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[備忘録]C#出身の僕がExcel VBAで悩んだところ

Last updated at Posted at 2016-01-14

背景

Excel VBA を書く機会がたまにあるのですが,C#やpython出身の僕がVBAを書いていて悩んだところを備忘録として残します.

悩んだところ

コメントが ' である

' がコメントなんです
' #でも //でもありません

変数の定義は強制されない

VBAではデフォルトで変数の定義をせずに使えてしまうので(pythonやrubyと同じ),複雑なコードを書いていく場合は

Option Explicit

a = 1 ' エラーになる
Dim a As Integer
a = 1 ' エラーにならない

Option Explicit で定義を強制しましょう

変数定義時に値を代入できない

' 変数は定義と同時に代入できません
Dim a As Integer
a = 10
' 定数は定義時にしか代入できない
Const b As Integer = 10

return がない

Public Function RetStr()
    RetStr = "返り値" ' メソッド名に値を代入すると返り値になる
End Function

返り値の型の指定の仕方

Public Function Hoge(str As String) As Integer
    Dim i As Integer
    i = 1
    Hoge = i
End Function

返り値のないメソッドでは () を使わない


Public Function RetStr()
    RetStr = "返り値がある"
End Function

Public Sub NonRetStr()
    Debug.Print "返り値が無い"
End Sub


Public Function Hoge()
    Dim a As String
    a = RetStr() ' 返り値があるメソッドの呼び出し
    Debug.Print a
    
    Call NonRetStr '返り値が無いメソッドの呼び出し
End Function

++が使えない

Dim idx As Integer
idx = 0
idx = idx + 1

同じ型の変数を同時に定義できない

' 以下の定義だと a は Variant型になります
Dim a, b As Integer
' 両方ともIntegerにするには以下の通りです
Dim a As Integer, b As Integer

値型と参照型では代入の仕方が異なる

' 値型の代入
Dim a As Integer, b As Integer
a = b
' c と dが参照型である場合 Set を使う
Dim c As Worksheet, d As Worksheet
Set c = d

参照を意識すると言うのは,僕は大切だと思うのですが個人的には好きなのですが,

c = d

とすると例外メッセージ「オブジェクト変数またはWithブロック変数が設定されていない」が

ref_insert.PNG

と出てきて,理解しにくいのが難点です.

For i = 1 To 1 でも式の中に入ってしまう

for.PNG

もし入らないようにしたければ、Whileを用いましょう

Continueがない

For文内でcontinueする場合は GoToを用いましょう

for_continu.PNG

ForやIf内でスコープがない

SubやFunctionの中で宣言した変数は,その中でしか使えないというスコープを持っていますが,For文やIf文などの中で宣言した変数はSub内Function内で使えてしまいます。
例えば For文用のIndexを定義すると、そのIndexはモジュール内のどこからでもアクセスできてしまいます(単語補完でも表示されます)

scope.PNG

Dim で初期化されない

まず、Dimで二度同じ変数を宣言するとエラーを吐きます

Dim a(1 To 10)
Dim a(1 To 10) ' エラー

しかし,For文ではエラーになりません

Dim idx as integer
For idx = 1 To 10
     Dim a(1 To 10) ' エラーにならない
Next idx

しかし、このaは初期化されておらず、前に格納された値を保持します

Dim idx as integer
For idx = 1 To 10
     Dim a(1 To 10)
     a(idx) = idx
Next idx 
' aは1から10の値を持った配列となる.不思議!

配列のIndexが1から始まる場合と0から始まる場合がある

Dim a As Variant
a = Array(1,2,3) ' indexは 0,1,2
ReDim a(1 To 3) ' indexは 1,2,3

Option Base 1を先頭につけることで、Array()で生成される配列のindexを1から始められるようになります.
(こちらのほうがセルの参照時などに相性がいいのでお勧めです)

Option Base 1 ' defaultでは 0

細かな話(時間があれば,きちんとまとめます)

WindowsとMacで使えるメソッドと引数が決まっている

特にファイル選択など入出力系ではMac版は不便で、Apple Scriptを使わなければダメです

WorkSheetのActivateの注意点

Sheet(“シート名”).Activate でアクティベーション(参照などが行える)できますが、アクティベートしたSheetのWithコンテキストの中で他のシートに書き込みは出来ないので注意です

Emptyの値が0を取る

Cellが空であるかどうかをちゃんとIsEmptyで確認しないと、普通に空のセルの数値を0として計算が通ってしまいます.

ソートがないため、自分で実装する

C#などでは arr.OrderBy()で簡単にソートできるのですが,そう言ったデータ配列をソートする関数は標準で用意されていないようです.
(ご存知の方はご教示ください...)

Dictionary, Collectionなどの型は他のDllを参照する必要があり、デフォルトでは使えない

これらは複雑なコードを書いていく上で必須ですので,dllを参照しましょう.
ref.PNG

勉強法

Excel はビジュアライゼーションと操作性が優れているので便利なのですが,VBAには色々つまずきました.
VBAを学ぶのであれば,まずマクロの記録をしてみて,それで記録されたマクロがどういうコードなのかを理解することです.
あとは,ググりましょう!

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