Linuxにおける「btmp
」とは、システムの不正なログイン試行(失敗したログイン試行)を記録するためのバイナリ形式のログファイルです。このログは、セキュリティの監視や不正アクセスの検知に役立ちます。
特徴
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ファイルパス
通常、/var/log/btmp
に配置されています。 -
内容
ログインが失敗したユーザー名、IPアドレス、試行された時刻などの情報が含まれています。 -
形式
バイナリ形式で保存されているため、直接テキストエディタで確認することはできません。ログの内容を見るためには専用のコマンド(lastb
)を使用します。
関連コマンド
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lastb
コマンド
btmp
の内容を読みやすい形式で表示します。lastb
出力例:root ssh:notty 192.168.1.10 Fri Nov 10 10:22:15 2023 - Fri Nov 10 10:22:15 2023
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btmp
ファイルのクリア
ファイルサイズが大きくなりすぎた場合などは、内容を削除することで管理できます。ただし、必要に応じてバックアップを取っておくことを推奨します。> /var/log/btmp
注意点
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ログローテーション
一部のLinuxディストリビューションでは、btmp
ファイルも定期的にローテーションされます(通常はlogrotate
によって管理される)。 -
権限とセキュリティ
btmp
ファイルは敏感なセキュリティ情報を含む可能性があるため、アクセス権限は厳格に制御されています。通常、root ユーザーのみがアクセス可能です。 -
無効化する場合
必要がない場合やログを記録したくない場合は、設定を変更してbtmp
の記録を無効化できます。ただし、セキュリティ上の理由から推奨されません。
btmp が存在しない場合
システムによっては、btmp
ファイルがデフォルトでは作成されていないことがあります。その場合、次のようにして手動で作成できます。
sudo touch /var/log/btmp sudo chmod 600 /var/log/btmp
これにより、不正ログイン試行が記録されるようになります。