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【MATLAB】畳み込み積分について学んでみた

Last updated at Posted at 2019-10-04

あらすじ

制御工学の学習中に頻繁に出てくる、畳み込み積分。
matlabにも、関数「conv」として用意されている。

折角matlabが使用できる環境にあるので、matlabを
使用して畳み込み積分について学んでみる。

この記事でやること

  1. 畳み込み積分の基本及びその用途について記載
  2. 手計算で畳み込み積分を計算
  3. matlabを使用して畳み込み積分を計算
  4. ②と③の結果の突き合わせ

1-1. 畳み込み積分の基本 - 畳み込み積分って何?

合成積とも呼ばれる畳み込み積分は、関数 $f(x)$ と $g(x)$ が存在する時、以下式にて定義する。

         $h(x) = \int_{-∞}^{∞} f(τ)g(x-τ)dτ = \int_{-∞}^{∞} f(x-τ)g(τ)dτ$

離散系で考える場合は畳み込み和と言い、以下式にて定義される。

h(m) = \sum f(n)g(m-n) = \sum f(m-n)g(n)

1-2. 畳み込み積分の用途 - 何のために使うの?

システムにデルタ関数を入力した場合のインパルス応答が分かる、という利点がある。
入力信号を $f(x)$、デルタ関数を $g(x)$ と定義すれば、畳み込み積分の結果 $h(x)$ がシステムの出力として表される。
離散系で考えれば、どんな信号もサンプリングタイムを幅とするインパルス(状)の信号の連続であるため、
畳み込み積分によってインパルス応答が分かるということは、あらゆる入力信号に対する出力信号が
「畳み込み」で分かる、ということになる。

2. 手計算で畳み込み積分を計算

$f(x)=sin(x)、g(x)=cos(x)$ として、
以下の畳み込み積分 を計算する。

h(τ) = \int_{0}^{3} sin(τ)cos(2-τ)dτ

[ 回答 ]

積和公式
$sin(α)cos(β) = \dfrac{1}{2} \{sin(α+β)+sin(α-β)\}$
を使用し、

\begin{align}
h(τ)&=\dfrac{1}{2}\int_{0}^{3} \{sin(2)-sin(2τ-2)\}dτ\\
\end{align}

とする。

$sin(2)$は定数なので$τ$で積分すれば単純に$τ$がつくだけ。
$sin(2τ-2)$ は $t=2τ-2$ として合成関数の積分公式
$\int t^{-1}dx = \dfrac{1}{n+1}・t^{n+1}・\dfrac{1}{t^{\prime}}+C$
を使用して
$\int sin(2τ-2)dτ={(cos(2τ-2))・\dfrac{1}{2}}$
とすると

\begin{align}
h(τ)&=\dfrac{1}{2}\left[τsin(2)-\dfrac{1}{2}\{cos(2τ-2)\}\right]^3_0\\
&=\dfrac{1}{2}\{3sin(2)-0sin(2)-\dfrac{1}{2}((cos(4)-cos(-2))\}\\
&=1.4233\\
\end{align}

3. matlabを使用して畳み込み積分を計算

% 条件
range = [0 3]; % 定積分の範囲
ts = 0.1; % サンプリングタイム
x = range(1):ts:range(2);

% ① 連続時間系
h = @(x) sin(x) .* cos(2 - x);
cans = integral(h, range(1), range(2)); % 連続時間系積分の解

% ② 離散時間系
f = sin(x);
g = cos(2 - x);
h = f .* g;
dans = sum(h) * ts; % 離散時間系積分の解

% 連続時間系と離散時間系の解の差分
err = abs(cans - dans);

答え(cans)は1.4233で、手計算での結果と一致した。
※ 離散時間系はついでで記述

ところで関数「conv」は?

結局、関数「conv」を使用せずに計算した。

関数convについて公式の説明を見てみたが、「畳み込みおよび多項式乗算」と
タイトルにあるように、厳密には畳み込み「積分」まではやってくれないらしい。
式:$\int_{-∞}^{∞} f(τ)g(x-τ)dτ$ のうち、$ f(τ) $ と $ g(x-τ)$ の乗算のみをやってくれる関数のようだ。

しかも無名関数として$sin(x)$などを宣言しても引数として使えず、スカラやベクトル(一次元配列)を
引数として使うしかない。

同じ長さの2つの配列の要素同士を演算をするためのものでもないため、
結局convを畳み込み積分に使用する方法が分からなかった。
(オマエが知らないだけで普通に使えるわ!という声が聞こえてきそうだ)

もしかするとSymbolic math toolboxがあればうまく活用できたのかもしれないが、
持ってないため試すことができなかった。残念。。

参考にさせていただいた情報

大変お世話になりました。誠にありがとうございます。

[ネット]

内容 リンク先
畳み込み積分の用途 http://zellij.hatenablog.com/entry/20110924/p1
同上 https://www.noe.co.jp/technology/18/18inv1.html
置換積分 https://yorikuwa.com/m3402/

最後に

ここはこうしたほうがいいぞ!ここ間違っているぞ!等もしございましたら、
お手数ですがご指摘いただけますとそれはもう大変喜びます。

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