概要
タイトル通りです.
74hc14だと,任意の閾値電圧で作れないので,自作してみます.
回路と原理
こちらの回路が参考になります.
同じ回路で実験したところ
2.5VでLOWに変化,1.6VでHIGHに変化,約0.9VほどH,L電圧に差があります.
\begin{eqnarray}
\frac{ V_{out} - V_+}{R_3} + \frac{ V_{supply+} - V_+}{R_2} &=& \frac{ V_+}{R_1} \\
\therefore (\frac{ 1}{R_1}+\frac{ 1}{R_2}+ \frac{ 1}{R_3})V_+ &=& \frac{ V_{out}}{R_3} + \frac{ V_{supply+}}{R_2} \\
\end{eqnarray}
$V_{+}$がHIGH/LOWで値が変わります
\begin{eqnarray}
HIGH : V_+ &=& \frac{1}{\frac{ 1}{R_1}+\frac{ 1}{R_2}+ \frac{ 1}{R_3}}
(\frac{ V_{HIGH}}{R_3} + \frac{ V_{supply+}}{R_2} )\\
LOW : V_+ &=& \frac{1}{\frac{ 1}{R_1}+\frac{ 1}{R_2}+ \frac{ 1}{R_3}}
(\frac{ V_{LOW}}{R_3} + \frac{ V_{supply+}}{R_2} )\\
\end{eqnarray}
HIGHの方がV+がでかいのが味噌ですね。
オペアンプの飽和動作
$V_+ > V_- $ならば,$V_{out} = V_{HIGH}$ → 状態A
$V_+ < V_- $ならば,$V_{out} = V_{LOW}$ → 状態B
注意:$V_-$が$V_{in}$になります.
動作解説
状態A:
$V_+$が大きいため、$V_-$が$V_+$を超える電圧が大きくなる。
状態B:
$V_+$が小さいため、$V_-$が$V_+$を下回る電圧がより小さくなる。
これがヒステリシス性となります。
参考例の場合
\begin{eqnarray}
R_1 &=& R_2 = R_3 = 10k\\
V_{HIGH}&=&3.66\\
V_{LOW}&=&0.637\\
V_{supply+}&=&5.0\\
V_{th-HIGH}&=&\frac{ V_{HIGH}}{3} + \frac{ V_{supply+}}{3}=2.88\\
V_{th-LOW}&=&\frac{ V_{LOW}}{3} + \frac{ V_{supply+}}{3} = 1.88\\
\end{eqnarray}
微妙に数値が異なりますが,実験値とかなり近い値になります.
あとは,R1,R2,R3をうまいこと計算してやればOKです.
上限・下限の差をできる限り大きくする
- $R_2$を大きくする。
\begin{eqnarray}
HIGH : V_+ &=& \frac{1}{1 + \frac{ R_3}{R_1}}
V_{HIGH}\\
LOW : V_+ &=& \frac{1}{1 + \frac{ R_3}{R_1}}
V_{LOW}\\
\end{eqnarray}
- $R_1$を大きくする。ただし、上げすぎると閾値が天井・床に張り付いていまう。
- $R_3 \times 10 = R_1$ とするのがいいのかな
\begin{eqnarray}
HIGH : V_+ &=& 0.91
V_{HIGH}\\
LOW : V_+ &=& 0.91
V_{LOW}\\
\end{eqnarray}
非反転シュミットトリガ
$V_+,V_-$を逆にすれば次のようになります。
これはヒステリシスとは逆に、すぐ切り替わる性質を持っています。
こうすると良いらしい。
ヒステリシス性を持ちそうですね。
天井・床付近にヒステリシスを持ってくる
式を変形すると
\begin{eqnarray}
立ち上がり : V_{IN} &\geq& V_{cc} + \frac{R_1}{R_2} (V_{cc} - V_{LOW} ) \\
たち下がり : V_{IN} &\leq& V_{cc} + \frac{R_1}{R_2} (V_{cc} - V_{HIGH} ) \\
\end{eqnarray}
R1:R2 = 1:2とすると、下限と中間がスレッショルド位置になる。
\begin{eqnarray}
立ち上がり : V_{IN} &\geq& 0.5 ( V_{cc} - V_{LOW} ) \\
たち下がり : V_{IN} &\leq& 0.5 ( V_{cc} - V_{HIGH} ) \\
\end{eqnarray}
R1:R2 = 1:10とすると、スレッショルド差はほぼ無くなる。
\begin{eqnarray}
立ち上がり : V_{IN} &\geq& 0.9 V_{cc} - 0.1V_{LOW} \\
たち下がり : V_{IN} &\leq& 0.9 V_{cc} - 0.1V_{HIGH} \\
\end{eqnarray}
R1:R2 = 2:1とすると、天井がスレッショルド位置になる→Vccを低くすれば、天井・床にもってこれr
\begin{eqnarray}
立ち上がり : V_{IN} &\geq& 3 V_{cc} - 2V_{LOW} \\
たち下がり : V_{IN} &\leq& 3 V_{cc} - 2V_{HIGH} \\
\end{eqnarray}