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"胡散臭い仮想通貨"から"未来のインフラ"へ

Last updated at Posted at 2021-12-01

#はじめに

令和も3年から4年になろうとしています。
この度Symbolの大型HFが終わり、NEM側もHFが完了してようやく次世代NEMであるSymbolが船出を迎えました。

令和元年、つまり2019年に発行された
次世代 NEM ではじめるブロックチェーンアプリケーション開発
https://booth.pm/ja/items/1549217
というnember有志がまとめた書物があります。
image.png

ここで書かれていたあの頃のポエムをこの機会にもう一度読み直してみようかと思い投稿させて頂きました。
Symbolという名前が無かったころの文章ですので本アドカレ向けに言葉だけ修正しています。
大筋、何も変わっていません!手抜き記事ではありません!

ようやく船出を迎えたSymbolです。あとは皆さんの力で船を漕ぎだしましょう。

というわけでnem Advent Calendar 2021スタートです!

#"胡散臭い仮想通貨"から"未来のインフラ"へ
ビットコインをはじめとする、いわゆる「仮想通貨」と聞くと⾝構える⼈が多いと思う。
しかし、最古の仮想通貨ビットコインが誕⽣してからまだ 10 年程度の歴史しかないこの分野は、
まだ世間からすれば「胡散臭さ」を拭えておらず、暗号資産/暗号通貨/仮想通貨などと⼀般的な名称すら定まっていない。

「Symbol」もこれに該当する仮想通貨プロジェクトである。

Symbolプラットフォームで使われる通貨「XYM」は円やドル、その他財産と同じく⽇本国政府によって、財産的価値を有する⼀号仮想通貨として認めてられており、⾦融商品にも投資/投機の⼿段にもなり得る。

巷では通貨の価格相場の激しさも相まって、やれ「儲かった」「損をした」などと下世話な話題で満ちている。そこにつけ込んだ詐欺的な取り巻き連中が多く、悲しい状況も続いている。
本書を⼿にしている読者はブロックチェーン関連技術、仮想通貨全般に理解があると期待するが、技術者といえどもこれらに⽇々触れていく場合、⼈間の欲望を刺激する部分がまったく無いとはいえないだろう。

技術的な視点で⾒ると、仮想通貨は既存の暗号技術や P2P 技術などを組み合わせることで信頼性を保証している。「胡散臭い」どころか「普及している信頼性の⾼い技術の寄せ集め」なのだ
2018年、世間を騒がせた⽇本の仮想通貨取引所コインチェック社で発⽣した NEM 流出事件においては、NEM ブロックチェーン⾃体に瑕疵・改竄はなく、取引所が標的の盗難であった。
これは取引所として⼗分なセキュリティ対策が施されていなかったことが原因とされている。
しかし、世間は新しいものへの反発や知識不⾜から「胡散臭い」「怪しい」と⼀蹴してしまう。
そして理解のある⼈々はその誤解を解くために、膨⼤な時間を費やしている。このような状況は今後もしばらく続くだろう。
今は世間の認識が緩やかに変わっていくのを待つ他ない。

ブロックチェーンによる分散台帳技術の仕組みでもっとも⾰新的なことは、ブロックチェーンのデータ全体を「ひとつの巨⼤なお⾦」として扱うことに成功した点だと考えている。
既存のマネーやポイントのように、独⽴した単位として紙幣や硬貨が点在するイメージではない。
例えるならば、巨⼤な円グラフのようなもので、ここからここまでは私のお⾦、そちらからそちらまでがあなたのお⾦。グラフ全体がひとつの価値であり、各⾃が区分に権利を有する、そういうイメージになる。

⾃分の所有権を主張するならば、他者の所有権も認める必要がある。
他者の所有権を信頼しないのであれば、⾃分の所有権もまた他者に認められないだろう。

ブロックチェーンとは常に全体の整合性が得られなければ完全に成り⽴たないデータだ。不正をひとつでも許したら全体の信頼性は崩壊し、無価値となるだろう。
今⽇、ブロックチェーンは「不正の⼊り込まないデータ」をお⾦としての⽤途以外に活⽤することにも期待されている。簡単にお⾦や財産的価値と連結できるのがブロックチェーンプラットフォームの強みだが、他にも⼊り⼝は無数にあるはずだ。マネーとの分野を切り離して、柔軟な発想をしてみて欲しい
様々な可能性を秘めたブロックチェーンだが、現状では、通貨以外の⽤途がはっきりと⾒いだされているとは⾔い難い。

現実の課題解決に⽤いるのではなく、⼀過性のバズワードとなってしまったブロックチェーンを、単に使うことだけを考えている企業や開発者は多い。明確な⽬的なく、使うこと⾃体に縛られ、システム全体として筋の悪いものが出来上がってしまうこともある。

そんな⼿探りの中、有効に活⽤できる分野や⼿法が確⽴されれば、世間への浸透は⼀気に進むだろう。
なにせ参加者のデータを全員がシェアし、ゼロダウンタイムを実現し、絶対に不正が⼊り込まないデータに、誰もが低コストで簡単にアクセスできるプラットフォームは他に存在しない。

しかし、ブロックチェーンをシステムへ実装するプロセスにも課題がある。
ブロックチェーンと呼ばれるプラットフォームは星の数ほど存在するが、システムへ組み込むためには、プロトコルレベルの理解や、専⽤の⾔語の習得など、要求される知識が⾮常に多い。
要するに「⾼度な技術」といえば聞こえがいいが、⼿を出し難い
参⼊障壁の⾼さは普及への妨げとなるだろう。

その点において、Symbol はアプリケーション開発者に優しい仕様になっている。プラットフォームが標準で提供する API を組み合わせることで、⾃分の得意な開発環境・得意な⾔語でブロックチェーンの操作を実装できる。
Symbol なら、明⽇から「ブロックチェーンを扱う技術者」になることが可能だ。
先に述べた、膨⼤な資⾦を投⼊して管理するような「参加者のデータを全員がシェアし、ゼロダウンタイムを実現し、不正の⼊り込まないデータ」にアクセスし、⾃⾝のシステムに組み込むことを、他のどんなブロックチェーンプラットフォームより容易にしているのが Symbol だ。

Symbolを使うことによる最⼤のメリットは、より短期間でアイデアを実装ベースまで落とし込み、それらの反省や経験を踏まえ、さらに新たなアイデアを検討し、すぐまた実装に落とし込んでいける点にあると考えている。
なお、SymbolやNEM を活⽤しても実現できないようなブロックチェーンのアプリケーションは他のプラットフォームでは何⼗倍も難易度が⾼いだろうと考えられる。
どのプラットフォームも向き不向きがあるが、SymbolやNEM ほど実働を⾒越したプラットフォームは無いと思う。

SymbolはNEM をさらに強⼒に進化させたものになる。
開発者にも利⽤者にも、現時点で最先端かつ最⾼峰のプラットフォームとなっており多岐にわたり恩恵を受けることであろう。
また本アドベントカレンダーに寄稿している他の著者達は世界的に⾒ても NEM/Symbol に対する理解が深い素晴らしい技術者である。
記述例の処理を追い理解を深めることで、ブロックチェーンを活⽤したアイデアを、より社会に近づけることができると確信している。

本アドベントカレンダーでSymbol/NEM で何ができるかを学び、
より沢⼭の時間を「何を作るか」に費やして欲しい。

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