はじめに
株式会社POLという会社でエンジニアをやっている @HHajimeW です。
この記事は「POL Advent Calendar 2020」の7日目の記事です。
昨日の @takahashik0422 さん(あだ名はまーさん)からバトンを頂きました。
最近、他部署向けにプロダクトのデータを整理しているため、具体的にどんなことを行っているのか紹介したいと思います。
背景
サービス概要
まず、私が所属する株式会社POLが提供するサービスであるLabBaseを手短に紹介させてください。
このリンクがわかりやすく説明されています。
LabBaseは、学生が自分のプロフィールや研究内容をサイトに載せて、企業がそのプロフィールを読んで興味を持った学生にスカウトをするという流れの就活サイトです。ダイレクトリクルーティングとか逆求人型と呼ばれています。同様なサービスはirootsさん、OfferBoxさん、などありますが、LabBaseは理系大学院生に特化しているところが他のサービスと異なるところです。
ダイレクトリクルーティングサービスの特徴として、自社にマッチした学生に個別にアプローチすることができるという点があります。ナビサイトなどはPVや申込数などで分析することが多いと思いますが、ダイレクトリクルーティングサービスは返信率や承諾率を見て、スカウトの内容や対象学生を変更することもあるため、データ活用が重要となります。
なぜ取り組んだのか
データ活用が大きな課題とはなっていなかったのですが、弊社では上記のような問い合わせがちょくちょくあったり、9月に入社したカスタマーサクセス(以下CS)の方が「データを探すの大変だよね」みたいなことがあったため、取り組み始めました。
想定していたデータの活用方法はたくさんありますが、
例えば、企業の人事の方にサービスをご利用いただく前だと、スカウト対象となりそうな学生数がどのくらい登録してくれているのかや、自社の業種や規模が近い企業がどのくらい返信率があるのかなどをご質問いただくことがあります。これらのデータを営業チームが常に把握できるようにする必要があります。
ほかにも、サービスをご利用中でも、時期によって学生の忙しさなどが変わるため、返信率が異なることがあります。返信率がさがったりすると、時期要因なのか、スカウト文が良くないかなどを分析するためのデータが必要になることがあります。これらのデータはカスタマーサクセスチームに連携します。
- 抽出したデータの一部
- 学生登録実績
- 専攻別登録実績
- 卒業時期別スカウト実績
- 月次スカウト実績
- 専攻別返信率
- 業界別返信率
- 業界別×規模別返信率 etc
進め方
チーム体制(3人チーム)
- PdM:1人
- CS:1人
- エンジニア:1人(私)
役割
- PdM:過去に出したデータの引き継ぎとか俯瞰の視点
- エンジニア:必要なデータをRedashでとってきて、スプレッドシートに連携
- CS:CSチームやその他部署で必要とされるデータの吸い出しとスプレッドシートのデータの整理
今のところ、Redashでデータ取得して、それをスプレッドシートに連携という形で整理しています。他の企業さんがどんな感じでやっているのかも知りたいので、おすすめなどあれば、ぜひ教えて下さい!
実際のデータ
データは以下のような形で表やグラフでまとめています。実データの部分はカットして、カラム名だけにしています。理系就活の市況だったり、業界ごとの返信率は、サービス導入を考えていただいている企業さんであれば、提供することができると思いますので、ぜひお問い合わせください笑
学生登録実績
22卒スカウト実績
業界別×専攻別スカウト承諾率
他にも専攻別の登録数や、業界別のスカウト数などをすぐに確認できるようにしています。
改善された良い話
今回、データダッシュボードを作成してよかった点は大きく2点ありました。
1点目は想定通りだったのですが、問い合わせが減り、抽出したデータを解釈してCSの方々がお客様に提供できる情報が増えたことかなと思います。DBの登録状況や承諾率の現状を感覚ではなく、前よりも数値で語ることができるようになったのはプラスですし、お客様からの信頼獲得にもつながるのかなと思います。
2点目は感覚的なものでしかないのですが、CSの方々がデータの価値を実感し、活用していこうという意識が高まっている点です。これは一緒にデータダッシュボードを作成してくださったCSの方の影響が大きいと思いますが、誰かがデータを出しそれによる解釈を共有すると、自分も見てみようという動きは広まります。データ活用の最初の一歩として、ダッシュボード作成は良い施策でした。
データを共有する際に注意すべき点
実際にやってみて、以下の3点くらい課題があったので、参考にしていただけると幸いです。当然のことだとは思うのですが、意外とできてないなということもあり。
- データの取得の定義を事前にすり合わせる
- 学生のデータを取得する時の学年の対象やスカウトデータを取得する時の対象企業に自社(POL)を含めるかどうかなどが、データを見る人の前提と異なることがあります。それを事前にすり合わせていくことは大切です。
- その定義をきちんと残す
- 多くの人が見るダッシュボードとなるため、データの定義を全員に伝えることができるようにそれを残しておく必要があります。
- メンテナンス性
- 登録データやスカウトデータは日々増えていくものであるため、コストが高いと更新しなくなり、更新されないデータは正しくないデータとなるため、使われなくなります。
おわりに
プロダクトチームでファネルを改善するためにデータをとっているチームもあるのですが、今回はそれとは別に、営業チームやCSチームなどのカウンタパート向けのデータ活用を行いました。今後の展望としてはメンテナンス性をあげていくことと、セールスやマーケにも使えるデータを増やしていきたいなと思います。
まだまだ始動したばかりで、これからなチームなので、ぜひご意見・アドバイスなどいただけると嬉しいです!
明日はPOLの顧問をしてくださっている松岡剛志さんが記事を書いてくださいます!