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第9回:仲間とAI予想を共有してみたら見えてきた“競馬脳”の違いと対応設計

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AI予想を自分で組んでから、それなりに納得できる精度まで持ってきたタイミングで、ふと思ったんです。
「これ、仲間に使ってもらったらどういう反応になるんだろう?」

競馬は個人競技みたいな趣味ですが、私の場合は毎週友人とLINEで予想談義をしていて、そのやりとりが自分の予想にも大きく影響しています。
AIという“自分の競馬脳を模したツール”が仲間にどう受け止められるかは、実験としても開発としても、すごく面白いと思ったんです。


🖥️予想画面を共有した構成

UI(C#)には以下の機能を入れて、使い慣れた馬柱+自動予想形式に仕上げていました:

要素 内容
本命候補 スコア70以上/罠スコア低め/展開合致優位あり
相手候補 スコア65〜69/枠/人気妙味/上がり評価
買い目構成 ワイド/馬連/単複の最適組み合わせ表示
理由表示 各馬に対して展開・脚質・人気バランスなどの加点理由をマウスオーバーで表示
手動補正機能 「買いたくない」「軸にしたい」を選ぶと、再構成が走る

これを、予想談義で毎週話している仲間に配布。
「好きに触ってみて、意見ももらえたら助かる」と伝えて実験スタートしました。


👤仲間A:ワイド専門の慎重派

この人はとにかく絞るタイプ。買い目はワイド1点、多くても複勝1点。
軸馬の選び方にも厳しく、「買う理由が1つでは買えない」「展開・枠・騎手すべて揃ってから買う」が信条です。

彼の反応:

「◎の理由は納得。ただ、買い目候補が3〜4点あると多くてブレる。
自分なら、そこまでスコアが強くない▲とか△は表示させない方が嬉しいかも」

この意見から、買い目数制限オプションを追加。
「買い目最大2点」「罠スコア30以上の馬は全表示から除外」など、UI側で条件選択式に変えました。


👤仲間B:展開ファーストの逆張り派

この人は「展開さえ読めていれば、人気も騎手も関係ない」というタイプ。
データはほぼ使わず、「この流れなら残る」「この馬場なら届く」と読む、感覚型に近い予想スタイルです。

彼からは:

「展開予測がいい。前残り表示になってるのに、◎が差し馬のときは少し疑うかも。
展開優先の人からすると、脚質との食い違いがあるなら自分で決めたい」

このフィードバックから、脚質補正スコアの分離表示を追加。
今までは総合スコアに含めていた脚質項目を、別枠で「展開との一致度」として出すよう変更。
これで「前残り表示+先行脚質の馬が明確に見える」ようになり、納得感が上がりました。


👤仲間C:人気と空気感を読むタイプ

この人は、調教師コメント/オッズの変化/Twitterの“競馬クラスタの空気感”などをよく見ています。
当日朝に「今日の注目馬」が大量に挙げられている馬は逆に嫌うタイプでもあります。

彼の反応:

「買い理由のスコアがあるのは分かりやすい。
でも、人気が急変してる馬にはもっと注意喚起があるとありがたい。
最終オッズとの乖離とか、単複の売れ方にも注目してる」

ここから以下の拡張を実装:

  • 前日オッズ/当日オッズ/直前オッズの変動率をグラフ表示
  • 単勝/複勝の比率スコアで“本命集中型”か“穴人気型”かを判定
  • 調教師コメント解析で「慎重」「叩き台」などを罠スコアに加味

この人からの意見は、市場の読みをAIに取り込むうえでかなり貴重でした。


🎯競馬脳の違い=「AIへの接し方」の違いだった

同じ予想画面、同じ出力を見ても、反応はバラバラでした。
「軸の据え方」「相手の広げ方」「罠の感じ方」「買い目の絞り方」――全部違う。
しかも、それぞれに説得力がある。

その時に感じたのは、

「AI予想は、出力そのものより“どう触れるか”が一番大事」

つまり、“出力の正しさ”ではなく、“納得できる操作性”。
これが人によって違う以上、操作可能性の広さ=AIの懐の深さになるんだと実感しました。


🔧拡張で追加した主な機能

機能 内容
買い目制限 UI上で最大点数/罠排除条件を指定可能
脚質一致度スコア 展開タイプと脚質のマッチ率を別表示
オッズ動向分析 グラフで前日~直前の変動を表示
単複売れ方比較 人気の偏り/不自然な集中を可視化
コメントスコア分析 ネット媒体の騎手・厩舎コメントから印象度を数値化

これらはすべて“人によって使い方が変わる”ことへの対応です。


📘まとめ:AI予想は、実は“予想スタイルの鏡”だった

自分で作ったAI予想が、自分の競馬脳に近いのは当然です。
でも、仲間と共有して初めて、「それってこう読めるよね」とか、「私ならこっち使う」といった新しい視点が生まれる。

そこで気づいたのは――

AI予想は予想を出す道具じゃなく、“予想スタイルを映す道具”でもある。

人によって重視する項目も違えば、納得ラインも違う。
だから、使ってもらって初めて「補完すべき項目」が明確になり、開発として一段深く踏み込めたと思っています。


🐎次回:第10回「AIと私の競馬:技術が趣味を支えてくれる」

最後は、「AIを作ってみて自分の競馬がどう変わったか」「忙しくても予想ができるという安心感」「予想を続けられる仕組みがあることの意味」について書きます。

競馬はただの趣味かもしれない。
でも、“趣味を支える技術”は、趣味そのものを長持ちさせる道具になる。 そんな話を最後にまとめて締めくくります🐎

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