第1回
プログラミングの開発環境構築に関する一般論
今回の記事はあくまで「一般論」です。
個別の言語のインストールに関しては基本的に解説いたしませんので、「○○ インストール」などでググるか、大学の授業での指示に従ってください
「環境構築」とは
プログラミングをするにあたって必要なアプリケーション等をパソコンにインストールし、使えるようにすることです。具体的には、「テキストエディタ」または「IDE」、「コンパイラ」または「インタープリタ」をインストールし、場合によっては「Path」などを設定すること、などです。これらの用語の意味については次の項以降で解説します。
PCアプリのインストール方法の種類
通常、スマートフォンではAndroidならGoogle Play、iPhoneならApp Storeを開いてからアプリをインストールします。しかし、パソコンへのアプリのインストール方法はスマホとは異なります。以下に、私が知っている限りのインストール方法を示します。
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アプリを提供している公式のサイトを開き、自分のパソコンにあったバージョンを選び、Windowsなら.zipファイル、Macなら.dmgファイル、Linuxなら.tar.gzファイルをダウンロードし、(Windowsの場合)ローカルディスクCのProgram Filesなどに展開します。
(ファイルを右クリックし「すべて展開(T)」を選択)
Mac
http://lee-ways.com/macdmg/
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公式サイトからダウンロードするのは上に同じですが、ダウンロードするものが「インストーラー(Widnowsの場合~~SetUp.exe, ~~Installer.exeなど)」となります。「インストーラ」にはインストールしたいプログラムが含まれており、ダブルクリックで実行する(開く)ことにより、インストールを開始できます。
その際、利用規約が表示されて同意を求められたりします。規約に同意すると、どのフォルダにプログラムをインストールするか聞かれて、installボタンを押すことによりインストールが始まります。たいていの場合、インストーラはインストールが終わった後はダウンロードフォルダから消去してしまってよいことが多いです。(Visual Studioは途中で追加することがあるので残しておいたほうがよい)
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こちらも「インストーラ」をダウンロードする方法ですが、「Webインストーラ」です。Webインストーラはインストールするプログラムを自らの中に含んでいないので、インストールの手順中にはインターネットを使って対象のプログラムをダウンロードします。仕組み的には少し違いますが、手順には上と大きな違いはありません。
https://emb.macnica.co.jp/faq/685/
2
パッケージ管理アプリを用いる方法
ChocolateyやPython言語でのpipなどをコマンドライン(PowerShellなどのターミナル)で操作してほかのアプリをインストールする方法。初心者のうちはあまり使わないかもしれません。
PCの種類
PCの種類にもいろいろあります。OSで分けるなら、Windows, Mac, Linux, Unixなどに分けられるのはご存じだと思います。スマホで言うAndroidとiOSです。おそらく授業で詳しく習うでしょうから深いところまでは書きませんが、それぞれのOSで同じ種類のアプリでも「拡張子」が異なるので注意です。
また、パソコンの処理性能によってさまざまに分かれています。
アプリのインストールで問題になるのは、「64bitと32bit」です。雑に言ってしまえば、64bitのほうが性能がよく、現在のパソコンはほとんどこちらです。
新しいパソコンならほぼほぼ64bitですが、心配な人は念のためググって確認してください
Pathの設定
Javaの回でも書きましたが、
https://qiita.com/HaaSAtC/items/4c114712a8f4400ef7ad
インストールしたプログラム群中の「重要なフォルダ」を書き出して記録しておくことです。多くの場合、「binフォルダ」を指定します。
インストールの方法によっては、設定しなくてもよい場合もあります。
Windows10の場合、左下の検索窓から「システム環境変数」と検索し、
「詳細設定」の「環境変数(N)」から「システム環境変数(S)」の「Path」をクリックし、
「編集」「新規」で追加できます。
バージョンについて
Pythonを例にバージョンについて説明します。
Python言語は大きく分けて3系と2系がありますが、現在は主に3系が使われています
授業で(データ分析とかAIとか)使うとしたら、おそらく3系でしょう。
公式ページを見ると、
https://www.python.org/downloads/
Download the latest version for Windows
Download Python 3.10.4とあります。
これは、Pythonのプログラムを解釈して実行するアプリ「インタープリタ」のバージョンを示しています。
左から順番に
3(メジャーバージョン)
2(マイナーバージョン)
1(マイクロバージョン)
となっています。
Pythonの場合、マイナーバージョンが変更されると互換性がなくなります。
インタープリタはマイナーバージョンが新しくなるたびに、新しいフォルダが作られそこに格納されます。マイクロバージョンのアップデートの場合は新しいものに置き換えられます。
https://gammasoft.jp/python/python-version-management/
https://qiita.com/t_nakayama0714/items/c312bc5edcce6c214856
エディタやIDEでプロジェクトを作成(設定)した時の設定フォルダについて
IDEでプロジェクト(プログラムをまとめた単位)を作った時やVSCodeなどのエディタでフォルダを開いたときに、左側のフォルダの系統樹に「.」で始まるフォルダが作成されます。Windowsのエクスプローラーでも隠しフォルダを表示するとみることができるのですが、こういった「.」で始まるフォルダは設定を記録したファイルなどを保持している重要なものです。中を開けると、VSCodeの場合はJSONファイルが、IntelliJ IDEAの場合はxmlファイルが入っていたりします。
エディタ・IDEの有料・無料の違い
多くの場合、professionalが有料(今流行りのサブスク方式)で、communityが無料です。professionalではcommunityよりも多くの機能を利用でき、チーム開発ができることが利点です。また、JetBrains社のIDE "IntelliJ IDEA" "PyCharm"にはプログラミング学習用コンテンツがついてくる"edu"もあります。(無料)
補足
IDEやエディタはターミナルから起動することもできます。
気になったら調べてみてください
コンパイラやインタープリタなどのアプリはbinフォルダに入っています。.exe(Windows)などのアプリケーションは0と1だけの機械語(=binary)で書かれているからです。
https://thom.hateblo.jp/entry/2015/12/05/100607
授業ではLinux(Ubuntu?)を使うかもしれないので、できるなら慣れておいたほうがいいと思います。
https://qiita.com/whim0321/items/ed76b490daaec152dc69
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