第3回：CSVをExcelVBAでクレンジング＆成形する【整形ロジック＋コード解説編】

こんにちは、藤田です。
前回はPADでAccessやSQLからデータを取得してCSV出力する流れについて解説しました。今回は、その出力されたCSVファイルをExcel VBAでクレンジングし、帳票や報告書として整形するパートについて、がっつり掘り下げていきます。

このフェーズ、地味なんですが作業者にとっては命綱なんですよね。未成形のまま使われたらミスが出るし、Excel職人の腕の見せ所でもあります。

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🔄 処理の流れ（この回の構成）

1. CSV読込 → ワークシート展開
2. 空白行／NULL値の除去
3. データ型・桁数の補正
4. 表示レイアウトの整形（罫線／フォント／列幅）
5. データ分類＆色分け（条件付きフォーマット）
6. 保存 → メール送信へ受け渡し

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📥 CSVをワークシートに読み込む処理

まずはPADから出力されたCSVをVBAで取り込みます。Open 文で1行ずつ読み込み、2次元配列に格納→シートに展開という王道パターンです。

📄コード例：CSVを読み込んでシートに展開

Sub LoadCSVToSheet()
    Dim filePath As String: filePath = "C:\Output\data.csv"
    Dim lineText As String
    Dim splitVals() As String
    Dim rowIdx As Long: rowIdx = 1
    Dim colIdx As Long

    Open filePath For Input As #1
    Do Until EOF(1)
        Line Input #1, lineText
        splitVals = Split(lineText, ",")
        For colIdx = LBound(splitVals) To UBound(splitVals)
            If Trim(splitVals(colIdx)) <> "" Then
                Sheet1.Cells(rowIdx, colIdx + 1).Value = Trim(splitVals(colIdx))
            End If
        Next colIdx
        rowIdx = rowIdx + 1
    Loop
    Close #1
End Sub

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🧼 空白行＆NULL値のクレンジング

SQL出力されたCSVは、先頭数行がヘッダーなし・空白やNULL入りということもよくあります。VBAでこれを除去するには、1行ずつチェック → 条件除去がベスト。

✅処理例：空白行削除

Sub RemoveBlankRows()
    Dim r As Long
    With Sheet1
        For r = .UsedRange.Rows.Count To 1 Step -1
            If WorksheetFunction.CountA(.Rows(r)) = 0 Then
                .Rows(r).Delete
            End If
        Next r
    End With
End Sub

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🔢 データ型の補正（桁数／日付／数値）

データベースから出力された値には「1列に混在してる」問題もあります。郵便番号が「1234567」と出てきても、見せ方は「123-4567」にしたいですよね。

🎯郵便番号整形の例：

Sub FormatPostalCode()
    Dim r As Long
    With Sheet1
        For r = 2 To .Cells(.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
            If Len(.Cells(r, 3)) = 7 Then
                .Cells(r, 3).Value = Left(.Cells(r, 3).Value, 3) & "-" & Right(.Cells(r, 3).Value, 4)
            End If
        Next r
    End With
End Sub

※3列目に郵便番号が入っている前提

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🧩表示整形：罫線、フォント、列幅調整

処理されたデータをそのまま報告に使える形にしておくことで、見た瞬間に「ちゃんと整ってる感」が出ます。

📐コード例：

Sub FormatReportLayout()
    With Sheet1
        .UsedRange.Borders.LineStyle = xlContinuous
        .UsedRange.Font.Name = "メイリオ"
        .UsedRange.Font.Size = 10
        .UsedRange.Rows(1).Font.Bold = True
        .UsedRange.Columns.AutoFit
    End With
End Sub

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🎨 データの条件分岐と色分け

たとえば売上データなら「金額が50万以上は赤／それ以下は青」など、条件付きフォーマットで視覚的に差を出すこともできます。

💡コード例：条件付きセル色分け

Sub HighlightSales()
    Dim r As Long
    With Sheet1
        For r = 2 To .UsedRange.Rows.Count
            If .Cells(r, 5).Value >= 500000 Then
                .Cells(r, 5).Interior.Color = RGB(255, 200, 200)
            Else
                .Cells(r, 5).Interior.Color = RGB(220, 255, 255)
            End If
        Next r
    End With
End Sub

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📤 ファイル保存処理とメール送信準備

次回（第4回）でOutlook送信を扱いますが、ここで整形されたファイルを保存しておく必要があります。

Sub SaveReportFile()
    Dim fileName As String
    fileName = "C:\Output\Report_" & Format(Date, "yyyymmdd") & ".xlsx"
    ThisWorkbook.SaveAs Filename:=fileName, FileFormat:=xlOpenXMLWorkbook
End Sub

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🛠エラーハンドリングとログ記録

複数の処理が走る場合、エラーが出た箇所の特定が重要。VBAでも On Error を使って最低限の記録を残すようにしています。

⚙️例：ログ記録付き

Sub CleanseWithLog()
    On Error GoTo ErrHandler
    ' ... 各種処理
    LogMessage "整形処理成功"
    Exit Sub
ErrHandler:
    LogMessage "整形処理エラー: " & Err.Description
End Sub

Sub LogMessage(msg As String)
    Open "C:\Logs\cleanselog.txt" For Append As #1
    Print #1, Format(Now, "yyyy-mm-dd hh:nn:ss") & " - " & msg
    Close #1
End Sub

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🧠まとめと次回予告

この回では、CSVのクレンジングと帳票整形処理を中心に扱いました。VBAは見た目の整形に強いので、PADで取得 → VBAで仕上げ という構成が相性抜群です。

次回はこの成形済みファイルを Outlookで自動送信する処理（メール本文、添付、複数宛先、ログ付き） について詳しく掘り下げます