2
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

はじめまして、こんにちは:grinning:
はじめての投稿は、私が社員のポートレート撮影会を企画実施したお話をさせていただこうと思います。よろしくお願いします!


1.組織と私の役割

私は、新事業開発と技術研究に取り組むインキュベーション組織で、組織全体のプレゼンス向上施策の検討に2024年度から取り組んでいます。

2.ポートレート撮影会をやりたいと思ったきっかけ

ポートレート撮影会とは?あまりIT業界では聞き慣れない言葉かもしれません。
私がイメージしたものは、まさに雑誌のモデルがスタジオでさまざまなポーズをとって写真撮影を行うものです。

「え?なんのために?」

と、疑問が浮かびますよね。企画当初、組織内もそんな反応だったように思います。

私のチームは4月の年度始まりから、組織内で活動内容の共有するため、また人と人の繋がりを作るために、さまざまな発表形式のイベントを企画していて、私の最初のタスクはその告知用のフライヤーを作成することでした。
ただ、一つ不満があったのです。

発表に登壇する社員の顔写真がイケてない・・・!

登壇者から提供していただく顔写真が本当に人それぞれで、解像度が低いもの・全体的に暗いもの・背景が賑やかすぎるもの・背景削除が難しいもの・社内だからセーフなもの・・・・などなど。
素人の私が作った告知フライヤーが、写真との相乗効果により、より素人っぽく見えてしまったのです。
クリエイティブ部分を期待されていた私としては、このままではヤバい、集客効果はマイナスだ…と危機感を覚えました。

そう。ポートレート撮影会を企画したきっかけは、制作物をプロっぽく演出したいがためでした。

3. 狙った効果

ただ、それではみなさん、写真を撮らせてくれません。企画としてもいまいちです。
なので、撮られる社員に対しての動機付けとしては、「投資部門である研究・事業開発メンバーそれぞれが取組む活動テーマについて、活動内容を効果的に発信できるようにするため」、「登壇者の顔を見せることで、信頼感や共感を得やすくします」、「Teamsのプロフィール写真更新ができます」、「チーム写真もOK!」などの理由をつけることで写真撮影してもいいな、と思ってもらえるように説明しました。もしかしたら、上司に無理やり行けと言われた人もいるかもしれませんが。。。

撮影チームとして、撮影会で狙った効果は以下

  1. 制作物のクオリティ向上=統一感のある高解像度・高品質な写真を使用し、プロフェッショナルな印象を与える
  2. 登壇者の顔が分かることで、 誰?という不安を払拭することができ、参加者から信頼感や共感を得やすくなる
  3. 投資部門である研究事業開発を担当する社員が自信を持って情報発信していきたいと思えるように促すこと

我々インキュベーション組織に対して抱かれている“謎の研究組織”というイメージから、顔を出すことでオープンな雰囲気を作りだし、社内外から共感と理解を得やすくすることで、プレゼンス(ブランド価値)を向上できるのではないかという仮説の下、ポートレート撮影会という実験を行いました。

4. ポートレート撮影会という実験

ポートレート撮影会は、カメラ一つだけではありません。やるなら本格的に!
殺風景な会議室に照明や白背景紙、ディスプレイ、ヘアメイクセットを用意し、写真スタジオ環境を再現しました。
もちろんプロのカメラマンにもご協力いただくことに。ですが、予算の関係上、段取りやポージング指示などのディレクションなどはチームで役割を決めて実施し、さらに、ヘアメイクは私ともう一人女性のメンバーが担当することになりました。なにもかもが初めての体験で、ドキドキです。
ヘアメイクが必須だと思ったのは、撮影後のレタッチ作業を極力少なくすること、また、自然な仕上がりを実現させたかったからです。
ファンデーションで顔の印象を明るくする、気になるシミはコンシーラーで隠す、まゆげも描き足してメリハリのあるお顔へ撮影段階で仕上げておきたかったのです。

ただし、IT企業でSE経験者が多い組織。撮影募集を呼び掛けても集まりません。
恐らく説明が足りず撮影の必要性を理解いただけなかったことが第一要因だと思いますが、そのほかの理由に、皆さん単純にシャイ…なのだと思います。
じゃぁ!全体呼びかけから個別呼びかけに作戦変更!発信機会の多い人を優先に個別に声掛けし、予約表を埋めました。

