シアトルで5/19週に開催しているMicrosoft Buildに参加しました。イベントでの(主に)Data & Analytics領域についてのまとめです。
(会社の公式発表ではなく)一個人の見解なのでご注意ください。
※ 徐々に追記していこうと思います。
こちらが公式情報です。
Opening keynote
Opening keynoteに関してです。動画リンクです。
全体
今年のテーマは 「open agentic web」 です。keynote冒頭で話している写真です。
"open"や"web"という点には言及していませんが、「agentic」をlevel別に説明しているスライドです。
「open agentic web」は、AIエージェントがオープンな標準、プロトコル、およびコンポーネントを通じて、多様なエージェントが互いに、そしてウェブ上のコンテンツやサービスと連携し、開発者が革新的なアプリケーションを構築できる、分散型のウェブのあり方を目指すビジョン、といったところでしょうか。
例えば、「オープンな」という点でオープンソース化に関する発表がいくつかありました(WSLやGitHub Coplilot Chatのコア機能)。また、オープンなプロトコルという点では、MCP (Model Context Protocol)関連の内容であったり、新たなNLWeb(Agentic WebにおけるHTMLのような役割を果たす新しいオープンプロジェクト)についての発表がありました。
以下の順番で説明をしています。
- Developer tools
- Apps and agents
- AI platform
- Data
- Infrastructure
Data (& Analytics)部分
ここからが本記事の本題です。
全体
Data & Analytics 領域を以下のスライドで説明。
以下で分類しています。
- Turnkey(カギを回すとすぐに使えるという意味)
- Microsoft Fabric
- Control and customization
- Azure Databases
- Azure Databricks
Foundry connection for Azure Cosmos DB
Azure AI Agent Serviceを使った会話スレッドを、Azure AI Foundry SDKを使用して、Azure Cosmos DBアカウントに安全に保存・管理することが可能。今までは、Microsoftマネージド(ユーザが管理できない)のAzure Cosmos DBに保存されていましたが、ユーザ指定(BYO: Bring Your Own)のAzure Cosmos DB に保存できるようになります。
Foundry connection for Azure Databricks
Azure AI Foundryを使用して、Microsoft Azure Databricksに保存されているエンタープライズデータを活用するAIエージェントを簡単に作成できるようになります。
エージェントはAzure Databricks内でデータサイエンティストのSparkジョブを活用可能に。また、エージェントはAzure DatabricksのGenie roomsを使用して、自然言語クエリ(NLQ)を通じてデータと対話可能になります。
Gen-AI powered reasoning in PostgreSQL
PostgreSQL クエリ内に直接 LLM (大規模言語モデル) の応答を統合(スライド画像のazure_ai.generate
関数など)。
また、VS Code内で PostgreSQL データベースをより簡単に管理できるようにする新しい機能がプレビューとして登場。これにより、GitHub Copilot が PostgreSQL に機能拡張。
Cosmos DB in Fabric
Fabric での Azure Cosmos DB (NoSQL) のPublic Preview開始。この連携により、構造化データや分析データと同様に、半構造化データを Fabric に取り込むことができ、AI 対応強化の一環という感じです。
Previewの申し込みForm(会場に映っていたQRコードの先はここだけFormでし)
Digital twin builder
Digital twin builder が Microsoft Fabric Real-Time Intelligence 内の新機能としてPublic Preview開始。
現実世界の環境のデジタル表現を構築および管理するノーコード/ローコードインターフェースを提供。
Shortcut transformations in OneLake
OneLake でデータを仮想化しつつ、データ形式を Delta Lake 形式に変換したり、AI 駆動の変換(要約、翻訳、ドキュメント分類など)を適用可能(Public Preview)。keynote内で"AI Driven ETL"と呼んでいます。
Chat with your data
「Chat with user data」機能が Power BI および Copilot Studio に拡張(Public Preview)。
デモ画像がわかりやすいです(Power BI上のCopilot)。
また、Fabric データエージェントを、Microsoft Copilot Studio でカスタムエージェントに追加可能になります(今後数週間以内にプレビューで利用可能)。
Day 2 Keynote
Data & Analytics領域、そんなに多くなかったと思います。抜けているかもしれません。
Azure AI Foundry Agent Factoryを使ったデモ
Fabric上のCosmos DBにAgentのログが保存されていることを紹介。Cosmos DBやMicrosoft Fabric、Azure Data Bricksに保存できることが紹介されました(Cosmos DBがMicrosoft Fabricでも利用可能)。これはAgentのついでに紹介した程度。
Data関連の紹介
PostgreSQLのSQLでベクトル検索と属性検索でのJoinなどを紹介。
また、Fabric上で異なるデータソース(OneLake内のCosmos DBデータとミラーリングされたPostgreSQLデータ)を組み合わせてセマンティックモデルを作成し、イベントに関する詳細なレポートを生成し、インサイトを得るPowerBIデモが示されました(デモはPowerBI部分だけなので、裏の動きデモなし)。