こんにちは、約1年ぶりの投稿です。
今回は、品目マスタデータのコピー方法のうち、大量データの作成を簡単に実行できるトランザクション:MMCCを試してみました。ロジ系マスタデータ作成・設計・開発・テストと、多岐のフェーズで大量に消費する品目マスタデータをコピーする方法はマスタ画面から直接行う、バッチインプットレコーダを活用するなど様々な手法がありますが、このMMCCを活用すれば、複数のプラントデータ、複数の販売組織・流通チャネルデータを持つ品目のコピーも一度に実施することができます。S/4HANA 1809の時代からあるのですでにご存じの方も多いかと思いますが、検索してもあまり情報が出てこないので知らない方も意外に多いのでは?と思い、記事にしてみました。
目次
- トランザクション:MMCC
- まとめ
1.トランザクション:MMCC
参照品目 [必須] 参照元品目コードを指定します。
新規品目数 [必須] 新しく作成する品目数を指定します。同一品目の拡張登録は1を指定します。
テスト実行 チェックをオンにすると動作確認のみを行い、実際の更新処理は行いません。
既存データ変更不可 すでに登録済みのデータを更新しない場合にオンにします。
ユーザ設定適用 トランザクション MMCU にて、プラントや保管場所といった組織データの参照元と参照先を指定したエントリを更新対象として適用する場合にオンにします。検証したところうまく動作しませんでしたので説明対象外とさせていただきます
コピー対象データ 品目マスタのコピー先となるデータ種類を指定します。倉庫管理/拡張倉庫管理(WM/EWM)のデータが不要ならば「倉庫番号データ」「保管域タイプデータ」のチェックを外しておき、あとは使用タブの必要に応じて変更すればよいかと思います。
フィルタ設定 参照元品目に登録されている組織データのうち、対象・対象外にしたい条件を設定することができます。後の画面でコピー対象組織の追加・削除ができますので、今回はこちらは使用しません。
1品目に対して、販売組織・流通チャネルデータが3件、プラントデータが2件紐づいています。トランザクション画面に依存した品目コピー/拡張登録だと3回は処理を実行する必要がありますが、MMCCはこれを1回の処理ですべてコピーできます。
選択画面の内容を設定したら、F8キーまたはウィンドウ右下の実行ボタンをクリックします。
第2画面には、第1画面のコピー対象データで指定したものと対応したタブが表示されます。品目タブでは、コピー先品目とテキストを指定します。
先ほどの選択画面の「新規品目数」で指定した分の行数が表示されます。品目コードにはコピー先品目コードを入力し、テキストには参照品目の内容がコピーされていますので修正します。
・品目の拡張登録の場合は、参照元品目と同じ品目コードを指定してください。
・内部採番の品目をコピーする場合は、品目コードの入力はブランクとしてください。
・大量データのコピーを実行する場合は、エクセルのワークシートまたはテキストエディタのタブ区切りで内容を記載した連続データを用意しておき、コピーペーストするとスムーズに入力できます。
プラントやSDデータ(販売組織・流通チャネル)、評価エリアのタブにも、参照元品目のデータに従ってエントリが作成されています。エントリの増減や、コピー元/先の変更も可能です。
処理を実行したところ、ログが表示され(長いので一部のみ)、新しい品目へのコピー登録に成功したようです。
2.まとめ
トランザクション:MMCCを使用することで、以下のことができます。
・複数の組織データを持つ品目データのコピーや拡張登録が容易に実行できる
・コピー先品目を複数件指定できる
皆様の品目マスタコピー対応がよりスムーズに完了することを期待して、この記事を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。