AIに予想をさせるなら、それが“自分の脳で出したものと同じくらい納得できるか”が重要です。
最初は罠を避ける構成だけだったのですが、軸馬の選定基準が曖昧だと「この馬、勝てる根拠は何?」という違和感が出てきました。
そこで今回は、私の“買う側の基準”をロジックとして整理していった話になります。
💭買う理由は「条件が揃っていること」
私が軸にする馬には、いくつか揃っていてほしいポイントがあります。代表的なものは次のとおり:
- 展開的に有利(前が残る流れで前にいる)
- 脚質と枠順の相性が良い(内枠先行、外差し馬場で外枠差し)
- 騎手と厩舎が勝負気配を示している(乗り戻し/昇級/調教負荷)
- 人気とリスクのバランスが取れている(妙味あり+飛ぶ要素が少ない)
- 直近3走が内容良好(着順より走破内容重視)
これらをすべて備えている馬は少ないですが、3〜4個揃っていれば中心に据えるだけの根拠になります。
🧠ロジック化:スコアリングシステムの構築
Python側で馬ごとに上記条件を評価し、以下のような加点式スコアをつけました:
項目 | 条件例 | スコア |
---|---|---|
展開適性 | 逃げ馬少・前残り想定で先行脚質 | +30 |
枠順評価 | 内枠の先行/外枠の差し | +25 |
騎手補正 | 手戻り騎乗/実績あり/ローカル得意 | +20 |
厩舎コメント | Netkeiba上で「勝負仕上げ」ワード含む | +15 |
過去走内容 | 前走でテン速・上がり優秀・位置取り好 | +10 |
馬場傾向一致 | 差し馬場で差し脚質、逃げ馬場で先行脚質 | +15 |
人気妙味 | 2〜4番人気で過剰感なく狙える | +10 |
合計スコアが70を超えた馬を「軸候補」として抽出。
65〜70は「相手候補」、それ以下は「流しor回避候補」としてUI側で色分けしています。
📊UI表示(C#側)
予想画面では、以下のように表示されています:
◎ 3番 アスクボルケーノ(スコア:78)
展開◎/枠順◯/騎手◯/調教◯
〇 5番 ロードレグナム(スコア:72)
展開◯/人気妙味/厩舎コメント強気
▲ 11番 ヴァンデル(スコア:65)
外枠差し/過去走良好
このスコア表示に加え、細かい加点理由もマウスオーバーでポップアップできるようにしていて、仲間からは「納得感がある構成でわかりやすい」と評判です。
🧠組み合わせ(買い目)への展開
軸馬を決めたら、相手にどの馬を入れるかを判定します。
ここでは以下の基準で買い目を構成:
- 単勝:スコア78以上+人気3〜6番手の馬
- 複勝:スコア70以上+展開合致+脚質明確
- ワイド・馬連:軸(75以上)+相手(65以上)から“展開で合う馬”を選抜
- 三連複:軸+相手2〜3頭+人気薄でスコア60以上の穴馬
金額は買い目数と月予算1万円以内のルールに応じて自動調整されるよう、計算式も組んでいます。
📦調整機能:手動フィードバックと再学習構想
AI予想でも、“ちょっと買いたくないな”と思う馬は出てきます。そこで:
- 本命候補の「削除」ボタンを追加
- 相手候補の「強調」ボタンも追加
- この操作をログとして保存しておき、将来的に“ユーザーの好み補正”として再学習予定
つまり、予想はAIが出すけれど、「最後に調整するのは自分」。それが今のちょうどいい使い方です。
🎯まとめ:買う理由を明確にしたことで、予想に納得感が出た
罠を避けるだけでは、予想は完成しません。
軸となる馬を選ぶには、明確な理由と根拠が必要。その判断基準を数値として整理し、アルゴリズムとして構成したことで、AIの予想に対する“納得”の部分が一気に強くなりました。
そして、予想画面上で「この馬はこういう理由で買い」と説明できるのは、仲間と共有するときにも便利。競馬は“説明できる予想”がある方が盛り上がります。
次回:第8回「AI予想で馬券を買ってみたらどうなった?」
次回は、構築したAI予想を使って実際に馬券を買ってみた結果をまとめます。
「出した通りに買ったらどうなる?」「自分で修正した場合は?」「回収率はどのくらい?」など、リアルな成績と体感を振り返ります。
実験と検証、ここからがAI競馬予想の本番です📘💻🎯