一般公開しているWEB APIにおける不正アクセス対策は、APIのセキュリティを強化し、不正利用を防ぐために重要です。以下に具体的な対策をいくつか挙げます。
1. 認証と認可の導入
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APIキー
クライアントに一意のAPIキーを発行し、それをリクエストに含めることでアクセスを制御します。 -
OAuth 2.0
権限を持つユーザーだけがアクセスできるように、OAuth 2.0などのトークンベース認証を利用します。 -
JWT(JSON Web Token)
セッションを維持せずにユーザーを認証するためにJWTを利用します。
2. 通信の暗号化
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HTTPSの使用
APIエンドポイントでHTTPSを強制することで、通信内容を暗号化し、中間者攻撃(MITM)を防ぎます。
3. レート制限とスロットリング
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IPベースのレート制限
特定のIPアドレスからのリクエスト頻度を制限し、過剰なリクエストを防ぎます。 -
トークンベースのレート制限
ユーザーやアプリごとにリクエスト回数を制限する仕組みを導入します。
4. 入力データの検証
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パラメータバリデーション
リクエストのすべてのパラメータを検証し、不正な入力を拒否します。 -
SQLインジェクション対策
SQLインジェクション攻撃を防ぐためにプリペアドステートメントやORMを使用します。 -
JSONスキーマバリデーション
JSON形式のデータを受け取る場合、期待されるスキーマに基づいてデータを検証します。
5. クロスオリジンリソース共有(CORS)設定
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ホワイトリスト方式
許可するオリジンを明示的に指定し、不要なドメインからのリクエストを拒否します。
6. ロギングとモニタリング
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リクエストログの収集
すべてのリクエストをログに記録し、異常なパターンを検出できるようにします。 -
セキュリティイベントの監視
セキュリティ関連のイベント(異常な認証試行や大量のリクエストなど)を監視し、即座に対応できるようにします。
7. WAF(Web Application Firewall)の導入
- WAFを利用して、一般的な攻撃(SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど)をブロックします。
8. IP制限と地理的フィルタリング
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IPアドレスのホワイトリスト/ブラックリスト
許可されたIPアドレスだけがアクセスできるように制限します。 -
地理的な制限
必要に応じて特定の地域からのアクセスを制限します。
9. トラフィックの分析とボット対策
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CAPTCHAの導入
ユーザーが人間であることを確認するためにCAPTCHAを利用します。 -
ボット検出ツール
Bot Managementツール(例:Cloudflare Bot Management)を活用して、悪意のあるボットからのアクセスをブロックします。
10. 定期的なセキュリティテスト
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ペネトレーションテスト
定期的にペネトレーションテストを実施して脆弱性を発見します。 -
脆弱性スキャン
静的コード解析ツールや動的アプリケーションセキュリティテスト(DAST)を使ってセキュリティリスクを特定します。
これらの対策を組み合わせて実施することで、APIのセキュリティを大幅に向上させ、不正アクセスのリスクを軽減できます。