はじめに

Microsoft が主導するオープンソースプロジェクト
「 Microsoft Mixed Reality Toolkit v2 ( MRTKv2 ) 」について、
導入方法、サンプルシーンをビルドするまでを解説したいと思います。

Microsoft Mixed Reality Toolkit-Unity

What's MRTK v2!?

MRTKとはMicrosoftが主導するオープンソースプロジェクトです。
MRTK-Unity は、Unity上でのMixed Realityアプリケーション開発を加速させる
コンポーネント群 & 各種機能を提供しています。

最新リリースでは、数多くのプラットフォームをサポートしています。

HoloLens / HoloLens 2
Windows Mixed Reality headsets ( WinMR )
OpenVR headsets ( HTC Vive / Oculus Rift )

Kobe HoloLens Meetup vol.1で、「MRTKv2」について、
登壇した際の資料です。MRTKv2を導入される前に読むと役に立つと思います。
HoloLens 2 が破壊するMixed Reality UI/UX

導入環境

開発端末 ( Surface Book 2 / Windows 10 )
Visual Studio Community 2017 ( Version 15.9.8 )
Unity ( 2019.1.7f1 )
MRTKv2 ( v2.0.0-RC2.1 )

使用するUnityのバージョンについて

公式ドキュメントでは、Unity 2018.4.x ( LTS : Long Term Support ) の使用を推奨しています。
※ ただし、ARM64向けにビルドをする際には、Unity 2019.1.x 以降が必要となるようです。
ご自身の必要に応じて、[ Unity 2018.4.x ] or [ Unity 2019.1.x ] のどちらかを選択してください。

※ こちらのドキュメントでは、Unity 2019.1.7f1 を使用しています。

MRTKv2 導入手順

1. MRTKv2 パッケージファイル ( .unitypackage ) を GitHub からダウンロード

Mixed Reality Toolkit-Unity ( GitHub ) よりパッケージファイルをダウンロードします。

1.GitHubページにアクセスし、「Releases」 タブを押下します。

2.MRTK v2.0.0-RC2.1 最新パッケージファイルを確認します。

※ RCは「Release Candidate」の略。日本語訳をすると「リリース候補版」で、
　MRTKv2のプレリリース版である。こちらのリリースで重大なバグが見つからなければ、
　最終リリース版として提供が開始される。

以下、パッケージファイル (2つ) をダウンロードします。

Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Examples-v2.0.0-RC2.1.unitypackage
Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Foundation-v2.0.0-RC2.1.unitypackage

Foundation には、Mixed Reality 開発の際に役に立つ コンポーネント群 が含まれています。
Examples には、MRTKv2を使用した サンプルシーン や Prefab が含まれています。

2. Unityにて新規プロジェクト作成

1.Unity にて新規プロジェクトを作成します。

2.プロジェクトの作成が完了すると、Unityが起動します。

3. パッケージファイル ( .unitypackage ) をインポート

1.MRTKv2 (GitHub) よりダウンロードしたパッケージファイルをインポートします。
※ グローバルメニュー [Assets] > [Import Package] > [Custom Package ...] よりインポート可。

さきほどダウンロードしたファイルを選択すると、確認ダイアログが表示されるので、
すべて選択 ( All ) し、「Import」ボタンを押下します。

2.Mixed Reality向けのプロジェクト設定を行います。
MRTKv2をインポートすると、グローバルメニューに 「Mixed Reality Toolkit」タブ が追加されます。

[Add to Scene and Configure ...] ボタンを選択します。

以下、Alertが表示されますが、OKボタンを押下し、先に進みます。

プロファイルは、 「DefaultMixedRealityToolkitConfigurationProfile」 を指定します。

一通り設定が終わると、ヒエラルキーが更新されているのが確認できます。
「MixedRealityToolkit」、「MixedRealityPlayspace」が追加されており、
開発する際は、「MixedRealityPlayspace」にゲームオブジェクトを追加していきます。

続いて、Build Settingsに変更を加えます。( Ctrl + Shift + B )
[Add Open Scenes] を選択し、現在開いているシーンを追加します。

次に、アウトプット先のプラットフォームを変更します。
アウトプット先を「Universal Windows Platform」に変更し、
各項目を下記画像の通り設定の上、Swich Platform ボタンを押下します。

※ HoloLens 2が手に入るまで、HoloLens (1st gen) で対応。

さらに、Player Settings ... を開き、Mixed Reality 向けの設定を追加します。

Depth Buffer Sharing

Depth Buffer(深度情報)をUnityアプリケーションからWindowsプラットフォームへ共有することで、
ビジュアル品質を向上させることが可能になります。[16-bit depth] or [24-bit depth]を選択することが可能ですが、
HoloLens向けのアプリケーションをビルドする際は、[16-bit depth]の選択を推奨しているとのこと。
(公式ドキュメントを参照)

以上にて、Player Settings 設定の変更は完了です。

4. MRTKv2 サンプルシーン ( xxxxx.unity ) をビルド

ビルドを実行します。

以上にて、HoloLens アプリケーション開発環境構築は完了です。

【 Microsoft HoloLens 】Mixed Reality Toolkit (MRTKv2) の「BoundingBox」サンプルを動かしてみた。