等速直線運動
POINT
速さ(スピード):1sで移動した距離m
速度(ベロシティ):速さに方向が追加されたもの。
速度はv(ベロシティ)で表す。
余談だが、ベロシティは基本情報技術者試験でも関係する。
とにかく開発の速度が求められるアジャイル開発では、期間内の生産量・進捗をベロシティで管理する。
チームのベロシティ:20ポイントのように表現するらしい。
https://www.ap-siken.com/kakomon/04_haru/q49.html
等速直線運動のグラフ[v-t]
POINT
速度のグラフでは、面積が移動距離となる。
縦軸を速度m/s、横軸を時間sとする。
等速直線運動のグラフは以下。
60km/hでずっっと走る車があったとして、1時間後だろうと10時間後だろうと速度が一定なのは当たり前。そういう前提なのだから。
また、面積を求める行為が、移動距離を求めるということになる
速度に時間を掛けたら移動距離。これは感覚的に分かる。
ずっと60km/hで走る車は、2時間後には60 × 2で120km移動しているってこと。
グラフで上記を考えると、速度に時間を掛けるということは、縦 × 横ということになる。
つまり四角形の面積が移動距離になる。
「だからなんだよ。まあそう言えるかもしれんが」と思った貴方。実はこれはとても便利な発見なの。
この速度のグラフは、面積が移動距離という概念は等速直線運動でなくとも通用する。
実際の車は速度が頻繁に変わる。速度が変わるグラフにおいても面積さえ求められれば移動距離が出せる。
等速直線運動のグラフ[x-t]
POINT
距離のグラフでは、傾きが速度となる。
難しい話ではない。ただ、X軸は時間そのままに、Y軸を移動距離にした場合のグラフ。
傾きとは、『X軸が1進んだ時、Y軸にいくつ進むか』という意味。
tが1の時、Yが60なら、傾きは60である。
時間が1hで移動距離が60kmなら、速度は60km/hである。全く同じ意味となる。
加速度a
POINT
加速度(アクセラレーション):m/s^2
2乗は、もうそういうものだと受け入れた方がいい。
加速度とは、1sで速度m/sがどれだけ増えるか。ただこれだけ。
例えば今この瞬間、10m/sで走っている人がいたとする。(100mを10秒。早い人)
1秒だけ目を離してもう一度見ると、その人の速度は上がっていて、12m/sの速度で走っていた。
この時の加速度は、1秒で2だけ増えているのだから、加速度は2となる。
加えられた速度が、加速度とも解釈できる。
「うん、単純で分かりやすいね」と思った人。
では、2秒で速度が6m/sだけ増えた人の加速度はどう計算しますか?つまり、『最初見たときは座っていた(0m/s)けど、用事を思い出したのか、2秒後には6m/sで早歩きしていた』という状況です。
「え、加速度は1sでいくら増えたかなんだから、単純に6 ÷ 2 で、加速度は3なんじゃないの?」と思いますよね?
大正解です。これをそのまま、単位も含めた状態で式にすると加速度の単位が分かります。
\displaylines{
(6m/s) ÷ (2s) \\\\
2sを分母に持ってくると \\\\
\dfrac{6m/s}{2s} \\\\
約分して \\\\
\dfrac{3m/s}{s}
}
となります。ただの計算です。ここからが問題です。
\displaylines{
\dfrac{3m/s}{s} \\\\
{3m/s}にしてるのは分数にすると場所を取るため。普通に(\dfrac{3m}{s})にする \\\\
\dfrac{(\dfrac{3m}{s})}{s} \\\\
これは以下と同じ。 \\\\
\dfrac{3m}{s} ×\dfrac{1}{s} \\\\
計算すると \\\\
\dfrac{3m}{s^2} \quad =\quad 3m/s^2 \\\\
となる。
}
この過程はただの計算です。算数をした結果、こうなったと理解できれば問題ありません。
なんと加速度の単位はm/s^2になります。二乗が付くんですね。
