UiPathの無料で使える追加機能を試してみた感想。
Cloud Robot Serverless
課金について
課金はRUという単位で行われるが、Freeプランには毎月300RUが無償で与えられている。
ブラウザ操作を含むワークフローを8分くらい動かして8RU消費したので、300分=5時間くらい使える計算。
便利な点
環境の用意が不要な点はありがたい。
PC交換の影響を考えなくていい。
後で述べるがクロスプラットフォームでしか使えないので、ユースケースは限られるが、ブラウザ操作もできるiPaaS、という感覚で使うのがちょうどいいと思う。
微妙な点
対応OSをクロスプラットフォームにしないと動かせない
クロスプラットフォーム自体がかなり使いづらい。
まず、画面操作はブラウザに限られると思ったほうがいい。
Excelなどのファイル操作もMircorsoft365経由じゃないとできなかったはず。
そこまでなら想定の範疇内だが、使えるアクティビティの仕様が微妙に違ったり、アクティビティが微妙になかったりする。
例えばUI操作系で言うと、「繰り返し(UI要素)」が無い。裏技的に対応OSをWindowsにして作りこんだ後Studioを2画面開いてコピペすると使えるが、編集はできない。
データテーブル系で言うと、「データテーブルを構築」が無い。こちらはVB.NETのコードをガリガリ書いていけば回避できるものの、こういう微妙な差異があるせいで開発効率が落ちる。
アクティビティの仕様もよく分からないところで違ったりする。
Windowsじゃなくても動くようにしたい強い意志がない限り、クロスプラットフォームを選択するのはやめたほうがいい。
Data Service
便利な点
追加費用無しでサクッと試せる。
1日1000回まで追加費用無しでAPIが使えるらしい。
1回1件ずつ触ると1000回はすぐに到達してしまうが、1回のデータ操作で1000件まで一度に扱えるので、うまく節約すれば十分使える。
GUI操作で作れて、とりあえず触る分にはいい。
Studioでのエンティティの管理が簡単
ブラウザ上でData Serviceの操作を行い列を追加したりした場合、Studio側ですぐにその変更を反映させることができる。
エンティティが持つフィールドがデータ型に反映されているので、コード入力の際に補完で呼び出せて便利。
注意点とか
データ操作の際は、基本的に1000件単位で行う必要がある
参照の場合は1000以上のデータは返ってこないし、追加・更新・削除は1000件を超えるデータを一度に与えるとエラーになる。
Studio/Robotからしか触ってないけど、API経由で使ってもたぶん同じだと思う。
SQLは使えないし、ストアドプロシージャみたいなことはできない。
そもそも期待するほうが間違ってそうだけども。
前述の1000件単位の縛りもあって、ちょっとしたデータ整形をするにも時間がかかる
1000件以内で運用するならそこまでストレス無さそうだけど、1万件とか10万件とかになってくるとそれはもう普通にSQL Databaseとかを考えたほうがよさそう。
参照画面の一覧性が悪い
別に普通の画面なんだけど、例えば2000件のデータを並べて変なのがないかなーって見たいとき、1ページあたり最大50件しか表示できないので、全部みるのに40回ページ送りが必要なのでめんどくさい。
そうするとExcelなりGoogle Spreadsheetにでも吐き出したほうがよくて、たぶんData Serviceだけ使うのは無理がありそう。
ライブラリを使っていて、参照先ライブラリ、参照元プロジェクトの両方でData Serviceのエンティティを使う場合、名前空間は違うものにする必要がある。
同じだと参照元プロジェクトでエンティティの指定がうまくできない。
列の順序は後から変えられなそう
まあ、表示側で考えればいいのであまり大した制約でもないか。
Apps
とりあえず無料で使えるから使ってみたけど、利用制限があるのかはよく分からない。
良い点
公開可能、もしくはOrchestratorのユーザーロールに基づくアクセス権を設定した状態で、さくっとWebアプリケーションを作れるのは良い点。
微妙な点
公開する方法が直感的に分かりにくい
まあ、eラーニングとかガイドを見ればいい話なんだろうけど…。
パブリッシュするだけではだめで、Orchestratorからデプロイする必要がある。
Apps画面からはデプロイできず、Orchestratorに行く必要があるが、導線がないので分からない。
テンプレートが微妙
まず数が6つくらしかない。
とりあえずデータを表示したいだけなのに、テンプレートを見てみてもそれっぽくすぐ使えそうなのがない。
フォーム形式が多い。
Data Serviceとの連携はできるが、フィルタリングでOR条件が使えない
AND条件のフィルタリングはできるのに、OR条件のフィルタリングはできない。
複雑な条件もたぶん指定できない。
そんなに大して使ってないのに基礎的なところでハードルが出てきたので、たぶんちゃんと使おうとするともっといろいろ制約がありそう。
データの参照の仕方にこの手の制約があると、データ設計からやり直しになる。
コードで実装してたら置換してなんとかなることもあるけど、ノーコードだと手作業でやり直しになるのが色々辛い。
参考
ライセンスごとの利用枠はここに記載あり。
https://docs.uipath.com/ja/automation-cloud/automation-cloud/latest/admin-guide/about-licensing