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形態素解析で読み解くコロナ禍の危機感:MecabとTwitter分析の実践

Last updated at Posted at 2024-09-28

概要

本調査は大学1年時の前学期に行ったもので、専門的な知識がまだ未熟な段階での取り組みです。温かい目でご覧いただけると幸いです。

2022年、コロナウイルスの影響がまだ大きかった頃、大学の授業で簡単な調査を行いました。当時の私は、プログラミングやデータ分析の知識がほぼない状態で、形態素解析ツールのMecabを使って「飲み会」に関するTwitter投稿を分析しました。

結果は一つの仮説として軽く読んでもらえればと思いますが、感染者数の増加と人々の危機感の変化には興味深いパターンが見つかりました。本記事では、その調査結果や手法について簡単に紹介します。

データ収集と解析手法

データ収集方法

本調査では、2020年における日本国内の新型コロナウイルス感染者数の推移に着目し、「飲み会」に関連する人々の危機感の変化を調べるために、Twitter上の投稿を収集しました。

データ収集は、2020年3月から2022年4月までの間に「飲み会」を含む投稿を対象に行いました。当時はAPIについてもよくわかっていなかったため全て手動で検索結果からツイートを収集しました。

・各月55ツイートづつ、計1430ツイートを対象ツイートとした。
・収集したツイートは以下のようにExcelにまとめた。
収集方法

解析手法

1.Mecabのインストール

brew install mecab
brew install mecab-ipadic

2.収集したデータの形態素解析

  • Excelデータをテキストデータとして保存しmecabを実行
  • 出力されたテキストファイルをExcelにドラッグ&ドロップ
  • Excelの「ピポットテーブル」を使いキーワードの出現頻度の表を作成
  • mecabによる分書データを作成
  • 同時出現表を作成
形態素解析

危機感度数の算出

次に、危機感度数を以下の式で算出しました。

$$
危機感度数 = \frac{\text{指定キーワードを含むツイート数}}{\text{総ツイート数}} \times 100
$$

各月における「オンライン」や「リモート」を含むツイートの割合を計算することで、その月の人々の危機感を定量的に評価しました。この結果は、感染者数の増加と人々の危機感の変動との関係を調べるための基礎データとなりました。

結果と考察

危機感度数と感染者数との比較

スクリーンショット 2024-09-29 12.32.59.png

*横軸が時系列、縦軸が危機感度(%)

感染者数推移は以下を参考

結果

感染者数が急増した月やその次の月は比較的、危機感が高まっている傾向にある。
感染者数が増加していく一方で危機感度数は減少している

考察

今回の調査では、2020年3月から2022年4月にかけてのTwitterデータをもとに、「飲み会」に関連する投稿から人々の危機感度数を算出し、感染者数との関係を分析しました。その結果、感染者数が急増している期間には危機感が高まる一方、感染が長期化するにつれて危機感が減少する傾向が見られました。

1. 危機感の変動に対する解釈

この結果から、パンデミック初期には感染に対する恐怖や不安が強く表れており、オンラインやリモートといった方法で飲み会を行うなど、感染リスクを回避しようとする意識が高まっていたことが示唆されます。しかし、感染が長引くにつれて、生活が新たなリスクに慣れ、危機感が低下していく「リスク慣れ」という現象が現れたと考えられます。これは、長期間にわたる危機的状況に対する人々の心理的適応が影響している可能性が高いです。

また、社会的な制約が緩和されると同時に、実際には感染が拡大しているにもかかわらず、危機感が低下している点は、政府やメディアの影響もあると考えられます。メディアの報道が緩和され、日常生活が再開することで、人々が「もう大丈夫だ」と感じる心理的な要因も作用しているのかもしれません。

2. 調査の限界

今回の調査にはいくつかの限界もあります。まず、データの収集が「飲み会」という特定のキーワードに依存しているため、他の状況に関する投稿や人々の行動全体を網羅的に分析できたわけではありません。また、手動でのツイート収集のため、データ量に偏りが生じる可能性があります。

3. 今後の展望

今回の結果は、感染者数の推移と人々の危機感の変動に一定の相関があることを示しましたが、より広範なデータを用いたさらなる研究が必要です。今後は、他のキーワードや異なるSNSプラットフォームも含めた調査を行い、人々の行動や意識の変化をより深く理解することが期待されます。また、調査結果をリアルタイムで可視化することで、危機管理や公衆衛生対策に活用することが可能であると感じました。

用語解説

Mecab

Mecab(メカブ)は、日本語の文章を形態素解析するためのオープンソースのライブラリです。形態素解析とは、文章を単語ごとに分割し、それぞれの単語の品詞(名詞、動詞、形容詞など)をタグ付けする作業のことです。特に日本語は、英語のように単語ごとのスペースがないため、形態素解析を使って文章を正確に分割する必要があります。

形態素解析

形態素解析とは、文章を単語単位に分割し、それぞれの単語がどのような品詞(名詞、動詞、形容詞など)であるかを識別する自然言語処理の手法

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