まあ、1は何乗しても1なので、1sで速度m/sがどれだけ増えるか。という定義には影響しません。
等加速直線運動のグラフはこうなります。
別に原点を通っていてもいいです。上図は0秒、つまり最初から既に速度があるというだけです。
大切なのは加速が一定なので、速度の増え幅が一定。つまり傾きは直線になるということです。
加速度2m/s^2だとすると、tが1秒、2秒、3秒と進むにつれて、速度は4m/s、6m/s、8m/s……と増えるという訳です。
これを聞いて、「お、では等加速度運動は等差数列なのか」と早とちりされた方がいるかもしれませんが、それは違います。
結論から言うと、
等差数列の公式:『An=a1+(n-1)d』(t=1、2、3…)
速度の公式:『V=V0+at』
と、若干異なります。
実際に見てみましょう。最初に等差数列を考えます。
初項(a1)=0、公差(d)=2、n=1.2.3……とします。
公式はAn=a1+(n-1)dとなり、グラフを無理やり書くと以下になります。
この時、nは1から始まる自然数となり、0は存在しません。1つ目、2つ目というカウントをしていくので、0番目も1.2番目とかも存在しないということです。これは定義です。
つまり等差数列のグラフは離散的な点の集合体となります。
対して、等加速度運動を考えます。
初速度(V0)=0、加速度(a)=2m/s^2、t>0とします。
公式はV=V0+atとなり、グラフを書くと以下になります。
この時、tは0を基準とした実数となり、なんでもOKです。0秒目でも、5秒前でも1.23秒後、10秒後とかもOK。これは定義です。
つまり等加速度運動のグラフは直線となります。
これを比較しても分かるように、速度と等差数列を結び付け、初項が初速、公差が加速度のようにするのはナンセンスです。そもそも点と線で概念が違う、とまで言っても良いかもしれません。
等加速度運動の速度
POINT
速度の公式
V \quad=\quad V_{0} + at
もし、等速直線運動で速度が変化しないのなら、tは関係ないので式にそもそも出ず、
速度はV=Vとなる。当たり前。
では等加速直線運動、つまり時間によって速度が一定値ずつ変わるとしたら?
tが0秒の時は速度は0m/s、1秒後は2m/s、2秒後は4m/s……と増えていくと。
これはtが増えるだけ、速度は加速度の値を足して増えていくような形になる。
上記例だと、加速度2m/s^2なので、2ずつ加算されていく。
つまり、V=atと表現できる。1秒後には2が足され、4秒後は2m/s × 4つ、10秒後は2m/s × 10つを表現している。
ただし、0秒時点で物体が止まっているとは限らない。既に走っている車を観察しており、観測を始めたタイミングで既に60km/hかもしれない。
この場合、tに0を代入するとV=0m/sとあなり辻褄が合わない。
よってV=V0(最初の速度)+ atとすることで、0秒目でもV0が残り、説明できる。
最初から物体が止まっているのなら、V0は0m/sとしておけばいい。
等加速度運動のグラフ[v-t]
POINT
速度のグラフでは、面積が移動距離となる。
加えて、傾きは加速度となっていた。
速度にまつわるグラフは2種類のみ。{速度-時間}、{距離-時間}だけだ。
等速直線運動のグラフは横一直線だったが、速度が変化するとなると、そのグラフが少し傾むく。これが等加速度運動と呼ばれるだけ。グラフの種類が新たに出た訳ではない。
加速度は、1sで速度が何m/s増えたかで定義されている。
つまり傾きが加速度となっていたのだ。
等速直線運動のグラフは横ばいなので傾き0。つまり加速はしておらず、加速度は0ということ。
等加速度運動の移動距離
POINT
距離Xの公式
X \quad=\quad V_{0}t + \dfrac{1}{2}at^2
先ほどのv-tグラフを使う。
v-tグラフでは、面積が移動距離となる。(速度×時間が移動距離だから)
であるなら、この台形の面積は上記のように求められる。
余談だが、台形として見ても同じ結果が得られる。当たり前だが面白い!
