はじめに

ある日、画面に「∞が表示されている。」との報告を受けました。
この不可解な事象の真相を求め、旅に出ました。

動作確認環境

以下のコードでは、値が無限になります。

// hogeは、∞になる。
double hoge = 1.0 / 0.0;

このコードでは、1.0を0.0で割ることにより、hogeには無限大（∞）が代入されます。

double型は、IEEE 754の仕様を実装しているためです。
IEEE 754では、0で割ると無限になると定められています。

IEEE 754では、NaN（Not a Number）という値も存在します。
これは、以下のようなパターンで発生します。

// hogeは、NaNになる。
double hoge = 0.0 / 0.0;

細かいことを言えば、-0や-∞も存在します。

例えば、int型にキャストすると、int.MinValueの値が返ってきます。

// hogeは、∞になる。
double hoge = 1.0 / 0.0;
// fugaは、-2147483648になる。
int fuga = (int)hoge;

IEEE 754を実装した型の一覧を以下に示します。
私が主に使用するC#、VB.NET、F#の言語における対応を記載しています。

これらの型は、IEEE 754の仕様に従って、無限やNaNの取り扱いを行います。

PHPでは、どのような挙動になるのか実験してみました。

# DivisionByZeroErrorが発生する。
$hoge = 1.0 / 0.0;

PHPでは、0で割るとDivisionByZeroErrorが発生します。
しかし、関数を使って割り算を行うと、無限（INF）を得ることができます。

# 無限(INF)になる。
$hoge = fdiv(1.0, 0.0);

長くもない旅から帰ってきました。
こうした仕様を覚えておくことも大事だと実感しました。
ユーザに入力させる部分では、バリデーションや入力値制限をより一層しっかり行いたいと思います。