戦略としてのカンバン活用ノート
カンバンとは?
観点 | 内容 |
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ツールとしてのカンバン | TrelloやJiraなどのボードでのタスク可視化。列(ToDo/In Progress/Done)で視覚的に進捗管理。 |
メソッドとしてのカンバン | David J. Andersonによる「カンバンメソッド」。継続的改善とフローの最適化を実現するための一連の実践手法。 |
カンバンメソッドの6つのプラクティス
- 現在のプロセスを可視化する
- WIP(仕掛かり中の作業)を制限する
- フローを管理する
- 明示的なポリシーを定義する
- フィードバックループを実装する
- 進化的・実験的に改善する
カンバンの3つの原則
- 今のやり方から始める
- 進化的な変化を推進する
- 役割・責任を尊重する
スクラムとカンバンの違い・関係性
項目 | スクラム | カンバン |
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単位 | スプリント(タイムボックス) | 継続的フロー |
イベント | 定義されたイベント必須 | 任意・必要に応じて柔軟 |
管理指標 | ベロシティ、バーンダウン | リードタイム、スループット |
役割 | PO・SM・Devチームなど厳密 | 特に定義なし |
競合関係? | ✕ 競合しない | ✕ むしろ補完関係 |
併用パターン | Scrumban(スクラム+カンバン) | スクラムにカンバンの流れ改善を加える |
カンバンを“戦略的に”活かす視点
戦略的視点 | 説明 | 効果 |
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WIP制限 | 抱えすぎを防ぐ | コンテキストスイッチ削減、詰まりの可視化 |
ボトルネック可視化 | 工程ごとの詰まりをボードで発見 | 優先的改善ポイントの特定 |
リードタイム測定 | 作業開始から完了までの時間を記録 | SLA実現性の根拠、マネジメント連携 |
ポリシーの明示 | カード移動や完了条件を明確化 | 認知負荷の削減、属人化の抑制 |
流れ単位のボード設計 | ドメインやステークホルダー別に設計 | 組織・チーム構造の最適化に寄与 |
活用シナリオ例
- 複数プロジェクト/マルチロール → WIP制限 + ポリシー明示で可視化
- スクラムイベントはあるが改善が形骸化 → フロー観測を導入し継続的改善を補完
- 報告の客観データが欲しい → リードタイムや完了件数を数値化
カンバンとリーンの関係(例)
- リーン:価値の流れ(Value Stream)最適化を目指す思想
- カンバン:そのリーン思想を実行に移すツール・メソッド
参考
This is Lean
カンバン仕事術