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電磁気学でたまに引っかかるミス

Last updated at Posted at 2023-05-08

たまに引っかかる

\begin{eqnarray}
\oint_C H \cdot ds = \int_S j dS\\
\oint_C B \cdot ds = \mu_0 \int_S j dS
\end{eqnarray}

maxwell1.png

は成立する。
2式で$j$の意味合いが異なる。
Hの式の$j$は磁化電流を含まない
Bの式の$j$は磁化電流を含む

ここを忘れてしまう。

磁化

磁場$H$が磁性体内の磁気双極子の向きが揃って、磁化する。

磁化の強さ、磁化によって発生する磁束密度を磁化ベクトル$M$といい。

M = \chi H

と比例で表すことが多い(正しくはヒステリシス性・飽和性がある)。

忘れがちなのは
磁化$M$によって磁場$H$は強まらない!
磁束密度$B$のみが強まる。

つまり、

B= M + \mu_0 H

である。

引っかかりポイント2

磁化電流が環状に発生するイメージ

image.png

は正しいが、そうすると

rot M = \mu_0 i_m

のイメージが崩れる。(積分系に直すと、Mの周回積分が発生するが、図ではMはループしてない)回っているのは、$i_m$なため、混乱してしまう。(追記:Mがループしている必要はない。ループしないといけないのは発散が0のとき。磁束密度Bはループしていないとおかしい。途中で途切れることはできない。)


つまり、

  • $rot M \neq 0$
  • $rot(M+\mu_0 H) = 0$は成立する。
  • 磁化による磁束密度はループしない!

(追記)

磁化する=磁気双極子ができる
鉄心内に磁化双極子がたくさん並ぶという風に考えたほうがいいかもしれない。

(追記2)

rot M = \mu_0 i_m

にストークスの定理を当てはめると

\oint M \cdot dl = \int \int_S \mu_0 i_m dS

別にMがループしてなくても、ループ内の一部で0であっても間違いではないということである。
ループを要求するのは、$div B= 0$の磁束密度の方である。

image.png

引っかかりポイント3

B= \mu H

は成立する。しかし、透磁率$\mu$は均一とは限らない。

\begin{eqnarray}
rot B = rot(\mu H) = \mu \mathrm{rot} H
\end{eqnarray}

としていいか悩むことになる。

この式変形は間違っている。

原因

透磁率という物性値は作れるが、現象として透磁率は存在しない。磁化電流が存在すると考えるべきである。

磁場$H$のもとで磁性体内には磁化電流$I_M$が発生する。

結果磁束密度は増加し

B = \mu H

となる

環状鉄心と磁気抵抗

loop.png

磁束がもれない条件

磁束がもれないならば
「出る磁束=入る磁束」といえる。
環状鉄心ないからもれないならば、貫く磁束は一定である。

どうしてもれないのだろう・・・

div B = 0

から、鉄心側面から出る磁束密度がないことを言えればいい。
境界条件とかあるのかな。

一般的な解法

アンペールの法則は鉄心に関係なく成立

NI = H_1 l_1

透磁率をかければ磁束密度が決定する

B = \mu H_1 = \mu \frac{NI}{l_1}

欠損のある環状鉄心

loop2.png

ギャップ$x$だけある場合を考える。

一般的な解法

アンペールの法則は鉄心に関係なく成立

NI = H_1 l_1 + H_{gap} l_{gap}\\

磁束が一定であることより

\begin{eqnarray}
B_1 S_1 = B_{gap} S_{gap}\\
\therefore \mu_1 H_1 S_1 = \mu_0 H_{gap} S_{gap}\\
\therefore NI = H_1 l_1 + H_{gap} l_{gap}
\end{eqnarray}

2つの連立を解けば

\mu_0 H_{gap} S_{gap} = \frac{NI}{\frac{l_1}{S_1 \mu_1}+\frac{l_{gap}}{S_{gap} \mu_0}}

が得られて、磁界の強さ・磁束密度が決定する。

ビオサバールの法則の導出

だいぶ難しい。
$div H = 0$を使っているので真空中を仮定していると思う。

ベクトルポテンシャルが電流密度の体積積分で計算できる

A = \int_V j dV

ことから、磁場が

H=rot A = rot \int_V j dV

でもとまる。ここから頑張って式変形すると

H = rot \int_V \frac{j \times R}{|R|^3} dV

でビオサバールの公式が出てくるようだ。

真空中以外では成立しない!

電波を考えるときは使える。

Hは磁性体の影響を受ける。

rot H = j

で電流密度から磁場の関係が求まる。

div B = div (\mu H) =0

も満たすように連立させ、$H$を求める。

このため、磁性体の透磁率$\mu$の影響を受ける。

有限要素法で静磁場を計算する

rot H = j\\
 div (\mu H) =0

を微小体積で関係を求める。

アンテナ本が手に入ったらやろう

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