初めに

UAT（User Acceptance Test）は、ソフトウェアが仕様要件を満たし、本番環境で問題なく動作するかを検証するテストです。システム開発にはコンポーネントテスト、結合テスト、システムテスト、受け入れテストの4段階があります。
受け入れテストの目的は、開発者側のテストをレビューするだけでなく、実際の利用環境で問題なく動作するか確認することです。システム完成から稼動までのスケジュールを立て、検証すべき機能の優先度を決める必要があります。本記事では、UATの特徴と実施手順を紹介します。

UATとは

UAT（User Acceptance Test）は、システムやソフトウェアがユーザーのニーズを満たしているか確認する受け入れテストです。顧客がシステムの要件やビジネスプロセス・バグをリリース前に確認します。
テストは計画、テスト環境の構築、テスト実施の流れで行われ、本番環境に近い環境で使用・検証するため、不具合を見つけやすいのが特徴です。自社でUATを行うノウハウがない場合は、第三者機関を利用すると信頼性の高い検証が可能です。

UATテストの種類

開発工程の最終段階で行うUAT（ユーザー受け入れテスト）は、ユーザーのニーズに沿った機能要件を検証するテストです。ソフトウェアの規模や特徴に応じてテスト手法が異なり、適切な手法を選ぶことが重要です。ここではUATの種類について説明します。

単体テスト

モジュールごとの機能を確認し、不具合を早期に発見します。ソースコードやデータモデル、コンポーネント仕様を検証します。

結合テスト

単体テスト後に各モジュールを組み合わせて動作を確認します。データやモジュールのやり取りを検証し、システムの品質を確保します。

ブラックボックステスト

内部構造に注目せず、システムの入力と出力を検証します。ユーザー視点で行われ、第三者でも実行可能です。

システムテスト

本番環境での正しい動作を確認します。システム全体の性能や安定性を検証し、問題を早期に発見します。

回帰テスト

修正や変更後に既存機能への影響を確認します。新しい変更による影響を確認し、システムの品質を向上させます。

UATを実施する流れ

UATを実施する流れについて説明します。質の高いソフトウェアを提供するためには、優先的にテストすべき機能を絞ることが重要です。全ての機能をテストするのは時間がかかるため、特に仕様変更や重要な機能を優先します。

テスト計画の作成

最初にテスト対象のスケジュールや連絡ルートを整理し、テスト開始日と終了日、業務範囲を明確にします。重要な業務を優先的に決め、スムーズな実施を目指します。

環境の構築

テストシナリオ作成に基づき、テスト環境を準備し事前確認を行います。本番と同じ環境で動作を検証し、管理表を用意してスムーズに作業を進めます。必要最低限のポイントに焦点を当てます。

テストの実施

シナリオ通りにテストを実施し、バグや不具合を修正します。全てのシナリオを実行し、問題がなければテストは終了です。その後、システムをクライアントに引き渡します。重要度の高い機能からテストを行い、ソフトウェアの全体的な仕様を把握することが重要です。

まとめ

本記事では、UATの特徴と実施手順について詳しく説明しました。UATはユーザーが実際に近い環境でシステムを使用し、動作確認を行うテストです。ユーザー目線で業務観点の不具合を確認することで、開発者が見落とした問題を発見できます。ユーザーが満足するソフトウェアを提供するためには、テスト計画からシナリオ作成、テスト実施までの抜け漏れを防ぐことが重要です。リリース後の不具合を防ぐため、状況に合った方法でUATを実施しましょう。

詳しくは下記の記事もご参照ください。
➡ UATとは？テストを成功するための実施手順をご紹介