな機能と簡単に連携できるので、簡単にユーザー管理・API・データベースを使ったWebサービスを開発することができます。これのおかげでスピーディーにリリースできました。
Stripe
オンライン決済代行サービス。リクエスト時の決済だけでなく、配信者への報酬の振り込みにも使っています。
このサービスに救われた理由は以下の2つです。
- 従量課金
- こちらも従量課金で支払い額の何%などで手数料が取られるサービスなので、ユーザーがいなければお金がかかりません。
- 個人でも使える
- 法人登録をしていなくても利用できて、報酬の振込までできるので非常に便利なサービスです。SuperReqの根幹を支えてくれています。
これから
まだサービスは終了せずにもうちょっと頑張ってみようと思っています。
そして今回つくづく人脈の大切さを身に染みたのでもっと知り合いを増やしたいと思います。
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