🗂 第6回：【ジョブ管理編】分割指示の登録と管理をDataGridViewで実装する

はじめに：動画を分割するには「ジョブ管理」が欠かせない

この動画分割ツールの目玉機能は、「複数区間の設定をして、一括で出力できる」ことです。
そのために必要なのが、“ジョブ”の管理機能。

ジョブとは、次の3つの情報からなる分割指示のこと：

• ✅ 開始時間（hh : mm : ss）
• ✅ 終了時間（hh : mm : ss）
• ✅ 出力ファイル名（拡張子なしで手動で編集が可能となっております。）

これらを DataGridView に1行ずつ登録していくことで、複数ジョブを並べて管理できるようになっています。

Copilotには「ジョブ一覧としてDataGridViewを使って、時間とファイル名と削除ボタンを表示してほしい」と指示しました。

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UI設計：DataGridViewの4列構成

Designer.cs 側のコードで以下を定義：

dgvJobs.ColumnHeadersHeightSizeMode = DataGridViewColumnHeadersHeightSizeMode.AutoSize;
dgvJobs.Columns.Add("Start", "開始時間 (hh:mm:ss)");
dgvJobs.Columns.Add("End",   "終了時間 (hh:mm:ss)");
dgvJobs.Columns.Add("FileName", "出力ファイル名（拡張子なし）");

var deleteButtonCol = new DataGridViewButtonColumn();
deleteButtonCol.HeaderText = "操作";
deleteButtonCol.Name = "Delete";
deleteButtonCol.Text = "削除";
deleteButtonCol.UseColumnTextForButtonValue = true;
deleteButtonCol.Width = 60;
dgvJobs.Columns.Add(deleteButtonCol);

この構成により、時間とファイル名を入力する3列＋削除ボタンの1列、計4列が表示されます。

Copilotに「ボタン列にはラベル“操作”を付けて、表示文字は“削除”にして」と伝えたことで、視認性も改善されました。

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時間指定：開始・終了をワンクリックで記録する

再生中に「このタイミングを開始にしたい」「今の位置を終了にしたい」というとき、ボタンを押すだけで時間が自動入力されます。

private void BtnSetStart_Click(object sender, EventArgs e)
{
    var row = dgvJobs.CurrentRow ?? dgvJobs.Rows[dgvJobs.Rows.Add()];
    row.Cells[0].Value = TimeSpan.FromSeconds(slider.Value).ToString(@"hh\:mm\:ss");

    if (dgvJobs.CurrentRow.Index == dgvJobs.Rows.Count - 1)
        dgvJobs.Rows.Add();
    dgvJobs.CurrentCell = dgvJobs.Rows[dgvJobs.Rows.Count - 1].Cells[0];
    markerOverlay.Invalidate();
}

この機能に対して、Copilotにはこう指示しました：

💬「開始を設定したら、新しい行を自動追加して選択を進めてほしい」
💬「DataGridViewの最終行であれば次行を追加し、選択を次へ移して」

この発想は、“ユーザーが次のジョブをすぐに登録できるようにする”という配慮から生まれました。

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ファイル名の自動生成

終了時間を登録したとき、ファイル名が未入力の場合は自動で生成する機能もあります：

if (string.IsNullOrWhiteSpace(row.Cells[2]?.Value?.ToString()))
    row.Cells[2].Value = "cut_" + DateTime.Now.ToString("HHmmss");

Copilotに「終了を設定したとき、ファイル名が空なら自動で作ってほしい」と言ったところ、
“cut_”＋時刻という一意な命名ルールまで考慮して返してくれました。

このような“作業を減らす配慮”もAIは丁寧に実装してくれます。

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削除機能：1クリックでジョブを除去

削除ボタン列を追加したことで、ユーザーが不要になったジョブをすぐに消せるようになりました。

イベント処理は以下の通り：

private void DgvJobs_CellContentClick(object sender, DataGridViewCellEventArgs e)
{
    if (e.ColumnIndex == 3 && e.RowIndex >= 0)
    {
        dgvJobs.Rows.RemoveAt(e.RowIndex);
        markerOverlay.Invalidate();
    }
}

ColumnIndexが3（削除列）であるかをチェックし、該当行を削除。
その後 Invalidate() によってマーカー描画も即更新されます。

Copilotに「削除した行のマーカーが残らないようにして」と伝えた結果です。

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ジョブ構成の柔軟性

筆者はCopilotに「開始のみ、終了のみのジョブも想定して描画して」と伝えました。結果的に：

• 開始のみ → マーカー線（オレンジ）
• 終了のみ → マーカー線（オレンジ）
• 開始＋終了 → マーカー塗りつぶし（オレンジ）

となっており、不完全なジョブでも視覚的に存在感を示してくれるようになりました。

実際の処理では TryParse() を使って無効データに備えつつ、描画条件を判定しています。

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Copilotと進めたジョブ機能の完成ステップ

このジョブ機能は、Copilotとのやり取りを繰り返しながら進めた機能でもあります。

途中のプロンプト例：

• 「開始／終了を設定したら次の行に進めたい」
• 「ジョブのファイル名がないなら自動命名したい」
• 「削除ボタン列にラベル“操作”を表示したい」
• 「削除したら描画も更新してほしい」
• 「開始／終了が不完全でもマーカー描画はしてほしい」

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まとめ：ジョブ機能は操作の核、そしてCopilotが完璧に支えてくれた

この回の要点を整理します：

機能	実装ポイント	AIとの連携
ジョブ一覧	DataGridView構成（4列）	列ラベルと削除ボタン追加
時間設定	ボタン → 現在再生位置を記録	自動行追加と選択移動
ファイル名自動生成	未入力時に cut_＋時刻 命名	AIが命名ルールを提案
削除処理	ボタン列＋クリックイベント	マーカー描画も即更新

このツールの使いやすさは、Copilotと進めたジョブ設計の正確さに支えられています。
私自身がC#に不慣れでも、「やりたいこと」を伝え続けることで、ここまでの完成度に仕上がりました。

次回：第7回【ffmpeg連携編】

• ffmpegの自動取得＆保存機能
• 各ジョブに対して正確な -ss／-to コマンド生成
• バックグラウンド実行と進捗バー表示
• コーデック指定とファイル名処理の工夫