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Adobe Animate CC 2019新機能: 公式情報に書かれなそうなポイントと注意点そしてバグ

Last updated at Posted at 2018-10-16

Adobe Animate CC 2019がリリースされました。公式情報として、まずはAdobe Blog「Announcing Adobe Animate CC 2019」が公開されました。公式・非公式含めて、これからいろいろ情報は出るでしょうから、あまり触れられなそうな、それでいて大事だと思うことについてお話をします。

サンプルファイルは要チェック

まず、作業を始めようとして、ショートカット[Ctrl]/[command] + [N]を押しても何も起こりません(図001)。新機能の紹介で採り上げられるとおり、スタートアップスクリーン(ホーム画面)が変わりました。そして、このスクリーンが[新規]ファイルをつくるダイアログを兼ねます。つまり、すでに開いているので、何か選ばなければ進めないということでしょう。

図001■スタートアップスクリーンが開いていると[ファイル]メニューの[新規]は選べない

1810001_003.png

スタートアップスクリーンの下部には、サンプルファイルが12個掲げられています。リップシンクやVRなどの新機能のサンプルもありますので、チェックしておくとよいでしょう。正しく操作できなかったとき、どこが間違っていたかの確認にも使えるからです。

図002■スタートアップスクリーンのサンプルファイル

1810001_002.png

リップシンクはどこにつくるか

12種類の口のかたちをグラフィックシンボルにつくれば、ナレーションを解析して音声に割り当ててくれるのが新しい自動リップシンクの機能です。

ステージで口のグラフィックシンボルのインスタンスを選んで、[プロパティ]パネルから[リプシンク]ボタン(ママ)を押します。フレームピッカーが開いたら、口のかたちを選び、[完了]ボタンを押すだけです(図003)。

図003■グラフィックシンボル内につくった口のかたちをフレームピッカーで選ぶ

qiita_10_002_001.png

たちまち、Adobe Senseiがキーフレームを割って、グラフィックシンボルのフレームを割り当ててくれます(図004)。

図004■サウンドに合わせてキーフレームに口のシンボルのキーフレームが割り当てられる

qiita_10_002_002.png

ただし、サウンドと口のグラフィックシンボルをメインタイムラインに置いて操作すると、[プレビュー]のとき[出力]パネルに警告の嵐が表れます(図005)。曰く「フレームラベルが重複している」と。

図005■[プレビュー]のとき[出力]パネルに表れる警告の嵐

qiita_10_002_003.png

いや、それSenseiが勝手につくったのだし、口のかたちは重複して当然。という言い訳は聞き入れられません。メインタイムラインやムービークリップシンボル内に重複したフレームラベル名があると、この警告は必ず出ます。スクリプトなどでコントロールしていたとき、間違って同名ラベルを使うと意図しない動きになることがあるからでしょう。

「警告」なので無視しても問題は起きません。けれど、他に注意すべき警告が混じっているかもしれないので、できたら避けたいところです。前述のサンプルファイル「Auto Lip Sync」を開いて試すと、この警告は出てきません。

実は、サンプルでは口のグラフィックシンボルはメインタイムラインに直に置かれず、グラフィックシンボルに入れ子にされています。けれど、口のシンボルとサウンドは同じタイムラインになければ、リップシンクがつくれないのです。そこで、入れ子の親のグラフィックシンボルには、メインタイムラインとまったく同じサウンドが同じ尺で入れてあります。グラフィックシンボル内のサウンドは無効です。つまり、リップシンクのテンプレートとして使われていました。

VRパノラマドキュメントをつくる

[追記: 2018年12月11日] Animate CC 19.1でこの問題は修正されました。

VRドキュメントは「ベータ版」扱いで、試験的に採り入れられた機能です。VR Panoramaであれば、水平に長いステージにオブジェクトを置けば、[プレビュー]で円筒型に配置され、ドラッグで水平に回せるはずです。ところが、なんということでしょう。ブラウザウィンドウは真っ白です。そして、コンソールにはロードエラーが示されています。

図006■ブラウザコンソールに示されたロードエラー

1810001_005.png

不思議なことに、サンプルの「VR Panoramic 360 content」は問題なくブラウザウィンドウで回せます。サンプルとどこが違うのかつぶしていってわかったのは、シーン名にマルチバイト文字が使えないということでした。VRコンテンツをつくるとき、今のところシーン名はシングルバイトの文字に書き替えてください。

図007■VRコンテンツではシーン名はシングルバイトを使う

1810001_006.png

気を取り直して、パノラマ画像でVR Panoramaコンテンツをつくるときのコツです。ステージサイズは画像と合わせます。そのとき、[ドキュメント設定]で[コンテンツに合わせる]ボタンを押せば、サイズも位置も一気に合わせてくれて簡単です(図008)。

図008■[ドキュメント設定]の[コンテンツに合わせる]ボタンでサイズと位置を合わせる

1810001_004.png

これで、オブジェクトは円筒の周に配置されます。ただし、丸めてはくれません(図009)。

図009■円筒の周に丸められずに配置された背景

1810001_007.png

サンプルのVRコンテンツのようなビルなど小物は丸めなくてよいでしょう。けれど、背景はこれではまずいです。丸めたいオブジェクトのレイヤーは、[タイムライン]に新たに加わったテクスチャ折り返しを作成アイコンをオンにしてください(図010)。

図010■[タイムライン]のテクスチャ折り返しを作成するアイコン

1810001_008.png

シーン名さえ気をつければ、VRコンテンツをつくるのは簡単です。[プレビュー]で円筒状に360度回せます。

新機能を使おうとして気にとまった点は、以上です。その他は「Animate CC の新機能」をご覧いただくとよいでしょう。また、LinkedInラーニングにビデオ解説「Animate CC 2019の新機能」があります。こちらは新バージョンがリリースされた2018年10月29日まで全レッスン無料公開です。

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