はじめに
今回は Unity で HoloLens 2 のアプリケーションを開発する際に必要になる効果音 ( SE : サウンドエフェクト ) について書いていきたいと思います。Mixed Reality アプリケーションを開発する際、ボタンを押した際や場面転換時、何かイベントが発生した時、BGM (バックグラウンドミュージック) 等、アプリケーションの起動がから終了までの間の音 (Audio) を考慮する必要があります。特に、HoloLens 2 のようにジェスチャー操作が基本となるデバイスは、コントローラーを使用する他のAR/VRデバイスと比較して触覚のフィードバック (振動、物理的なボタン) が使えないので、視覚と聴覚を駆使して仮想オブジェクトがまるで現実世界に実在するかのように没入できる体験を作り込まなければいけません。
Unity プロジェクトで音声データを扱う際の基礎知識
Unity のオーディオシステムを使えば、自然界と同じようにドップラー効果やサラウンド効果をコンテンツで再現することが可能です。
基礎理論
- 物理学において 音は気体、液体、固体などの伝達媒体を音響波として伝搬する振動 を指す
- 実生活において、音はオブジェクトから発され (音源)、人々の耳 (リスナー) に届く
- 同じ音でも環境要因等によって聞こえ方が異なる
- 音の高さは ピッチ と呼ばれ、音の高さは Hz (ヘルツ) という単位の周波数で決まる
- 動きの速い音源 (通り過ぎる救急車など) はピッチを変えることでドップラー効果を引き起こす
- トンネルや洞窟などの閉鎖空間では、音が反射してエコーがかかる
(引用元:オーディオの概要)
Unity では、音源の位置の影響をシミュレートするために AudioSource
コンポーネントがアタッチされたオブジェクトから音を発生させます。発生した音は AudioListener
がアタッチされた他のオブジェクト (主に Main Camera) を通じて受け取ることができます。リスナーオブジェクト (ユーザー) から ソースオブジェクト (音源) までの距離と位置の影響をシミュレートして、それに応じて再生された音をユーザーに届けてくれます。