時間含まずの式
POINT
時間含まずの式の公式
2ax \quad=\quad V^2+V_{0}^2
速度と距離の公式を式変形すれば、時間がない式が導ける。
使い道について。
普通、運動しているものの問題では、速度を出すにも距離を出すにも時間が必要。
しかし、時間についての言及がされていない問題については、この式を使う。
重力加速度
POINT
\displaylines{
g \quad=\quad 9.8m/s^2 \\\\
・重力加速度は、どんな動きや状況でも一定の大きさと向きである \\
・自由落下は、等加速度運動である。
}
重力の加速度はg(9.8m/s^2)である。
距離はY軸の下向きを正とする。これが空中の物体にはずっと掛かっている。
また自由落下も等加速度運動である。
車はアクセルを踏みっぱなしにすると加速していく。重力は落ちるだけで加速していく。
自由落下・投げ下げ・投げ上げの式
POINT
\displaylines{
V \quad=\quad V_{0} + at \\
Y \quad=\quad V_{0}t + \dfrac{1}{2}at^2 \\
}
極論、全部同じ。
等加速度運動の向きが右向きだろうと下向きだろうと、式は変わらない。
自由落下であればV0は0m/s、投げ下げであれば、V0に初速度が入るだけ。
上か下かどちらを正とするか(+の方向とするか)には注意。
下の画像では、下向きが+となっている。
また、投げ下げであればV0は+、投げ上げであればV0は-になるだけ。
下を正(+)とするなら、上への初速度は、-V0の速度と言える。
自由落下:Y軸になった等速直線運動。
鉛直投げ下げ・投げ上げ:Y軸、かつV0が付いた等加速度運動
水平投射
POINT
水平投射は、
真横から見たら自由落下。
真上から見たら等速直線運動。
水平投射の式
\displaylines{
Xの横の等速運動の式は… \\
V \quad=\quad V_{0} \\
X \quad=\quad V_{0}t \\
Y軸の下の自由落下の式は… \\
V \quad=\quad at \\
Y \quad=\quad \dfrac{1}{2}at^2 \\
※a=g=9.8m/s^2
}
複雑な動きに見えるが、横側と上側で別けて考えると、ただの等速直線運動と等加速度運動の組み合わせになる。
\displaylines{
横の動きの式は… \\
V \quad=\quad V_{0} \\
X \quad=\quad V_{0}t \\
}
\displaylines{
縦の動きの式は…\quad(加速度aはg。つまり9.8m/s^2) \\
V \quad=\quad at \\
Y \quad=\quad \dfrac{1}{2}at^2 \\
}
V0はX軸に沿って働いている。
横に力を入れて投げている(初速度)のだから、Y軸つまり上下には初速度はない。
つまり、真横から見ればV0は0の自由落下と同じ。
真上からみれば、今度は加速度がない。
なぜならこの時、加速度は重力の下向きのgのみ。横向きに加速する要素はないため。
つまり、真上から見ればaは0の等速直線運動となる。
ベクトルの分解
\displaylines{
θの角度で物体をV_{0}で投げた場合 \\
V_{y}\quad=\quad V_{0}×sinθ \\
V_{x}\quad=\quad V_{0}×cosθ \\
}
これは、力が既に斜めに掛かっている場合。
今までは真上、真横にしかV0が掛かっていなかったが、今回からはベクトルの概念が必要になる。
これも非常に単純な話である。
以下は「sinって何?なんでsin30が1/2ってどういうこと?」という人向け。
まず大前提として、斜めにボールを投げると真横に向かって投げる時より飛ぶ距離は短くなる。
極端な話、同じ100%の力で投げるにしても、ドンドン角度を付けていって、ついに真上に投げると横に飛ぶ距離は0になり、体育の成績は1になる。全力で投げているのに。
これを理系っぽく説明すると投げる方向に角度が付いたら、その力はX軸とY軸に力は分散してしまい、その比率は大きさに関係なく一定ということ。
具体例でイメージし易くしよう。
例えば、斜め60°にボールを100%の力で投げる速度や移動距離は、真横に対しては半分の力と同等になってしまう
大谷翔平がいかに160km/hのボールを投げようと、上を向かせ斜め60°で投げさせれば、横向きには半分の80km/hしか速度が出ない。自動車でアクセル全開にすれば、頭上を飛ぶ大谷のボールを追い越せるのだ。
この比率はcmだろうが、%だろうがkm/hだろうが、なんにでも適用できる。
そして、この比率は何倍しても変わらない。
2倍の円となり、斜辺が2になっても横は斜辺の1/2という比率のままなので、横の長さは斜辺2cmの1/2、つまり1cmとなる。
では上の図、もし斜めの長さが80cmだったら横の長さはいくらになるだろうか。
「え、斜辺が1cmから80cmで80倍になったんだから、横も1/2cmを80倍した40cm?」
もしくは
「え、60°なら横は常に斜辺の半分なんでしょ?なら80cm × 1/2で40cm?」
となっただろうか。
これこそが!これこそが三角関数、cosなのである!!!