服装はオフィスカジュアルにお願い、鼻毛処理はしてきてね、などの事前連絡、段取りも完璧(なつもり)!いざ当日!
すると想定していなかった嬉しいできごとが、たくさんありました。

・男性はヘアメイクをするのが初めてな方が多く、意外にうれしそうだった。
・ヘアメイクはほぼ全員がOK、断る方はほぼいなかった。
・「初めまして」の方ともたくさん会えた。
・仕事の話をすると堅いイメージの方も、撮影会では和やかで意外とノリノリだった。
・写真を撮られる非日常感で、撮られている間は笑顔で楽しんでもらえた。
・和気あいあいと温かい雰囲気でお話しながら撮影ができた。撮影チームも楽しかった。
・プロフィール写真がなくて困っていたんだよね~と、プロフィール写真に使ってくれる人も多かった。

image.png

企画当初に想定した効果を上回って、意外な副次的効果が生まれたのだと思いました。

5. ポートレート撮影会から生まれた意外な効果

まずは、組織内のグループを超えて1対1(我々はチームですが)のコミュニケーションの機会がつくれたこと。
普段テレワークで、約150名の組織とは言え、グループや役割が異なると全くコミュニケーションがありません。お互い名前も知らない…ということも珍しくありません。
「ポートレート撮影会」という場を設けることで、普段会わない方とも会い、顔と顔を合わせてコミュニケーションをとることができたのです。
撮影会だからそりゃ顔は合わせるでしょう、と考えたら当たり前のことなのですが、対面で、みんなが楽しくコミュニケーションを取れる機会を作るのはテレワーク時代には意外に難しいものです。

二つ目は、仕事なんだけど仕事じゃない場面で、人となりを知ることができたこと。
仕事の話になると、気難しく感じる…という方もいらっしゃいますよね。
誰でも少なからずそうだと思います。仕事モードになるとさまざまな思考を巡らせて議論を交わし判断を行うので、いつでも和気あいあいとはいきません。

撮影会は違いました。
対話をしているような撮影カット(通称ろくろ回しカット)では、普段気難しそうな顔をしている方でも真剣にお昼に食べたモノの説明を手振り身振り、我々撮影チームに向かって話しているのです。
「このくらいの大きさのサラダパスタを・・味は醤油ベースで・・」なんて、笑っちゃいますよね。
緊張をほぐすための会話から、その人の趣味や価値観、一人ひとりがどんな活動をどんな思いで取り組んでいるのかを、短い時間でしたが楽しい雑談を交えて知ることができました。

そうすると、三つ目の効果は、これです。後日、仕事のコミュニケーションが取りやすくなったことです。
私のチームは、組織のプロモーションの役割を担っているので、事業開発や研究に取り組むチームとの関係が大事になります。〇〇なテーマで活躍する誰々をどのように発信することでどんな効果を生み出せるかを、各チームと協力して検討していく必要があるんですね。
なんとなくコミュニケーションを後回しにしていた人でも、撮影会後から仕事の話がしやすくなりました。知らないから…という心理的な壁が壊れたように思います。

6. まとめ

4か月間でポートレート撮影会は計8回、総勢106名の方を撮影することができました。
企画当初に狙った効果は実績値が測りにくいものもありますが、おおむね狙った通りの成果はあったと考えています。
撮影を強制することはできないので、組織の約7割の方に留まりましたが、単なる「写真撮影」を超えた価値を生み出し、今後の活動にもつながる施策になったと、以上のことから思っています。

私も日々実験。問いを持ち、仮説を立てて、小さな実験から繰り返す。
このマインドは常に持っていたいと改めて思います。失敗したらどうしよう…の気持ちもありますが、まずはやってみることが大事!ですね。

もし、あなたがテレワーク時代で少し視野や人脈が狭くなっていると感じていたり、組織をもっと活性化したい、効果的な情報発信をしたい!など課題があれば、ポートレート撮影会は一つの手段になり得るかもしれません。

2
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?