斜めの大きさ × 横の比率 = 横の大きさ
ってこと。ここでいう横の比率ってのがcos。同じ考えで、斜辺に対する縦の比率がsinである。
cos60°=1/2とは、直角三角形60°の時は斜辺に対して横の比率は1/2である。という意味。
だから横の長さを出したいときは、斜めの大きさにcos60°を掛けるのだ。
斜め60°で投げたボールの速度が60km/hだった場合、X軸への速度は
\displaylines{
V_{x}\quad=\quad V_{0}×cosθ \\\\
を適用し、 \\\\
V_{x}\quad=\quad 60_{km/h}\quad×\quad cos60° \\\\
V_{x}\quad=\quad 60_{km/h}\quad×\quad 1/2 \\\\
V_{x}\quad=\quad 30_{km/h} \\
}
となる。この計算は、
\displaylines{
60°の時、斜辺1km/hだと横は\dfrac{1}{2}km/hである。 \\
1km/hが60倍された60km/hの時は、同じく横も\dfrac{1}{2}km/hを60倍して30km/h \\
つまり、\\
1:\dfrac{1}{2}\quad=\quad V_{0}:V_{x} \\
V_{x}\quad=\quad V_{0}×cos60°(= 1/2) \\
である。
}
よく見るこの図(1 : 2 : √3と呪文のように習うアレ)は、斜辺を1にすると、他の辺が分数になっていて覚えにくい!という人のために2倍にして分数を取り払ったもの。
ただ、この図はゴミである。本質ではない。
なぜなら三角関数の本質は、単位円(半径1の円)の半径を基準とした時の縦と横の比率というところにあるのに、暗記を優先して斜辺もろとも2倍にして挙句の果てにはsin60°はこの図を描いて「縦の長さを斜辺で割ると出ると√3/2でしょ。これがsin60°だよ」だって?お前らが勝手に斜辺の長さを変えたんだろうが!と言いたい。
正確には、大きさが1である斜面に対し、sinは縦の比率、cosは横の比率である。
そしてそれぞれの角度とそれに対応する比率は、もう覚えるしかない。
その手助けとして上の図を利用するのであれば、まだ健全かもしれない。
ベクトルの分解
POINT
\displaylines{
ベクトル分解し、Y軸は投げ上げの式\\
V_{y} \quad=\quad V_{0}sinθ + at \\
Y \quad=\quad V_{0}sinθ× t + \dfrac{1}{2}at^2 \\
ベクトル分解し、X軸は等速直線運動の式\\
V_{x} \quad=\quad V_{0}cosθ \\
X \quad=\quad V_{0}cosθ× t \\
}
これも、結局は以下の式だけ覚えておけばいい。
\displaylines{
V \quad=\quad V_{0} + at \\
X \quad=\quad V_{0}× t + \dfrac{1}{2}at^2 \\
}
Vは速度、V0は初速度、aは加速度、Xは移動距離である。
上図のように物体を投げた場合、斜めのまま力を考えるのは難しいのでXとYに分解する。
X軸方向に注目すれば、V0にsinθを掛ければいい。X軸向きに加速する要素はないため、a=0で上の公式を使えば求められる。
逆にY軸方向では、重力加速度があるので下向きにa=9.8m/s^2とすればいい。
一次元合成速度
POINT
\displaylines{
ベクトルが同じであればそのまま足し合わせられる\\
V_{x} +V_{x}\quad=\quad 2V_{x} \\
V_{y} +V_{y}\quad=\quad 2V_{y} \\
}
電車の中で進行方向に走った場合など。
二次元合成速度
POINT
\displaylines{
ベクトルが同じであればそのまま足し合わせられる\\
\overrightarrow{V} \quad=\quad\overrightarrow{v} + \overrightarrow{u}
}
この場合、単純に速度を足し合わせるだけではだめ。
二次元なので、実際の物体の速度はベクトルの足し算で行われる。
これは斜方投射の逆の考え。斜方投射では斜めの速度からX軸Y軸の速度を求めたが、
今回は先にX軸とY軸の大きさが分かっている場合、斜めの大きさをどう求めるかという話。
余談だが、速度は英語のベロシティの頭文字をとったV以外にも「u」や「w」を使ったりする。
これは、なんとアルファベットのVの隣だから位の理由しかないそう。
一次元相対速度
POINT
\displaylines{
相手の速度 - 自分の速度
}
これも単純。
相対速度とは、相対、つまり『観測者を基準(1だったり0だったり)にした場合、相手がどう見えるか』ということです。
観測者が100km/h、隣に110km/hで走る車がいれば、観測者の状態を基準(つまり速度0、止まっているとする)にすると、相手の車は10km/hで見えるということです